30代になってはげに悩み始めた方はいませんか？20代の時よりも、生え際やおでこの薄毛が気になってきた方もいるでしょう。

実は、30代ではげてきたと感じるのは自分だけでなく、同世代にも同じ悩みを抱えている方は多いです。今からでも薄毛対策をすると改善が見込める可能性があるため、早めに行動するのが大切です。

本記事では30代ではげる原因と対策を紹介します。10代～20代には感じなかった薄毛のお悩みがある方はぜひ参考にしてください。

30代は10代・20代に比べて薄毛を気にする方の割合が高くなる

30代になると薄毛を気にする方の割合が高くなる傾向にあります。若い時より生え際が目立っている、おでこが広くなったなどと感じる方もいるでしょう。

実際に「薄毛に関する意識調査」から、薄毛が気になり出した平均年齢は男性が38.6歳という結果が出ています。

30代後半は結婚や仕事の責任感によるプレッシャーから、ストレスを抱える方が増える年代です。さらに、飲酒や喫煙による血行不良が薄毛を助長している場合もあるでしょう。

一方、女性は40代でピークを迎えることから、男性の方が早くに薄毛を気にし始めることが多いとわかりました。

参考 薄毛に関する意識調査2024｜株式会社リクルート

既婚男性は確認！旦那のはげを気にする女性も一定いる

「現代日本の結婚と出産」のデータから、男性の平均初婚年齢は30.7歳という結果が出ています。つまり、薄毛が気になる30代男性は既婚者が多い年代です。また、女性のなかには旦那のはげを気にするケースがあります。

既婚女性を対象にした「もし夫が薄毛になったら冷める？」というアンケートにおいて、旦那のはげで愛情が冷めると答えた方が一定数いました。

仕方がないとわかっていてもショックを受ける、別人に見えてしまうなど既婚であっても、見た目を重視する女性がいるようです。

結婚を控えている方はもちろん、既婚男性も薄毛対策をする必要があるといえます。

参考 

現代日本の結婚と出産｜国立社会保障・人口問題研究所

【アンケート調査】既婚者女性511名に聞いた！「もし夫が薄毛になったら冷める？」旦那の髪の毛事情に対する妻の本音

30代の薄毛には10代・20代にとった悪習慣の結果が現れる

30代の薄毛は10代や20代にとっていた、不規則な生活習慣の積み重ねが影響してる場合も多いです。

30代になってからの悪習慣が突然薄毛として現れるわけではありません。

10代・20代の生活習慣や間違ったヘアケアなどが時間をかけて頭皮に影響を及ぼし、30代になって薄毛として表面化しているケースが多いです。

若い頃は当たり前にしていた悪習慣も、30代で薄毛を気にする年代になったら意識して規則正しい生活を送ることが必要になります。

【原因別】30代のはげの進行を止める・予防するための対策

30代のはげの進行を止める、予防するための対策を原因別に解説します。

• 遺伝
• 栄養素の偏り（不足）・脂っこい食事
• 睡眠不足
• 運動不足
• ストレス・疲労の蓄積
• 頭皮・髪の毛へのダメージ蓄積
• 飲酒・喫煙

20代までは夜更かししたり、定期的にジャンクフードを食べたりしても、薄毛を気にしたことがなかった方も多いでしょう。

しかし、30代になっても20代と同じように不健康な生活を続けるのは悪手です。はげの原因をもとに適切な対策を講じる必要があります。

遺伝

30代のはげは遺伝が関わっている可能性があります。

薄毛は男性ホルモンの一種「テストステロン」と「5αリダクターゼ」といわれる酵素が結合して発生する「DHT」が原因です。

男性ホルモンレセプターにDHTが取り込まれると、脱毛因子「TGF-β」が生成されます。TGF-βはヘアサイクルを乱し、髪の毛の成長を抑制するのです。

5αリダクターゼは両親から遺伝し、男性ホルモンレセプターは隔世遺伝する可能性があるといわれています。

そのため20代で薄毛にならなくても、30代で現れることは十分にありえます。

遺伝の場合は自分で対策できないので、毛髪の専門家へ早めに相談することが必要です。

栄養素の偏り（不足）・脂っこい食事

乱れた食生活により栄養素が偏ったり、不足したりすると薄毛につながる場合があります。

髪の毛は私たちが食べたものから作られるため、栄養バランスの悪い食事を続けると髪の毛に十分な栄養を届けられません。また、高脂質な食事は皮脂を過剰に分泌し、頭皮の毛穴を詰まらせてしまいます。

