生まれつき髪の毛が細く柔らかいと、髪のボリュームが出づらく薄く見えてしまったり、周りよりはげているのではないかと感じ、不安になる方は多いと思います。

本記事では髪の毛が細い人の特徴と、髪の毛を太くする方法をご紹介します。生まれつき細い髪の毛で悩んでいる方も、遺伝的な要因以外の部分が改善されることで、髪の毛を太くできる可能性があります。

また、頭皮が見えていることを過度に感じ、はげていると考えすぎている可能性もあるかもしれません。

髪の毛の細さやボリュームに悩む方向けのおすすめの髪型も解説しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。

髪の毛が細い人の特徴｜本当に生まれつき髪の毛が細い？標準の太さも解説

生まれつき髪の毛が細いと感じている方もまずは、髪の毛が細い人の特徴と髪の毛の標準の太さを確認しておきましょう。また、自身の髪の毛の太さや硬さを調べるチェック方法もご紹介します。

髪の毛が細い人の特徴

髪の毛が細い方は、髪色が明るく見えやすく髪質が柔らかいのが特徴です。また、メラニン色素や髪内部のタンパク質が少ない傾向にあり、ハリ・コシが不足しがちで、うねりやすく切れやすいといった特徴もあります。

自身の髪の毛の太さや硬さを簡単にチェックできる方法は下記の通りです。

1. 10cmほどの長さに髪の毛を1本切り取る
2. その髪の毛の端を指でつまみ地面と水平になるように持つ
3. このとき、髪の毛が形を保っていれば太くて硬い髪質、重力で下にしなってしまう場合は細くて柔らかい髪質と考えられる

尚、このチェック方法は湿度や環境の影響も受けるため、簡易的な目安として確認してください。

髪の毛の標準的な太さ

公益社団法人日本毛髪科学協会によると、日本人の平均的な毛髪の太さは0.07～0.08mm程度です。また、一般的には太さが0.06ｍｍ以上の毛髪を硬毛といい、0.04ｍｍ未満の太さの毛髪が軟毛とされています。

もし、正確に自身の髪の毛の太さを知りたい方は美容室等で毛髪診断ができる場合もあります。専用の機器で髪の太さや密度が測定でき、今の髪の毛の正確な状態が把握できるため、今後のヘアケアや髪の健康維持にも役立ちます。

参考　公益社団法人日本毛髪科学協会「毛髪に関する数字」

髪の毛を太くする方法

生まれつき髪の毛が細い方も遺伝的な要因以外の部分が改善することで、髪の毛を太くできる可能性があります。そのためには、生活習慣の改善と適切なヘアケアが欠かせません。以下に具体的な方法を5つご紹介いたします。

• 適度な運動で頭皮の血行を促進する
• 睡眠の質を高め成長ホルモンの分泌を促す
• 食生活を改善し髪の毛に良い栄養素を摂取する
• ノンシリコンシャンプーでヘアケアをする
• 日常的に育毛剤を使用する

それぞれ詳しく解説します。

適度な運動で頭皮の血行を促進する

髪の毛を太くするには有酸素運動による血行促進が効果的です。特にウォーキングは全身の筋肉がリズミカルに運動することで、血液中の酸素を大量に利用し血液循環量が増加しやすくなります。血液の循環量が増える（血行が良くなる）と、頭皮や髪の毛への栄養が行き渡りやすくなり、髪の毛を太くすることが期待できます。

ウォーキング以外では、ジョギング、エアロビクス、サイクリング、ハイキングなどがおすすめですが、定期的に運動をすることが難しい場合、日常生活の中でも有酸素運動を取り入れることが可能です。以下に例をご紹介いたします。

• お風呂掃除、布団干し、窓拭き、雑巾がけなどの掃除を念入りに行う
• 子どもと遊ぶ・ペットのお世話などを時間をかけて行う
• 電車内では着席せずに立つ
• 階段とエスカレーターがある場合は階段を選ぶ
• 通勤帰りは一つ手前の駅で下車して歩く

参考　日本ディサースリア臨床研究会「有酸素トレーニングの基礎理論」

睡眠の質を高め成長ホルモンの分泌を促す

髪を太く・丈夫にするには睡眠の質を高めることも大切です。睡眠中に分泌が活発になる成長ホルモンは体の細胞が受けたダメージを修復する作用があり、頭皮の細胞や毛根組織も例外ではありません。

成長ホルモンは熟睡しているときに多く分泌されるため、髪を太く・丈夫にするには睡眠の質を高めることが重要になります。

就寝前には身体と脳をリラックスさせることを意識してみてください。良質な睡眠をとるためには、下記のポイントをおさえると良いでしょう。

• 就寝3時間前までに食事を摂り終える
• 就寝1～2時間前からスマホ・PCを触らない
• 就寝1～2時間前に入浴する
• 寝る部屋はなるべく暗くする
• 寝具は身体に合ったものを使う
• 寝る前に身体を温める習慣を取り入れる

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

住宅照明中のブルーライトが体内時計と睡眠覚醒に与える影響｜住総研研究論文集

食生活を改善し髪の毛に良い栄養素を摂取する

髪の毛を太くするために、タンパク質やミネラル、ビタミンが不足しない食生活を意識しましょう。食事での摂取が難しい場合は、プロテインやサプリメントを活用するのもおすすめです。

