「ヘルメットを被っているとはげる」と聞いたことはありませんか？ 工場勤務やバイクの運転でよくヘルメットを被る方は気になる内容ですよね。

本記事ではヘルメットと薄毛の関係について解説するとともに、はげ防止の対策についても紹介します。

普段ヘルメットを使用していて薄毛の兆候を感じている方や、はげが不安な方は以下の内容を参考にしていただくことで不安の解消につながるでしょう。

ヘルメットを被るとはげるのはホント？嘘？

結論、ヘルメットには、はげることにつながる要素があるといえます。

日常的にヘルメットを被る方は、そうではない方に比べて頭皮環境が悪化しやすいリスクがあるためです。

頭皮環境の悪化は薄毛を進行させる大きな原因の1つです。「ヘルメットを被っているとはげる」という説は嘘ではないという観点で、この機会に薄毛のリスクを理解してぜひ対策を講じてください。

ヘルメットを被ることが薄毛・抜け毛につながる理由

前項で説明した通り、日常的にヘルメットを被る方は頭皮環境が悪化しやすいリスクがあり、薄毛・抜け毛につながる理由として以下が挙げられます。

• 頭皮が蒸れるため
• 頭皮の血行が悪くなるため
• 頭皮との摩擦が生じる（擦れる）ため
• 頭皮に菌が増殖することにつながるため
• ワックス（整髪料）を使用する場合は、より頭皮にとって悪い環境につながるため

下記で詳しく解説いたします。

頭皮が蒸れるため

ヘルメットがはげるリスクを高める要因の一つに、ヘルメットを被ることによる頭皮の蒸れが挙げられます。

帽子と異なり、ヘルメットは外部の衝撃から頭を守るため、クッション素材などが用いられ厚みがあり、蒸れやすい構造となっているものが多いです。

また、工事現場やバイクの運転などで、蒸れたからといって容易に着脱することができない場面もあるでしょう。 このため冬でも頭皮が蒸れてしまうことがあります。

頭皮の蒸れは、雑菌の増殖や赤み、痒みなどの症状の元となります。発生した痒みが原因で頭皮を強くかくと抜け毛・炎症を引き起こし、その結果、薄毛につながってしまうのです。

頭皮の血行が悪くなるため

ヘルメットが薄毛やはげのリスクを高める原因として、ヘルメットによる締め付けが引き起こす頭皮の血行不良が挙げられます。

髪の毛の成長には、血液から頭皮への酸素・栄養補給が欠かせません。ヘルメットを被ることによって血行不良が起こると、頭皮にとって必要な栄養が不足し、頭皮環境を悪化させることにつながるのです。

頭皮との摩擦が生じる（擦れる）ため

ヘルメットを被ることによる頭皮の摩擦も、薄毛のリスクを高める原因です。

良好な皮膚の状態を保つためには、皮膚の乾燥と摩擦を避けることが重要です。しかし、ヘルメットを継続的に被っていると、頭皮とヘルメットとの間に摩擦が生じてしまいます。

摩擦で髪の毛が引っ張られると抜け毛のリスクを高めるだけでなく、擦れる際の刺激で切れ毛を招くこともあるのです。

頭皮に菌が増殖することにつながるため

ヘルメットを長時間被っていると、頭皮に菌が繁殖するリスクもあり、これが薄毛につながることも考えられます。

細菌は湿った環境を好み、蒸れた状態では増殖を招きます。皮膚には、常在菌と呼ばれる細菌が棲みついており、皮膚への病原菌の侵入を抑止したり、皮膚のバリア機能を保ってくれたりしています。しかし、特定の常在菌が過剰に増殖すると、皮膚トラブルを引き起こしやすくなってしまうのです。

参考　皮膚の常在細菌について｜東京医療保健大学

ワックス（整髪料）を使用する場合は、より頭皮にとって悪い環境につながるため

ヘルメットを着用する方の中には、ワックス（整髪料）を使用される方もいるでしょう。

ワックス自体は薄毛を招く要因ではありませんが、ヘルメットを着用することでワックスが頭皮に付着すると以下のような理由で薄毛のリスクを高めてしまいます。

• ワックスが毛穴を塞ぎ、髪の成長が妨げられ抜け毛につながる。
• 長時間ワックスが頭皮に接触し続けることで酸化反応が起こり頭皮に悪影響を及ぼす。
• 菌の繁殖、痒みを引き起こす恐れ。

ワックスを付けた上でヘルメットをかぶる場合は注意が必要です。

ヘルメットを長時間着用することでつむじ割れが起きている可能性もあり

ヘルメットを日常的に長時間着用される方は、頭頂部の髪の毛が強く押さえ続けられることでつむじ割れを引き起こしている可能性も考えられます。

頭頂部の髪が根元からペタっと抑えられてクセが付いてしまうと、その部分が薄くなっているように見えるのではげているのではないかと思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

