薄毛が気になり自分でできる対策はないかと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし具体的な対策方法がわからず、何も対策できていない方もいるはずです。

本記事では、生活習慣の見直しや頭皮環境を整える方法、毛髪・頭皮へのダメージを抑える方法まで、健やかな髪の毛を育てるための薄毛対策を詳しく解説します。

これらの対策を取り入れ、毎日の習慣として継続することで薄毛の予防や改善に効果が期待できます。今日からすぐに実践できる対策ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

薄毛対策はどのタイミングで始めるべき？

薄毛が気になりだしたら、すぐに対策を始めるのが大切です。薄毛は進行性の症状のため、早く対策を始めるほど効果が期待できます。

また、薄毛対策は改善だけでなく予防の効果も期待できます。今は薄毛が目立たない状態でも、将来の薄毛を予防するために早めに対策を始めましょう。

具体的には、生え際や頭頂部の髪の毛が細くなったと感じた時や抜け毛が増えたと感じたタイミングが挙げられます。また、家族に薄毛の人がいる場合も早く始めた方が良いでしょう。

薄毛は誰にでも起こる可能性があります。気になる症状があれば、早めに対策を始めることで、効果を実感しやすくなります。

自分でもできる薄毛対策｜健やかな髪の毛を育てる

髪の毛を健やかに育てるためには、栄養や睡眠、運動などの正しい生活習慣が重要な要素となります。ここからは、いますぐ取り組める薄毛対策を紹介します。

• 髪の毛に良い栄養素が豊富な食べ物を摂る
• 育毛剤を日頃から使用する
• 規則正しい時間に十分な睡眠をとる
• 適度な運動を取り入れる

髪の毛に良い栄養素が豊富な食べ物を摂る

髪の毛に良い栄養素が豊富な食べ物を摂ることは、薄毛対策にも役立ちます。髪の毛は主にタンパク質で構成されているため、タンパク質の摂取は髪の成長に欠かせません。

亜鉛には毛根にある毛母細胞の成長を促進し、頭皮環境を整える効果があります。ビタミン類は、髪の成長や頭皮の健康維持に重要な役割を果たします。

そのほか、髪の毛に良い栄養素と食品の例は以下です。

栄養素	具体的な食べ物の例
タンパク質 （ケラチン）	鶏肉、牛肉、豚肉鮭、マグロ、イワシ 卵納豆、豆腐、豆乳
亜鉛	牡蠣豚レバー牛肉ナッツ類
ビタミン類	豚肉レバーうなぎ納豆
鉄分	レバー赤身の肉小魚ほうれん草
カルシウム	牛乳チーズヨーグルト小魚

育毛剤を日頃から使用する

育毛剤の使用は、髪の毛の成長の促進に効果が期待できます。育毛剤には頭皮の血行を促進し、頭皮環境を整える効果のある成分が配合されています。

これらの成分によって、頭皮環境が改善され抜け毛の原因となる物質の生成が抑制されることで、抜け毛や薄毛の予防が期待できるでしょう。

育毛剤は毎日朝晩2回、頭皮に直接塗布するのが基本です。塗布する際は、以下のポイントに注意して使用しましょう。

• 頭皮が清潔な状態で使用する
• 髪をかき分け、適量を頭皮に直接塗布する
• 指の腹でマッサージするように、頭皮全体になじませる

育毛剤を使用する際は自分の頭皮状態に合ったものを選び、用法・用量を守って使用することが大切です。育毛剤の効果を実感するためには継続した使用が重要です。

参考 厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

規則正しい時間に十分な睡眠をとる

健康な髪の毛の成長には、睡眠が欠かせません。質の高い睡眠を7～8時間程度しっかりとることで、成長ホルモンが十分に分泌され髪の毛が健やかに育ちます。

睡眠の質を向上させるためには、生活リズムを整えることが重要です。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。寝る前のスマホやパソコンの使用は控え、リラックスできる環境で睡眠をとることがポイントです。

質の高い睡眠は薄毛対策だけでなく、健康維持にも非常に重要です。規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。

適度な運動を取り入れる

適度な運動は頭皮への血流を促進し、髪の毛に栄養を届ける効果があります。週に3～4回程度、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。

無理なく続けられる有酸素運動は、体全体を動かすことで頭皮への血流を促進する効果があります。運動の強度は息が少し弾む程度がおすすめです。強度が強すぎると逆効果になる可能性があるため注意しましょう。

自分でもできる薄毛対策｜頭皮環境を整える

頭皮環境が悪化すると、フケやかゆみ、炎症などの頭皮トラブルが起こりやすくなり薄毛の原因となります。そのため、以下の頭皮環境を整える対策を習慣化しましょう。

• シャンプー・ドライヤーのやり方を見直す
• 頭皮マッサージを習慣化する

シャンプー・ドライヤーのやり方を見直す

シャンプーとドライヤーは、頭皮と髪の毛の健康状態を左右する重要な習慣です。正しい方法で行うことで頭皮環境を整え、薄毛予防に効果が期待できます。

シャンプーのポイントは以下の通りです。

• ぬるま湯で髪と頭皮を十分に濡らす
• シャンプーを泡立てて、頭皮をマッサージするように洗う
• 爪を立てないように注意する
• シャンプーをしっかりと洗い流す