髪の毛は食事から摂取した栄養素を材料にして作られるため、栄養バランスが偏った食生活を続けている方は注意してください。

下記の表で、特に髪の毛に重要な栄養素である、タンパク質、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンDを含む具体的な食べ物を紹介します。

栄養素	具体的な食べ物の例
タンパク質 （ケラチン）	・牛肉、鶏肉、豚肉 ・卵 ・大豆
亜鉛	・牡蠣 ・チーズ ・レバー
ビタミンA	・ほうれん草 ・にんじん ・レバー
ビタミンB群	・卵 ・青魚 ・レバー
ビタミンD	・鮭 ・きくらげ ・干ししいたけ

中にはコンビニで手に入るものもあり、普段から意識しておくと手軽に取り入れることができるため覚えておきましょう。

参考 栄養に関する基礎知識｜国立循環器病研究センター

ノンシリコンシャンプーでヘアケアをする

細い髪に悩んでいる方は、ノンシリコンシャンプーでヘアケアを行うことをおすすめします。

下記でシリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーの違いを簡単に紹介します。

シャンプーの種類	特徴
シリコン入りシャンプー	・シリコンがキューティクルをコーティングする ・まとまりの良い、しっとりとした仕上がりになる
ノンシリコンシャンプー	・さらりとした柔らかな指通り ・軽い仕上がりになる

シリコンは髪のキューティクルをコーティングする成分で、ダメージヘアでもツヤを出せるのが特徴ですが、頭皮に残るとトラブルに繋がる恐れがあります。その点、ノンシリコンシャンプーは優しい洗浄力で頭皮トラブルのリスクが低く、頭皮や髪を労わりながら洗えて健やかな髪の毛を目指せます。

また、シリコン入りシャンプーはしっとりとした仕上がりになるため、髪の毛が細い方はペタッとしたシルエットになり、分け目などが目立つことにも繋がります。一方でノンシリコンシャンプーであれば、べたつきのない軽やかな仕上がりになり、髪にボリューム感を与えることができるためおすすめです。

日常的に育毛剤を使用する

育毛剤には髪を太くするのに役立つ成分が多数配合されています。髪に必要な栄養素を育毛剤でたっぷり補うことで、髪の毛にハリとコシが生まれ、髪全体のボリュームアップが期待できます。

市販の育毛剤にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴的な成分が含まれています。髪の太さ向上を目指すなら、下記のような毛母細胞の活性化が期待できる成分が含まれる育毛剤を選ぶことをおすすめします。

• アデノシン
• ヒノキチオール
• パントテニルエチルエーテル
• ビタミンE
• ビタミンB群

育毛剤は日常的に継続して使用することが大切です。髪の毛の成長には時間がかかるため、効果を実感するまで焦らずに少なくとも3ヶ月以上は使い続けましょう。

参考 医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

生まれつき髪が細い男性におすすめの髪型

髪の毛が細い悩みをカバーするための具体的なメンズヘアスタイルを紹介します。下記のようなビジネスシーンや日常生活においてもオシャレに見える、清潔感のある爽やかなショートヘアスタイルがおすすめです。

• ソフトモヒカン
• ベリーショート
• ニュアンスパーマツーブロック

ソフトモヒカン

男らしさと爽やかさを演出できるソフトモヒカンは、薄毛やボリューム感にお悩みの人におすすめの髪型です。

前髪やサイドの髪を中央に集め、トップにボリュームを持たせることができるのが最大の魅力。

年齢を問わずに幅広い男性に似合うので、ビジネスシーンにも活用できるでしょう。

ベリーショート

ワイルドさと清潔感を同時に演出できるベリーショートも、髪の毛が細い男性におすすめの髪型です。

ハチ下（頭のてっぺんとサイドの間の出っ張っている部分）までショートにすることで、トップにボリューム感を持たせることができ、毛量の少ない人にピッタリのヘアスタイルといえるでしょう。

ニュアンスパーマツーブロック

髪の毛のボリューム感にお悩みの場合、パーマでふんわりとした動きをつけた髪型にするのが手っ取り早い解決策となるでしょう。

ニュアンスパーマツーブロックであれば、高い位置までツーブロック部分を刈り上げたうえに、トップはパーマで大きくボリューム感を出すことができるので、ボリューム感の少なさを解決してくれます。

ただ、パーマは少なからず頭皮や髪の毛にダメージがあるため、自分に合う施術なのか事前にしっかり確認をしておきましょう。

参考　薄毛にパーマをかけても大丈夫？注意点やおすすめの髪型を紹介

画像出典　楽天ビューティ

生まれつき髪の毛が細いことを考えすぎるのはNG

生まれつき髪の毛が細いと周囲の目が気になるなど、不安になる方も多いかと思います。ただ、気にしすぎのストレスによる髪の毛への影響を考慮すると、あまり考えすぎないようにすることが大切です。

髪の毛が細い＝薄毛ということはなく、ある特定の髪質や形状（直毛、さらさらなど）の人が、他の人よりも薄毛になりやすいという事実もありません。

また、髪の毛の見え方は湿度などの周りの環境やそのときの髪質の状態によって変わりやすく、条件が重なると一時的に頭皮が目立って見えることもあるといえます。

本記事で解説した食生活や睡眠など生活習慣の改善と、日常的なヘアケア、ノンシリコンシャンプーによるボリューム感のアップや、髪型の変更、ヘアファンデーション（薄毛隠し）をしてみるなど行動することで気にしすぎることがなくなる方も多いです。思いつめる前にまず動いてみることをおすすめします。