薄毛を予防するためには下記の食べ物を積極的に摂り、健康的な食事をすることがおすすめです。

栄養素	食べ物
たんぱく質	肉・魚類、卵
亜鉛	牡蠣、牛肉の赤身、ブロッコリー
ビタミン	ナッツ類、バナナ、緑黄色野菜、鮭
大豆イソフラボン	納豆、豆乳、きな粉

日本人にとってはどの栄養素も不足しがちなため、バランスの良い食生活を心がけましょう。

睡眠不足

睡眠不足は身体に不調をもたらす他、薄毛につながる原因の一つです。十分な睡眠がとれないと頭皮への血流を妨げ、毛根に栄養が行き届きにくくなります。

髪の毛を育むのに必要な成長ホルモンは、深い眠りについた時に分泌されます。睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減少し、髪の毛の成長を抑制しやすいです。

薄毛を予防するためには質の高い睡眠をとることが重要です。寝る直前までスマートフォンを見ていたり、お酒やカフェインを摂取したりしないようにしましょう。

またスマートフォンから出るブルーライトは寝つきが悪くなる原因になり得ます。

さらにアルコールを摂取すると眠りが浅くなり、カフェインを摂ると覚醒作用によって熟睡しにくくなります。

入眠しやすいように日中はできるだけ日光を浴び、寝室はリラックスできる環境を整えられると質の良い睡眠につながりやすいです。

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

健康づくりのための睡眠ガイド2023｜厚生労働省

運動不足

運動不足が薄毛につながる原因は「血行不良」です。身体を動かさなければ血流が悪くなり、毛根に栄養が行き届かなくなります。

健康な髪の毛を育むためには、毛根に十分な酸素と栄養が必要です。日頃から散歩したり、乗り物やエレベーターの使用を控えたりして、身体を動かすことを心がける必要があります。

厚生労働省は成人に対する身体活動の目安として、下記の運動を例に掲げています。

• 散歩や早く歩く、乗り物やエレベータを使わずに歩く
• 1日平均1万歩以上歩くことを目標にする
• 週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動を習慣にする
• 最初の運動はウォーキングから始める

身体活動量を増やすためには状況に合わせて通勤時に歩く、階段を上るなどを日常生活に取り入れることが大切です。

ただし、これまで運動経験のない方が急に運動を始めると、身体に支障をきたす場合があるため、無理せず自分の健康状態を把握した上で行いましょう。

参考 厚生労働省「身体活動・運動」

ストレス・疲労の蓄積

ストレスや疲労の蓄積は薄毛につながる可能性が高まります。ストレスは自律神経の乱れを引き起こすため血流が悪くなり、頭皮への血行が阻害されます。その結果、髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、薄毛につながるのです。

しかし、現代社会においてストレスや疲れをまったく感じないように過ごすのは困難です。ストレスがたまった時、下記のような自分なりの発散方法を知っておくことが必要となります。

• 身体を動かす
• 映画を見る
• 美味しいものを食べる
• アロマを焚く

また、薄毛に見えていることがストレスになっている方は帽子をつけたり、ウィッグをかぶったりとおしゃれにカバーするのもおすすめです。

頭皮・髪の毛へのダメージ蓄積

頭皮や髪の毛へのダメージは薄毛を助長させます。

下表に頭皮への負担となる行動と改善策を紹介しているため、参考にしてください。

行動	改善策
過剰な力で頭皮マッサージをする	・爪を立てたり、強い力を与えたりしない・育毛剤をつけて優しくマッサージする
頻繁にカラーリングやパーマをする	・頻度を減らす・トリートメントで髪の毛を保湿する
合わないヘアケア用品を使用する	・自分の頭皮に合ったシャンプーを使う・スカルプシャンプーを使う
1日2回以上シャンプーする	・過度に洗髪しない

頭皮の健康は髪の毛の成長に欠かせません。また髪の毛が傷むとコシがなくなったり、切れ毛になったりしてボリュームが減少し、薄毛っぽい印象を与えます。

正しいヘアケアで、頭皮と髪の毛へのダメージを抑えることが大切です。

飲酒・喫煙

20代から飲酒や喫煙をする習慣がある方は、その影響が30代になって薄毛として現れる場合があります。

飲酒によって体内にアルコールが入ると、分解するために肝臓が活性化します。アルコールの分解には髪の毛に必要な亜鉛を消費するため、発毛に悪影響です。

またタバコに含まれるニコチンによって血管が収縮すると、血流が減少します。血行が悪くなると毛根まで血液が届かず、毛母細胞が栄養不足になるため髪の毛が十分に形成されません。

30代で薄毛が気になり始めたら、意識して飲酒量を減らし禁煙する必要があります。休肝日を設ける、アルコールではなく食事で空腹を満たすなどの心がけが大切です。

喫煙に関しては、本数を減らしたり軽いタバコに変えたりしても意味はありません。禁煙外来を受診するなどして、きっぱりとやめましょう。

参考 亜鉛の働きと１日の摂取量｜公益財団法人 長寿科学振興財団

加齢も薄毛につながるため30代以降は要注意

薄毛は遺伝や日々の生活習慣以外に、加齢も深く関わっています。

東京科学大学の研究によると、年齢を重ねるごとに毛を生やす小器官が徐々にミニチュア化し、薄毛や脱毛を引き起こすことがわかりました。

毛の再生に重要な細胞を供給している毛包幹細胞は通常毛周期ごとに分裂します。しかし、加齢にともない自己複製しなくなり、毛をつくる細胞を生み出す代わりに、表皮の角化細胞へと運命をかえたのち、フケや垢とともに皮膚表面から脱落していくことも研究結果として出ています。