また、ドライヤーは頭皮から15cm程度離して使用します。同じ箇所にドライヤーの熱を長時間当て続けることは避け、髪がしっかりと乾くまで使用しましょう。シャンプーとドライヤーは毎日行う習慣だからこそ、正しい方法で行うことが大切です。

頭皮マッサージを習慣化する

頭皮マッサージは、頭皮への血流を促進し髪の毛の成長に必要な栄養を届ける効果があります。血流が促進されると髪の毛の成長が促進され、薄毛予防にも効果が期待できます。

頭皮マッサージのポイントは以下です。

• 事前にシャンプーやブラッシングをして頭皮の汚れを落とす
• 指の腹を使って、頭皮全体をゆっくりと揉みほぐす
• 痛気持ちいい程度の強さで行う

頭皮マッサージは1回3～5分ほど行うのが理想です。長い時間行うとかえって頭皮の負担となるため、短い時間でも毎日の継続が大切です。

お風呂の中で簡単に実践できるため、ぜひ習慣化しましょう。テレビを見ながらや音楽を聴きながらなど、リラックスできる環境で行うのもおすすめです。

自分でもできる薄毛対策｜毛髪・頭皮へのダメージを抑える

毛髪や頭皮がダメージを受けると、頭皮環境が悪化し抜け毛や薄毛の原因となります。ここからは、ダメージを抑えるための以下の対策を解説します。

• 髪型・ヘアアレンジを見直す
• 日焼け止め・紫外線の対策グッズを使う
• スマホ・PCの使い方を見直す
• 過度な飲酒・喫煙をやめる

髪型・ヘアアレンジを見直す

髪の毛や頭皮に負担がかかる髪型やヘアアレンジは、薄毛の原因へとつながるため見直しが必要です。パーマやヘアカラーの薬剤は、髪の毛の内部にあるタンパク質を分解するため、髪が弱くなり切れやすくなります。

さらに薬剤は頭皮を刺激し、炎症を起こす可能性もあります。頭皮が炎症を起こすとフケやかゆみなどのトラブルだけでなく、頭皮環境が悪化し薄毛の原因ととつながりかねません。これらの理由から薄毛が気になる場合は、パーマやヘアカラーを避けることをおすすめします。

また、つねに同じ部位の髪を縛るようなヘアレンジは、頭皮がつねに引っ張られた状態になり血行が悪化する恐れがあります。血行が悪化すると毛根に栄養や酸素が行き渡らなくなり、髪の毛の成長が阻害され薄毛の原因となるため注意しましょう。

参考 ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意！

日焼け止め・紫外線の対策グッズを使う

頭皮や髪にさまざまなダメージを与える紫外線は、薄毛の進行を促進する原因の一つです。紫外線は肌だけでなく頭皮にも悪影響を及ぼします。頭皮は皮膚よりも薄いため、紫外線によるダメージを受けやすい部位です。

紫外線が頭皮に当たると、水分が奪われ乾燥が進みます。頭皮の乾燥はフケやかゆみを増加させ、頭皮環境を悪化させることで毛根を弱め、薄毛の原因となります。

外出時には必ず日傘や帽子を使用して、頭皮を紫外線から守りましょう。あわせて、頭皮用の日焼け止めスプレーを髪の分け目や薄い部分に重点的に塗布するのが効果的です。

紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいるため、年間を通して紫外線対策を行うことが大切です。

スマホ・PCの使い方を見直す

薄毛対策にはスマホ・PCの使い方の見直しも必要です。スマホやPCの長時間使用による眼精疲労は、頭皮や首の血流を悪化させ髪の毛に栄養が行き渡らなくなると考えられています。

特に寝る前のブルーライトは、睡眠ホルモンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させます。睡眠不足や睡眠の質の低下は頭皮への血流を悪化させ、薄毛を促進する可能性があるのです。

スマホやPCの使用は以下の点に注意しましょう。

• 長時間使用しない
• 適度に休憩を取る
• 寝る前は使用しない
• ブルーライトカット対策をする

スマホやPCは、なくてはならないツールですが、使い方を間違えると頭皮や髪の毛に悪影響を及ぼす可能性があるため適切に使用しましょう。

過度な飲酒・喫煙をやめる

過度な飲酒や喫煙も、薄毛につながる可能性があるため対策が必要です。

アルコールは、肝臓で分解される際にビタミンB群や亜鉛などの栄養素を大量に消費します。ビタミンB群や亜鉛は、髪の毛の成長に欠かせない栄養素のため不足すると薄毛の原因となります。

喫煙も薄毛につながる原因です。喫煙により血管が収縮し頭皮への血流が悪化することで、髪の毛への栄養供給が阻害され薄毛を引き起こします。

飲酒や喫煙をすぐにやめることは難しいかもしれませんが、少しずつ減らす努力が大切です。過度な飲酒や喫煙を控えることで、毛髪や頭皮への栄養の供給を改善し薄毛を予防できます。

