「20代なのに薄毛が気になる」と若くして髪の毛の悩みを抱える方もいるでしょう。

実は、20代から薄毛が始まるケースも十分あり得ます。しかし、適切なケアと治療を行うことで、薄毛の進行を止め再び健康な髪の毛を取り戻せる可能性が高いです。

本記事では、20代が薄毛になる原因から、効果的な薄毛対策やポイントまで幅広く解説します。また、20代男性のAGA（男性型脱毛症）の発症率も紹介します。

最後まで読めば、20代の薄毛に関する正しい知識を得られ、将来の髪の毛を健やかに保つコツをつかめるでしょう。

20代から薄毛が気になる人は意外と多い

20代から薄毛が気になる人は意外と多いです。リクルートが実施した「薄毛に関する意識調査2024」のアンケート調査によると、20代男性の18.6%、女性12.4%が「薄毛を気にしている」との結果が出ています。

20代の若いうちから薄毛に悩む人は、見た目の変化に対するコンプレックスや、周囲の目が気になるなど、さまざまな悩みを抱えています。

薄毛は年齢を重ねるにつれて、誰もが直面する可能性のある問題です。しかし、20代で薄毛が気になる人が多いというアンケート結果は、多くの方が若いうちから髪の毛に悩みを抱え、改善方法を求めていることを示しています。

参考 薄毛に関する意識調査2024｜株式会社リクルート

同じ20代でも薄毛の症状の現れ方が男性・女性で異なる

同じ20代でも、薄毛の症状は男性・女性で現れ方が異なります。

男性の症状の特徴は、一般的に生え際の後退や頭頂部の薄毛など、局所的に現れる点です。薄毛の原因としては、男性ホルモンの影響が大きいとされています。

一方、女性は全体的に髪の毛が薄くなったり、髪の毛が細くなったりする症状が特徴的です。薄毛の主な原因として、加齢や出産などによる女性ホルモンのバランスの乱れが考えられます。

また、男女共通の症状としては抜け毛が目立つ、髪の毛のハリ・コシのなさが気になるなどの症状が挙げられます。

もし20代で薄毛が気になる場合は、自身の症状が薄毛のサインに該当しないか一度確認してみましょう。

20代で薄毛が発現する原因

20代で薄毛の症状が見られる原因には、以下が挙げられます。

• 遺伝
• 生活習慣の乱れ
• ヘアケアの誤り（怠け）
• ストレス過多
• ホルモンバランスの変化

それぞれ詳しく解説します。

遺伝

20代の薄毛の原因の一つに、遺伝が挙げられます。特にAGA（男性型脱毛症）は、遺伝の要素が強く、家族に薄毛の人がいる場合は自分も薄毛になるリスクが高まります。

薄毛の遺伝は母親の遺伝子から受け継ぐことが一般的です。これは、薄毛の原因となる遺伝子がX染色体上に存在しますが、女性は2つのX染色体を持つので母親から受け継いだ遺伝子が発現しやすいことが要因です。

特に母方の祖父が薄毛の場合、遺伝するリスクが高まるといわれています。X染色体が世代を超えて受け継がれる際に、母方の祖父から母親へ、そして母親から子供へと遺伝子情報が伝わるのです。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、20代の薄毛の原因の一つです。不規則な生活や睡眠不足、偏った食生活、過度なストレス、喫煙、飲酒など、現代人が抱えがちな生活習慣は頭皮環境を悪化させ、薄毛を促進する可能性があります。

例えば睡眠不足になると、髪の毛の成長に不可欠な成長ホルモンの分泌が抑制されます。またストレスホルモンの分泌量が増加して頭皮の血行が悪化することで、薄毛を進行させる可能性が高まるのです。

さらに、偏った食生活は髪の毛の成長に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足し、薄毛の原因へとつながります。