また進行性の脱毛症であるAGAは、年齢とともに発症率が上がりやすいです。男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおいて、AGAの発症頻度は20 代で約10％、30 代で 20％、40 代で 30％と徐々に高くなったことが報告されています。

薄毛の原因となる日頃の悪習慣や遺伝などと相まって、30代は年齢的にもはげを加速させる可能性があります。

参考 歳をとると毛が薄くなる仕組みを解明｜東京科学大学

女性は30代での妊娠・出産によっても薄毛に悩む場合がある

女性の場合は妊娠・出産によってホルモンバランスが崩れ、一時的に薄毛に悩むケースがあります。

毛髪の成長を促す女性ホルモン「プロゲステロン」は、妊娠中に増加します。しかし、出産後は急激に減少するため抜け毛が増え、薄毛になるのです。

また出産は身体に大きな負担がかかり、慣れない育児や不規則な生活習慣が影響して薄毛につながる場合もあります。

抜け毛のピークは産後半年ほどで、徐々に落ち着いていくことが一般的です。多くの場合、1年程度経つころには妊娠前の状態に戻るため、神経質になりすぎないようにしましょう。

30代でも効果が見込める薄毛を改善するための方法

ここでは、30代で薄毛改善に効果が期待できる方法を紹介します。

• 育毛剤・スカルプシャンプーを使う
• 頭皮マッサージを習慣的に行う

日常生活に取り入れやすい方法であるため、参考にしてください。

育毛剤・スカルプシャンプーを使う

育毛剤やスカルプシャンプーは頭皮環境を整える効果が期待できます。通常のシャンプーと比べて刺激の少ない成分が使用されているため、かゆみやフケなどの頭皮トラブル予防に有効です。

育毛剤は頭皮環境を整える他、頭皮の血行を促進し抜け毛を防ぐ目的で使用します。今ある髪の毛を良好な状態に保つためには、育毛剤を使うことがおすすめです。

下記を参考に正しく育毛剤を使用しましょう。

1. 髪の毛を十分に乾かす
2. 頭皮全体にまんべんなく育毛剤を塗布する
3. こすらず押し込むようにマッサージする
4. ドライヤーで乾かす

育毛剤の成分を浸透させるためには、頭皮の汚れを落とす必要があります。お風呂上がりに髪の毛を乾かした後に塗布してください。

参考 医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

頭皮マッサージを習慣的に行う

頭皮マッサージは血行を促進し、髪の毛の成長をサポートする効果が期待できます。頭皮の血流量が増すと髪の毛に必要な栄養素をスムーズに届けられます。

またリラックス効果があるため、ストレス緩和にもつながるでしょう。

頭皮マッサージのやり方は下記の通りです。

• こめかみに親指を当てて押し上げ、ぐるぐる回す
• 頭の後ろで手を組み、親指で首の付け根を押す
• 手をほどき、指先で後頭部を包むようにずらしながら押し上げる

さらに、両耳を結んだ線と鼻から上に通る線が交わる部分「百会（ひゃくえ）」のツボを押すと、リラックス効果が得られます。

育毛剤を塗布してマッサージすると、抜け毛防止や頭皮環境を整えられるためおすすめです。

参考「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

30代の薄毛の改善が見込めないなら病気（脱毛症）の可能性がある

30代で薄毛を改善しようと取り組んでも効果が見込めない場合、脱毛症あるいは薄毛を伴う疾患の可能性があります。

例えば、進行性の脱毛症であるAGAはセルフケアでの改善が難しいため、専門クリニックへの受診が必要です。

また梅毒や甲状腺の疾患、膠原病（こうげんびょう）などの疾患によって薄毛が引き起こっている場合は、頭皮環境を整えるだけでは改善が見込めないでしょう。

取り返しがつかなくなる前に専門家へ相談し、治療を受けることが大切です。

30代ではげてきた方も早めに対応すれば改善が見込めます

30代ではげが気になる方も、日々の生活を見直すことで改善が見込めます。バランスの悪い食生活や慢性的な睡眠不足、飲酒・喫煙の習慣は薄毛を助長させる原因です。

薄毛改善の他、健康的な身体作りをするためにも規則正しい生活習慣を送りましょう。

また30代の薄毛は10代や20代の不規則な習慣が表面化している場合以外にも、加齢が影響しています。

特に進行性の脱毛症であるAGAの発症頻度は、年齢を重ねるごとに高くなる傾向にあります。

手遅れにならないように、自分でできる薄毛対策を行うことが大切です。