「以前よりはげが進行している気がする」
「このまま薄毛が進んでいったらどうしよう」
若い年代でも、髪の毛について上記のような不安を抱いている方はいるでしょう。同年代と比べてしまったり、相手に与える印象が気になったりして悩むこともあると思います。
若はげは進行性であり、早期に対策を始めることが重要です。
本記事では、若はげの進行度を男女別に解説し、自分でできる薄毛対策の方法を紹介します。
最近、抜け毛が増えたと感じる方や若いうちから薄毛予防したい方は、ぜひ参考にしてください。
若はげの進行(スピード)は加齢による薄毛よりも速い

一般的に、若はげの進行スピードは加齢による薄毛よりも速いといわれています。
若はげの原因となる男性型脱毛症(AGA)は、遺伝の影響を受けるからです。両親からAGAのリスクを高める遺伝子を受け継ぐと、人よりも若いうちから薄毛になる可能性が高くなります。
さらに、食生活や運動習慣など日々の生活習慣が大きく関係することから、進行スピードは速まりやすいです。
若はげの多くは進行性で、自然によくなることはほとんどありません。気になったらすぐに専門家へ相談し、適切な対策をする必要があります。
若はげ(薄毛)の進み方は男女で異なる

若はげの進み方は男女によって差があります。
男性に見られる若はげの多くは男性型脱毛症(AGA)が原因です。体内に存在する酵素の一種5α-リダクターゼと、男性ホルモンであるテストステロンが結合すると、ジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。このDHTが薄毛を引き起こすといわれています。
5α-リダクターゼは前頭部や頭頂部に多く分布しているため、男性はM字はげやO字はげなど局所的に薄毛になりやすいです。
一方、女性の若はげの多くはびまん型の脱毛症です。全体的に髪の毛のボリュームが減少したり、地肌が透けて見えたりといった症状が現れます。
若はげの進行度を判断するために着目したいポイント

若はげが進行しているかどうかは、下記のチェックポイントを参考に判断してみましょう。
- 以前の自分の髪の毛と比べてボリュームダウンした・薄さが目立つ
- 同世代の頭髪と比べて明らかな差を感じる
- 鏡を見た時に髪の毛の薄さ・弱々しさが気になる箇所がある
- 抜け毛の状態があまり健康的ではない
若はげは加齢による薄毛とは異なり、進行スピードが速い傾向にあります。できるだけ早く変化に気づき、適切な対策を取ることが重要です。
参考 脱毛症|慶應義塾大学病院
【男性】若はげの進行度から取るべき薄毛対策を紹介

若はげの進行には個人差がありますが、一般的にハミルトン・ノーウッド分類という指標をもとに、薄毛の進行度が評価されます。
ハミルトン・ノーウッド分類とは、解剖学者のハミルトンが提唱した男性型脱毛症(AGA)の進行パターンを示すものです。特に、生え際や頭頂部の薄毛の進行具合によって段階が分けられています。現在の薄毛の進行度を把握できれば、適切な対策も可能です。
ここではハミルトン・ノーウッド分類に基づき、薄毛の進行度に応じた対策を紹介します。
- 1.生え際の後退・抜け毛の増加・髪のボリュームダウン等の薄毛の前兆
- 2.M字はげ・O字はげ
- 3.U字はげ
若はげの進行具合が初期段階なら、生活習慣や頭皮ケアの見直しで改善できる場合があります。しかし、症状が進行すると専門的な治療が必要になる可能性があるため、注意が必要です。
参考 Classifications of Patterned Hair Loss: A Review
1.生え際の後退・抜け毛の増加・髪のボリュームダウン等の薄毛の前兆
薄毛の初期段階は、ハミルトン・ノーウッド分類で「Ⅰ〜Ⅱ型」や「Ⅱ Vertex型」に該当します。主に現れる症状は下記のとおりです。
- 生え際が少しずつ後退する
- 抜け毛が増える
- 髪のボリュームが減る
生え際の後退や抜け毛の増加など、薄毛の前兆として少しずつ見た目に変化が現れます。
しかし、初期段階で適切なケアを行えば、進行を遅らせることが可能です。バランスの良い食事や十分な睡眠時間を確保するなど、生活習慣を改善できれば薄毛進行を抑制できる場合があります。自分でできる範囲から、日々の生活を見直してみましょう。
2.M字はげ・O字はげ
薄毛がさらに進行すると生え際が深く後退しM字はげになったり、頭頂部の髪が薄くなりO字はげになったりします。
ハミルトン・ノーウッド分類の中では「Ⅲ〜Ⅴ型」に該当します。
M字はげは、生え際が後退して額が広くなる点が特徴です。さらに頭頂部の薄毛がO型に進行すると、頭皮の露出が目立ちやすくなります。O字はげは自分では見えにくい部分のため、周囲からの指摘で薄毛の進行に気づくこともあるでしょう。
M字はげやO字はげは、全体的な髪の毛のボリュームも減少している状態です。早急に専門家へ相談する必要があります。
専門的な治療とあわせて、生活習慣やヘアケアの見直しなどを行うと改善が見込めるでしょう。
3.U字はげ
U字はげは額が全体的に後退してO字はげとつながり、側頭部と後頭部の髪だけが残った状態です。
ハミルトン・ノーウッド分類の中では「Ⅵ〜Ⅶ型」に該当します。頭皮の露出が目立ち、薄毛の進行が深刻化していることから、治療で改善できるかも危うい状況です。
生活習慣やヘアケアの見直しなどでは薄毛の進行を抑制できないため、植毛も視野に入れて対策する必要があります。
【女性】若はげの進行度から取るべき薄毛対策を紹介