このように、さまざまな生活習慣の乱れが重なり、悪影響が蓄積することで薄毛が進行するのです。

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

ヘアケアの誤り（怠け）

20代の薄毛の原因の一つとして、ヘアケアの誤りが挙げられます。

髪の毛のゴシゴシ洗いやドライヤーを長時間当てる行為、濡れた髪の毛の放置などはすべて頭皮にダメージを与え、薄毛を進行させる要因となります。

特に、頭皮をゴシゴシこする行為は、角質層を傷つけバリア機能を低下させるため要注意です。外部からの刺激を受けやすくなり、炎症を起こしやすくなります。

また、シャンプーのすすぎ残しや不適切なヘアスタイリング剤の使用なども、頭皮の皮脂を過剰に分泌させ、毛穴を詰まらせる原因の一つです。

最近の研究では、AGA患者の頭皮には粘度の高い皮脂成分が多いことが明らかになっており、頭皮環境の悪化が薄毛に深く関わっていることが示唆されています。

参考 男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

ストレス過多

20代の薄毛の原因として、ストレスが大きく影響しているケースがあります。

現代社会は仕事や人間関係、経済的な問題など、さまざまなストレスにさらされる機会が多いです。

ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが毛髪の成長を抑制するはたらきを強めるので、髪の毛が細くなったり成長が遅くなったりする可能性が高まります。

また、ストレスによって免疫力が低下すると、頭皮の炎症も起きやすくなります。

さらに、ストレスは睡眠の質を低下させ成長ホルモンの分泌を抑制するため、薄毛を悪化させやすいです。

ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化も薄毛を引き起こす一因です。

男性の場合、20代に入ると男性ホルモンの分泌量が増加しますが、過剰分泌の状態が続くと男性型脱毛症を発症しやすくなります。

一方、20代の女性は思春期から増加した女性ホルモンが安定する時期です。しかし、妊娠や出産を経るとホルモンバランスは大きく変動します。

特に出産後は妊娠中に増加したホルモンが急激に減少し、抜け毛が増えやすいです。

このように髪の毛に対する直接的なダメージがない場合でも、ホルモンバランスの変化により髪の毛が薄くなるケースもあります。

参考 女性ホルモンとライフステージ

20代の薄毛（AGA）の発症率は約10%だが注意は必要

20代の日本人男性におけるAGA（男性型脱毛症）の発症率は、約10%と報告されています。

これは、全年代の平均発症率である約30%と比較すると低い数値ではありますが、安心できる数字ではありません。

つまり、20代でAGAを発症することは珍しいことではなく、10人に1人は薄毛の可能性があることを示しています。

一方で、残りの9割はAGAを発症しない、もしくは適切な対策で進行を止められる可能性があるという希望も同時に示しています。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

20代の薄毛は早めに対処すると治る可能性を高められる

20代の薄毛は、早期発見と対処が非常に重要です。

髪の毛には毛周期と呼ばれる成長のサイクルがあり、このサイクルが正常に機能することで、健康な髪の毛が生えてきます。

しかし薄毛が進行すると毛周期が乱れ、髪の毛が細くなったり生え替わるスピードが遅くなったりします。早い段階で適切な治療を行うことで毛周期を正常化し、再び健康な髪の毛が生えてくる可能性を高められるのです。

逆に、放置すると毛根が弱って最終的には髪の毛が生えてこなくなる可能性も考えられます。

そのため20代で薄毛に気づいたら早めに専門家に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

参考 男性型脱毛症と育毛有効成分

20代で薄毛が気になる方に始めてほしい対策

20代で薄毛が気になる方に始めてほしい対策として、以下が挙げられます。

• 頭皮と髪の毛の保湿・保護
• 育毛剤の使用
• 頭皮マッサージの励行 

頭皮と髪の毛の保湿・保護

20代で薄毛が気になる方は、頭皮と髪の毛の保湿と保護に力を入れることをおすすめします。

乾燥した頭皮は、フケやかゆみの原因となり、さらなる髪の毛のトラブルにつながる可能性があります。乾燥を避けるためには、こまめな保湿ケアが大切です。

保湿ケアとして、低刺激性で保湿成分の入ったシャンプーやトリートメントを使用しましょう。特に乾燥が気になる場合は、頭皮用の美容液やオイルを使用するのもおすすめです。

