実は、夏場になると抜け毛が増えると感じる女性は多くいます。

イベントも多く、おしゃれを楽しみたい季節ですが、抜け毛を気にしていては、何事も楽しめませんよね。

本記事では、女性が夏に抜け毛が増える理由と、その対策を紹介します。

夏に抜け毛が増える原因

夏に抜け毛が増える原因には、下記のようなものがあります。

それぞれの原因について、詳しく解説します。

強い紫外線による頭皮と毛根へのダメージ

夏場の強い紫外線は、抜け毛の大きな原因となります。

特に、7月から8月にかけての紫外線量は年間で最も多いため、注意が必要です。

強い紫外線は頭皮に浸透し、毛根周辺の細胞にダメージを与え、髪の主成分であるタンパク質（ケラチン）の合成を阻害します。

さらに、紫外線を浴びることで頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、健康な髪の成長サイクルが乱れる場合があります。

エアコンの使用による頭皮の乾燥

夏場の生活に欠かせないエアコンも、実は抜け毛の大きな原因の一つです。

エアコンの使用により、室内の湿度が大幅に下がると、頭皮が乾燥状態に陥ってしまいます。

頭皮が乾燥すると、皮膚が硬くなり頭皮の血管が圧迫され、毛根に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなります。

その結果、髪が細くなり、最終的に抜け落ちやすくなります。

汗と皮脂の過剰分泌による毛穴詰まり

高温多湿な夏は、汗と皮脂の分泌が通常の2〜3倍になり、これらが毛穴に詰まることで健やかな髪の成長を妨げてしまいます。

皮脂が毛穴に詰まると、毛根への栄養供給が妨げられるほか、細菌が繁殖しやすくなり、頭皮の炎症が起こりやすくなります。

生物学的なヘアサイクルの変化

夏の抜け毛増加には生物学的な背景もあります。多くの哺乳動物と同様に、人間も季節によって毛髪の生え変わりサイクルが変動します。

下記は、季節による1日あたりの抜け毛の本数の変動を表したグラフです。

上記グラフから分かるように、夏から秋頃にかけて抜け毛が多くなっています。

健康な女性の抜け毛は一日に平均50～100本ほどといわれていますが、一日に300本の抜け毛があったとしても一時的であれば問題ないと言われています。

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参考 服部道廣「養毛・育毛剤の評価法」

夏に抜け毛がひどい場合の対策

夏に抜け毛の症状が気になる場合は下記のような対策を行うと良いでしょう。

それぞれの対策について、詳しく解説します。

紫外線ダメージを避ける

上述の通り、夏場の強い紫外線は、抜け毛の大きな原因となります。
顔や体には日焼け止めを塗るなどの対策をしていても、髪や頭皮の紫外線対策は行っていないという方は多くいるのではないでしょうか。

髪や頭皮への紫外線ダメージを避ける方法を下記の表にまとめています。

空間内の湿度を40％〜60％に保つ

エアコンによる頭皮の乾燥を防ぐためには、湿度は40〜60％に保つと良いでしょう。
温湿度計を部屋に置くなどして、部屋の湿度をいつでも確認できるようにしておくことをおすすめします。

下記は、湿度が低い場合、高い場合の対策です。

参考にして、部屋の湿度を適切にコントロールしましょう。

湿度に合わせた快適な室内環境の作り方

シャンプーの仕方、シャンプーの種類を見直す

シャンプーの種類、シャンプーの仕方の見直しで、皮脂や汗による毛穴詰まりを解消できる可能性があります。

シャンプーの種類の選び方とシャンプーの仕方をそれぞれ解説します。

シャンプーの種類ごとの配合成分

シャンプーの種類	配合成分
ベタイン系	コカミドプロピルベタイン ラウロイルプロピルスベタイン ココアンホ酢酸Naなど パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン
アミノ酸系	グルタミン酸系 例：ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸Na
	アラニン系 例：ココイルメチルアラニンTEA、ラウロイルメチルアラニンNa
	アスパラギン酸系 ラウロイルアスパラギン酸、Naアシル（C12、14）アスパラギン酸TEA
	グリシン系 例：ココイルグリシンTEA、ココイルグリシンNa

次に抜け毛を防ぐシャンプーの仕方を解説します。

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髪の毛に良い食材を摂取し、栄養バランスの良い食事をする

夏場は特に食欲不振になりがちですが、バランスの良い食事を心がけることに加え、髪に良い栄養素を摂取することを意識することで、抜け毛の予防や対策が期待できます。

髪の毛に良い栄養素と食べ物

参考 栄養に関する基礎知識｜国立循環器病研究センター

抜け毛がひどい場合は医師に相談

夏の抜け毛は多くの女性にとって自然な現象であり、ご自身の髪質や頭皮の状態に合わせた適切なケアにより、抜け毛の量や、髪・頭皮へのダメージは最小限に抑えることができます。

しかし、夏の抜け毛が3ヶ月以上続く場合や、対策をしても改善が一向に見られない場合は、季節性の抜け毛ではなくFAGA（女性男性型脱毛症）やホルモンバランスの乱れが原因である可能性も考えられます。

FAGA（女性男性型脱毛症）やホルモンバランスの乱れが原因の抜け毛は、自力での改善が難しいため専門医への相談を検討することをおすすめします。