女性の薄毛は「びまん性脱毛症」といわれ、全体的に髪の毛が薄くなることが特徴です。男性の薄毛と異なり、進行度を明確に分類するのが難しく、気づいた時にはすでに進行している場合もあります。
女性の薄毛の進行パターンは主に3つです。
| 進行パターン | 主な症状 |
| ルードウィッグ型 | ・Ⅰ型:頭頂部が全体的に薄くなる ・Ⅱ型:髪の薄さが目立ってくる ・Ⅲ型:前頭部の生え際が後退する |
| クリスマスツリー型 | ・生え際から頭頂部の中心にかけて薄くなり、ツリーのように左右に広がる ・初期段階でも目立ちやすい |
| ハミルトン型 | ・生え際の左右から薄くなっていく ・男性の「M字はげ」に近い |
女性の薄毛はストレスやホルモンバランスの乱れ、遺伝や栄養不足などさまざまな要因が絡み合って引き起こされます。
抜け毛、髪の毛の薄さなど気になる症状が見られたら、すぐに対策するのがおすすめです。薄毛は男性だけの悩みではなく、女性でも若はげになる可能性が十分あるため、早期対策が重要です。
若はげは進行度によらず早期対策(治療)するのが改善の秘訣

若はげを改善するためには、進行度にかかわらず早めの対策が必要です。
薄毛は自然に改善できないことがほとんどです。進行してから対策を始めると治療に時間がかかるだけではなく、想定より効果を実感できない可能性があります。
薄毛が気になり始めた段階で、できるだけ早く専門家に相談するのがおすすめです。症状に適した治療やケア方法を提案してもらえる他、現在の状態を客観的に判断してもらえます。
薄毛の進行を抑える薬や、クリニックでの専門的な治療を早期に取り入れられると、若はげの早期改善につながるでしょう。
若はげの予防・進行の抑制の効果が見込める対策

若はげの予防や進行の抑制の効果が見込める対策を紹介します。
- 生活習慣を改善する
- シャンプー・ドライヤーなどのヘアケア方法を見直す
- 育毛剤を使って頭皮マッサージを行う
どの方法もすぐに実践できるため、積極的に取り入れていきましょう。
生活習慣を改善する
若はげを予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。下表にて、改善したい主な生活習慣と改善後に見られる効果を紹介します。
| 改善したい生活習慣 | 改善後の効果 |
| 食生活 | ・バランスの良い食事を摂ることで髪の毛に栄養が行き届く ・髪の毛の成長を促し、抜け毛を予防できる |
| 睡眠 | ・良質な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、毛母細胞の活性化につながる ・髪の毛の成長を助ける |
| 運動習慣 | ・血流を良くし、毛根への栄養が行き届きやすくなる ・頭皮の血行改善につながり、育毛環境が整えられる |
| ストレス | ・自律神経を防ぎ、抜け毛を軽減できる |
| 飲酒・喫煙 | ・飲酒は適量を心がけると、髪の毛に必要な亜鉛の消費を防げる ・禁煙できると頭皮への血行が促進され、栄養が行き届きやすくなる |
上記の生活習慣は継続的に取り組むことで、抜け毛予防の効果が期待できます。まずはできることから始めていきましょう。
シャンプー・ドライヤーなどのヘアケア方法を見直す
若はげの進行を抑えるためには、適切なヘアケアが重要です。特に、シャンプー時に間違った方法で髪の毛を洗うと頭皮に負担がかかり、薄毛が進行しやすくなります。
下表にて頭皮への負担となる洗髪方法と改善策を紹介します。
| 頭皮へ負担となる行動 | 改善策 |
| 洗浄力の強いシャンプーで髪の毛を洗う | ・刺激の弱いシャンプーを使う ・スカルプシャンプーを使う |
| 1日に何度も髪の毛を洗う | ・髪の毛は1日に1回洗う |
| 爪を立ててゴシゴシ洗う | ・指の腹を使い、優しくマッサージするように洗う |
| シャンプー後のすすぎが短い | ・シャンプーが残りやすいため1〜2分程度を目安に十分すすぐ |
また、ドライヤーの熱風は髪の毛や頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。下記のポイントを意識して正しくドライヤーを使用しましょう。
- ドライヤーの時間はできるだけ短くする
- 温度調節できる場合は低温モードにする
- できれば20cm、最低でも12cmは頭皮や髪の毛から離す
- 熱風が一点に集中しないよう、こまめにドライヤーを動かす
正しいヘアケアで頭皮や髪の毛の負担を減らすことが大切です。
育毛剤を使って頭皮マッサージを行う
頭皮マッサージは血流を促し、髪の毛の成長をサポートする効果が期待できます。 頭皮の血行が良くなれば、髪の毛に必要な栄養が行き渡りやすくなります。
さらに、リラックス効果もあるため、ストレス軽減にもつながるでしょう。
基本的な頭皮マッサージの方法は下記のとおりです。
また、育毛剤を併用してマッサージすると、頭皮環境の改善や抜け毛予防にもつながるのでおすすめです。