自己流はリスクあり！薬品の使用法やヘアケアに迷ったら専門家へ相談

医薬品を自己判断で使用すると、思わぬトラブルを引き起こしたり薄毛が悪化したりする可能性があるため注意しましょう。

特に海外輸入品は日本で認可されていない医薬品も多く、安全性や有効性が十分に確認されていない場合があります。

自己判断での使用により思わぬ健康被害を受けないためにも、薄毛対策について不安がある場合は、専門家に相談しましょう。

毛髪診断士や専門家は、薄毛の原因を診断し適切な薄毛対策のアドバイスが可能です。早めの専門家への相談により、自己流による悪化を防ぎ効果的な薄毛対策が行えます。

参考 厚生労働省

薄毛対策しても症状が進むなら脱毛症の可能性あり

生活習慣の見直しや頭皮環境の改善などの対策を行っても薄毛が進行する場合、脱毛症の可能性があります。

ここからは、男女別に起こりやすい脱毛症を解説します。病名の自己判断は難しいため、疑われる症状がある場合は医療機関での診断を仰ぎましょう。

• 男女共通で起こる可能性がある薄毛の病気
• 男性に起こりやすい薄毛の病気
• 女性に起こりやすい薄毛の病気

男女共通で起こる可能性がある薄毛の病気

男女共通で発症する可能性がある代表的な脱毛症として、円形脱毛症と牽引性脱毛症があります。

脱毛症	特徴
円形脱毛症	頭部に境界がはっきりとした脱毛斑ができるストレスや遺伝などが原因とされる
牽引性脱毛症	髪を強く引っ張ることで生え際や分け目付近が脱毛 ヘアスタイルを変えれば改善が見込める

円形脱毛症は、頭部に円形や楕円形の脱毛斑ができる脱毛症です。突然発症することが多くストレスが原因とされていますが、完全には解明されていません。

牽引性脱毛症は、髪を強く引っ張るヘアスタイルやヘアアレンジが原因で起こる脱毛症です。頭部の特定の場所に脱毛が見られ、ヘアスタイルやヘアアレンジをやめれば改善する場合が多いとされています。

参考 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン

男性に起こりやすい薄毛の病気

男性に起こりやすい脱毛症として挙げられるのは、以下の3つです。

脱毛症	特徴
AGA（男性型脱毛症）	主に遺伝と男性ホルモンの影響で起こる進行性の脱毛症 前頭部や頭頂部から薄毛が始まることが多い
粃糠性脱毛症	頭皮の乾燥と炎症が原因で起こる脱毛 フケやかゆみを伴い、全体的に薄毛になる
脂漏性脱毛症	皮脂の過剰分泌が原因で頭皮が炎症し脱毛 フケやかゆみ、赤みを伴うことが多い

AGAは思春期以降の男性に多く見られる脱毛症です。進行性のため、放置すると頭全体が薄くなる可能性があります。

また、粃糠性脱毛症は頭皮トラブルを原因とする脱毛症です。ステロイド外用薬など炎症を抑える薬を用いて治療します。

脂漏性脱毛症は頭皮が脂っぽくなり、フケやかゆみ、赤みなどの症状が現れます。男女問わず発症しますが、男性に多い傾向がある脱毛症です。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

女性に起こりやすい薄毛の病気

FAGA（女性男性型脱毛症）とびまん性脱毛症は、女性に多く見られる脱毛症です。

脱毛症	特徴
FAGA（女性男性型脱毛症）	加齢や出産などによるホルモンバランスの変化で発症 額の生え際や頭頂部が薄くなる
びまん性脱毛症	ストレスや頭皮環境の悪化などが原因 頭全体の髪の毛が薄くなる

FAGA は男性ホルモンの影響を受けて、女性ホルモンのバランスが崩れることが原因で起こります。生え際や頭頂部の髪が薄くなるのが特徴です。AGAと同様に、進行性のため自然治癒は難しいでしょう。

びまん性脱毛症は頭全体が薄くなる脱毛症で、加齢やストレス、頭皮環境の悪化などが原因と考えられています。生え際は後退せず、頭全体の髪のボリュームが減っていくのが特徴です。

参考

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

女性ホルモンとライフステージ

更年期

薄毛の予防・改善に向けてできる対策から始めよう

薄毛対策は早い段階から始めることが大切です。薄毛が気になりだしたら、生活習慣の見直しや、頭皮環境を整えるなどの対策を取ることが必要です。今回紹介した対策の中から、まずできることから始めてみましょう。

薄毛対策を行っても症状が進行する場合は、脱毛症の可能性があります。脱毛症が疑われる場合は、できるだけ早くAGAクリニックなどの専門家への相談が大切です。

薄毛は、原因や症状によって適切な治療法が異なります。早めに医療機関を受診し、毛髪診断士などの専門家に相談することで自分に合った治療が受けられます。

医療機関での治療と自身での薄毛対策を組み合わせることで、健やかな髪の毛を手に入れましょう。