貧血でお悩みの方の中には、抜け毛や薄毛が気になる方も多いのではないでしょうか。実は貧血と抜け毛・薄毛には深い関係があるのです。
本記事では貧血・鉄分不足が髪の毛にもたらす影響を解説するとともに、抜け毛・薄毛が治るのかどうかや対策についても紹介いたします。
気になる方はぜひ参考にしていただき、改善を目指していきましょう。
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貧血と抜け毛・薄毛の関係

結論、貧血には抜け毛・薄毛を引き起こすリスクがあります。貧血によって、毛根(毛母細胞)への酸素・栄養の供給が不足してしまうためです。
貧血のほとんどは鉄分不足による「鉄欠乏性貧血」とされています。体内の鉄分が不足することで、赤血球の成分であるヘモグロビンが作れなくなり貧血を引き起こします。
ヘモグロビンには身体のすみずみに酸素と栄養を送り届けるはたらきがあります。貧血は抜け毛・薄毛につながるだけでなく、立ちくらみやめまい、動悸、疲れやすさ、頭のだるさ、食欲不振などの原因にもなります。
なお、ヘモグロビンの値が、男性は13g/dL未満、女性は12g/dL未満になると、「貧血」と診断されます。
年齢・性別 | 貧血とされる数値 |
女性(15歳以上・非妊娠) | 12g/dL未満 |
妊娠女性 | 11g/dL未満 |
男性(15歳以上) | 13g/dL未満 |
鉄分不足による髪の毛への影響
鉄分不足による髪の毛の影響について、さらに詳しく解説します。
鉄分は、髪の毛を作るタンパク質の一種、ケラチンを構成する成分でもあり、髪の強度の維持に欠かせません。鉄分が不足することでケラチンの生成がうまくできなくなると、髪が細くなったり、パサパサしたり、切れ毛にもつながります。
また、脱毛症で悩んでいる人は鉄分が不足していることを報告している論文もあります。本論文の研究では、6ヶ月以上脱毛症の症状があり、治療をしていない人(女性113名、男性97名)と健康な人 (女性113名、男性97名)を調査しました。
調査の中で、女性型脱毛症の患者は健康な女性と比較して、体内の鉄を貯蔵するタンパク質「フェリチン」の血清中の濃度が有意に低かったことが報告されています。
参考 National Library of Medicine「鉄は特定のパターンを持つ脱毛症に関係している」(英文による解説)
貧血によって抜け毛が起こりやすい人の特徴
貧血によって抜け毛が起こりやすい人の特徴を紹介します。
- 女性・高齢者
- 生活習慣が乱れがちな方
- ストレスを溜め込みやすい方
- 日常的に過度に飲酒される方
- 出血を伴う疾患をお持ちの方
上記に当てはまる方は鉄分が不足しやすく、髪の毛に影響が出やすいと考えられています。注意しておきましょう。
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貧血による抜け毛・薄毛対策のために摂取すべき1日の鉄分量

貧血による抜け毛・薄毛を防ぐためにも、1日に摂取すべき鉄分の目安量を以下の表で確認しておきましょう。
年齢 | 男性の推奨量 (mg/日) | 女性(月経なし) の推奨量(mg/日) | 女性(月経あり) の推奨量(mg/日) |
15~17(歳) | 9.0 | 6.5 | 11.0 |
18~29(歳) | 7.0 | 6.0 | 10.0 |
30~49(歳) | 7.5 | 6.0 | 10.5 |
50~64(歳) | 7.0 | 6.0 | 10.5 |
65~74(歳) | 7.0 | 6.0 | – |
75以上(歳) | 6.5 | 5.5 | – |
ぜひ参考に普段の食事などで意識してみてください。
貧血による抜け毛・薄毛は治る?対策・改善策を紹介

貧血による抜け毛・薄毛は、適切な対策をとることで改善が見込めます。以下で対策・改善策をご紹介します。
- サプリメントで鉄分を補う
- 生活習慣を見直す
- 適度にストレスを発散する
- 育毛剤を使用する
サプリメントで鉄分を補う
貧血による抜け毛・薄毛改善のためにまずおすすめなのが、サプリメントで鉄分を補うことです。食事だけでは鉄分の摂取が難しいという方もサプリメントであれば手軽に摂取することができるでしょう。
鉄分のサプリメントは多くの種類が市販されているため、含有量や商品の特長をしっかり確認して自分に合うものを選びましょう。
ただし、鉄分の過剰摂取は便秘や胃の不調などの副作用を招く恐れがあるため、摂取量には注意しましょう。不安な方は一度医師などに相談されることがおすすめです。
生活習慣を見直す
貧血による抜け毛・薄毛改善のためには、生活習慣の見直しも欠かせません。鉄分補給だけで必ずしも髪が生えるわけではないため、併せて生活習慣の改善も目指しましょう。
日々の食事内容や睡眠・運動など、するべき生活習慣の改善例は以下を確認してください。
- 食事の際は脂質・糖質の摂りすぎに注意しながら、肉・魚・野菜など、バランスのとれた食生活を意識して、タンパク質・ミネラル・ビタミンなどの栄養を摂る。
- 寝る前には自分に合ったリラックス方法を行ったり、寝室環境の整備、入眠直前にカフェインやアルコールを摂取しないようにして、質の良い睡眠をとれるようにする。
- ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、もしくは電車内では着席せずに立つ・通勤帰りは一つ手前の駅で下車して歩くといった日常的な運動を行う。
適度にストレスを発散する
ストレスを適度に発散することも貧血による抜け毛・薄毛改善に大切です。
ストレスは消化吸収機能の低下や食欲不振などを引き起こし、栄養不足や鉄分不足につながるためです。
できるだけストレスを溜め込まないよう、適度に発散することが大切です。また、過度なストレスを感じる環境にいる方は、可能であれば離れることが望ましいです。
参考 National Institutes of Health「ストレスが抜け毛を引き起こす仕組み」(英文による解説)
育毛剤を使用する
抜け毛・薄毛が気になる方は育毛剤によるケアも手段の1つです。
育毛剤には育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛といった効果が期待できます。
貧血の対策にはなりませんが、抜け毛・薄毛のケアとして使用することは効果的でしょう。
まとめ
貧血による抜け毛・薄毛は女性に多く見られるお悩みといえます。適切な対処をすることで改善の見込みがあるため、気になる方は上記の改善策を参考にしてください。
自身の体内の鉄分量が気になる方や、抜け毛や薄毛の症状が改善しない場合は、それぞれ専門のクリニックに相談することがおすすめです。自分にあった治療内容が分かり改善が期待できるでしょう。