若はげの進行の原因が遺伝・脱毛症などの場合は自然に治らない

若はげの進行が遺伝や脱毛症によるものであれば、自然治癒は見込めません。生活習慣の見直しやセルフケアである程度の予防はできますが、根本的な解決にはつながりにくいでしょう。
特に、男性型脱毛症(AGA)などの進行性の脱毛症は、放置すると悪化する可能性が高いため、専門的な治療が必要です。 気になる薄毛の症状が現れたら、できるだけ早く専門家へ相談しましょう。
また、若はげは遺伝の影響が大きく、多くの場合で母方の遺伝子から引き継がれるといわれています。 近親者に薄毛の方がいるなら、将来的に健康な髪の毛を維持するためにも早期で適切な対策をとることが大切です。
若はげが進行している場合の治療方法を紹介

若はげが進行している場合の主な治療法を紹介します。
- 投薬治療
- 外科治療
投薬治療
投薬治療は若はげの進行を抑えたり、発毛を促したりすることを目的とした治療法です。
主に使用する薬剤と効果を下表にて紹介します。
| 薬剤名 | 効果 |
| フィナステリド(プロペシア) | DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑え、AGAの進行を遅らせる |
| デュタステリド(ザガーロ) | フィナステリドよりも強力にDHTを抑制し、抜け毛を防ぐ |
| ミノキシジル | 血管拡張作用によって毛母細胞を活性化し、発毛を促進する |
薄毛の症状によって使用する薬剤は異なるため、専門家と十分に相談して投薬治療を行いましょう。
外科治療
外科治療は、髪の毛を移植したり頭皮に必要な栄養成分を直接注入したりする方法です。投薬治療と併用すると、より大きな薄毛改善効果を実感できます。
主な施術内容は下記の通りです。
| 薬剤名 | 効果 |
| 自毛植毛 | ・自分の健康な髪の毛を薄毛部分に移植するため、自然な仕上がりが期待できる ・施術後は自然に髪が生えるようになる |
| 人工毛植毛 | ・人工的な髪の毛を頭皮に植えつけて、薄毛を目立たなくさせる ・自分の髪の毛を使用しないため、他の部分の髪の毛が薄くならない |
| HARG(ハーグ)療法 | ・成長因子を注入し、毛髪の再生を促す |
| メソセラピー | ・発毛に必要な栄養成分を直接頭皮に注入し、毛根の活性化を促進する |
外科治療は投薬治療より高額になる傾向があるため、専門家と相談しながら決めるのがおすすめです。
若はげの可能性や進行度が気になるなら専門家に一度相談してみるのがおすすめ

若はげは生え際の後退や抜け毛の増加から始まり、徐々に進行していく場合がほとんどです。初期段階の薄毛なら生活習慣の見直しや正しい頭皮ケアで改善できる可能性がありますが、遺伝などが原因の場合は自然に治りません。
そのため、若はげが気になる時は一度専門家へ相談するのがおすすめです。 薄毛は進行性であることが多く、早期に対策を始めると改善できる可能性が高くなります。
さらに、専門家の診断を受けると薄毛の状態を正しく把握できます。どのような治療を行えば良いのかわかれば、薄毛改善に向けて具体的に行動できるでしょう。
若い年代からの薄毛は精神的負担が大きくかかる可能性があるため、早めの対策が大切です。