この場合は薄毛ではない可能性が高いですが、気になる方は以下の記事で対策などを参考にしてください。

ヘルメットによるはげ防止方法、対策を解説

ヘルメットによる薄毛のリスクを下げるためには、以下のような対策をおすすめします。

• 長時間の着用を避ける
• ヘルメットを清潔に保つ
• 頭皮を清潔に保つ
• インナーキャップなどの蒸れ防止アイテムを使う

長時間の着用を避ける

ヘルメットによる薄毛やはげのリスクを少しでも下げるために、できるだけ長時間の着用を避けることを意識してください。

仕事上で着脱できない場合は難しいかもしれませんが、バイクでツーリングなどをされる場合は、パーキングエリアで適宜休憩を取り、ヘルメットを脱ぐように心がけましょう。 ヘルメットを取って頭部に風を当てることで、頭皮の蒸れ解消が期待できます。

また、長時間の締め付けによる血行不良に対しても効果的です。まずはヘルメットを被り続ける時間を減らすことから始めてみてください。

ヘルメットを清潔に保つ

ヘルメットによるはげを防止するためには、定期的に洗ってヘルメットを清潔に保つことも有効です。

ヘルメットの洗い方は下記を参考にしてください。

■用意するもの

• きれいな布
• 中性洗剤
• きれいな水
• バケツなどの容器

■作業用・工事用ヘルメットの場合

1. 水で薄めた中性洗剤を布に染み込ませる。
2. 洗剤が湿った布で、ヘルメットの帽体や内装の汚れを優しく拭き取る。
3. ヘルメットの汚れを拭き終えたら、汚れが付着した布をきれいな水で洗って絞る。
4. ヘルメットの帽体や内装に洗剤が残らないよう丁寧に水拭きする。
5. 風通しの良い日陰で陰干しして乾燥させる。

■バイク用ヘルメットの場合

1. ヘルメットの内装（パッドやライナー）を取り外す。※多くのヘルメットが取り外し可能な設計。
2. 取り外した内装を中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸け、優しく揉み洗いする。
3. 洗浄後、しっかりとすすぎタオルで水気を取ってから陰干しする。
4. ヘルメットの外装を柔らかい布を使って、中性洗剤を溶かした水で優しく拭く。※汚れがひどい場合はヘルメット用クリーナーを使用すると効果的。
5. 洗剤が残らないようにきれいな水でしっかりとすすぐ。
6. ヘルメットの水気をタオルなどで拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥させる。
7. 内装が完全に乾いたら元に戻してヘルメットに取り付ける。

上記の方法で、ヘルメットを清潔に保つことができます。快適に使用できる状態を維持してください。

参考

作業用・工事用ヘルメットの洗い方 ～保護性能と清潔を保つには～

気になるヘルメットの汚れ、どうしてる？ ヘルメットは定期的に洗って気持ちよくバイクに乗ろう！

頭皮を清潔に保つ

ヘルメットによるはげのリスクを下げるためには、頭皮を清潔に保つことも重要です。

ヘルメットを長時間着用すると、頭皮と髪に汗や皮脂、汚れがたくさん付着します。仕事などで疲れている場合も必ずシャンプーでケアをしましょう。シャンプーは下記の順番で丁寧に行うことがポイントです。

1. シャンプーを使う前にブラッシング・予洗いで大まかな汚れを落とす
2. 使用するシャンプーの量はコイン大を目安にして「適量」を守る
3. 力の入れ方を調整して、頭皮マッサージをするようにもみ込みながら洗髪する
4. 流し残しがないように十分にすすぐ

頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。頭皮をマッサージしながらシャンプーをすることで、頭皮の血行改善が期待できるためです。

参考 男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

インナーキャップなどの蒸れ防止アイテムを使う

ヘルメットを長時間着用することが避けられない場合、メッシュインナーや冷却キャップを活用することも薄毛対策に効果的です。

どちらも、ヘルメット着用中の蒸れを改善させることが期待できます。 最近は吸汗速乾性の素材から作られたインナーキャップなども販売されているため活用してみてください。

ヘルメットによる薄毛を感じている場合は育毛剤などのケアも検討を

ヘルメットには少なくとも頭皮環境を悪化させる要素があり、薄毛・はげるリスクを高める可能性があります。

仕事や趣味でヘルメットの着用が必要な場合は、ぜひ上述の対策を講じてください。

もし、現時点で薄毛の兆候を感じていたり、抜け毛の量が気になったりしている場合は、育毛剤などの使用も検討してみてください。育毛剤は、元気な髪の毛を維持し、薄毛や抜け毛の進行を防ぐ効果が期待できます。

薄毛対策はもちろん、頭皮環境の改善（血行促進など）の効果も見込めます。

市販の育毛剤でも効果が期待できるため、手軽に始められる対策として取り入れることがおすすめです。