また、紫外線は頭皮の乾燥を促進し、髪の毛を傷める原因となります。外出時には帽子を被ったり、頭皮用の日焼け止めを使用したりするなどの紫外線対策を行いましょう。

育毛剤の使用

20代で薄毛が気になる方にとって、育毛剤は手軽に始められる対策の一つです。

育毛剤には、血行促進や頭皮環境の改善を促す成分が配合されており、髪の毛の成長をサポートします。これらの成分が頭皮に浸透することで、毛根に栄養が行き渡りやすくなり、髪の毛が太く健康に成長するのを促す効果が期待できます。

育毛剤は頭皮に直接塗布し、指の腹でやさしくマッサージするようになじませて使用しましょう。

育毛剤以外にも、スカルプシャンプーや育毛サプリメントなども販売されています。いずれも継続することで効果を実感しやすいため、自身が続けられる種類を選ぶと良いでしょう。

参考

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

頭皮マッサージの励行

20代で薄毛が気になる方は、頭皮マッサージの励行をおすすめします。頭皮マッサージは血行を促進し、頭皮の柔軟性を高める効果が期待できる有効なケア方法です。

血行が良くなると毛根に栄養が行き渡りやすくなり、髪の毛の成長が促されます。また、頭皮が柔軟になると毛穴が引き締まり、抜け毛予防にもつながります。

頭皮マッサージを行う際は指の腹を使って、円を描くようにやさしくマッサージしましょう。特に髪の生え際や頭頂部を重点的にマッサージすると効果的です。

また、育毛剤と併用することで育毛剤の成分が頭皮に浸透しやすくなり、より高い効果が期待できます。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

20代からの薄毛を着実に改善したいなら専門家へ相談

薄毛対策の効果が実感できない方は、専門家への相談をおすすめします。

専門家へ相談すれば、薄毛の原因を正確に診断してもらえます。原因が特定できれば、適切な治療法の選択が可能となり、より効果的な薄毛対策ができるでしょう。

また、専門家からは日常生活での注意点や、より効果的なヘアケア方法などのアドバイスも受けられます。

自分では気づかなかった原因や対策が理解できれば、薄毛の改善に大きくつながる可能性があります。

20代で薄毛対策を始める際に気をつけたいポイント

20代で薄毛対策を始める際に、気をつけたいポイントは以下が挙げられます。

• 長期で対策し続けることを前提にして方法を選ぶ
• 誤ったやり方で対策を続けると逆効果になる可能性がある

長期で対策し続けることを前提にして方法を選ぶ

20代から薄毛対策を始める際は、長期的な視点を持つことが大切です。薄毛の改善には時間がかかり、一度効果が出たとしても中断すると、再び薄毛が進行する可能性があります。

そのため、薄毛対策を選ぶ際には、継続できる方法を選ぶことが重要です。例えば高額な治療や、手間がかかり過ぎるケアは挫折する可能性が高いでしょう。

治療費やアイテム購入費用などの経済的な負担も考慮し、長期的に続けられる範囲で、自分に合った対策を見つけることが大切です。

誤ったやり方で対策を続けると逆効果になる可能性がある

20代からの薄毛対策では、正しい知識に基づいた対策を行うことが重要です。誤った情報をもとにした自己流の対策を続けると、かえって頭皮や髪の毛を傷つけ、薄毛を悪化させる可能性があります。

例えば育毛剤やスカルプシャンプーの使い方を誤ったり、ヘアケアを間違えたりすると、頭皮トラブルを引き起こし炎症や乾燥が悪化しかねません。また間違った頭皮マッサージは、毛根を傷つけ抜け毛が増える可能性も考えられます。

そのため薄毛対策を始める際は専門家に相談し、正しい知識を得てから始めることをおすすめします。

20代の薄毛は早期で対処・治療し始めることが大切

20代の薄毛は、早期対策により改善の可能性を大きく高められます。20代は他の年代とくらべて髪の毛の再生能力が高いため、適切な治療やケアによって再び健康な髪の毛を取り戻せるケースは多いです。

しかし、薄毛は進行が進むと回復が難しくなる場合もあります。そのため少しでも髪の毛が薄くなったと感じたら、早めに専門家に相談し適切な治療を受けましょう。放置しておくと、より深刻な状態になり取り返しがつかなくなります。

20代の薄毛は、決して諦める必要はありません。治療と正しいケアを早めに始めることで、健康な髪の毛を取り戻しましょう。