大学生になって生え際の後退に気づき、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。年齢的にまだ早いと思いがちですが、大学生でも薄毛が原因で生え際が後退することも十分に考えられます。

本記事では大学生の生え際の後退について、勘違いなのかどうかを見極める方法、男女差はあるのか、具体的な原因と対策方法などを詳しく解説します。

最後まで読むことで自身の状態を正確に把握し、将来の髪の毛の健康を守るための適切な対策を打てるでしょう。最近生え際が気になり始めた大学生の方や、薄毛に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

大学生（10代～20代前半）でも薄毛が原因で生え際が後退する人はいる

大学生（10代～20代前半）の若い世代であっても、薄毛が原因で生え際が後退するケースはあります。

リクルートのアンケート調査によれば、薄毛を気にし始める年齢のピークは男性では30代で26.5％、女性では40代で29.3％となっています。

しかし注目すべきは、19歳以下と20代の男性を合計すると23％と比較的高い割合を示している点です。女性の場合、19歳以下と20代を合わせると16.5％となっており、男性に比べると割合は低いものの、決して低い数字ではありません。

これらのデータから、大学生を含む若い世代でも薄毛、ひいては生え際の後退に悩む人がいることがわかります。

参考 薄毛に関する意識調査2024｜PR TIMES

大学生での生え際の後退は男女どちらにも起こりうる

大学生に見られる生え際の後退は男性に限った話ではなく、女性にも起こりうる現象です。

薄毛は加齢などの要因も複合的に作用しますが、男性ホルモンが影響することから、一般的には男性の方が薄毛になる可能性が高いと予想されます。しかし、リクルートのアンケート結果からもわかるように、男女間の差はそれほど大きくありません。

また、薄毛の進み方に男女差が見られることも重要な点です。男性は生え際や頭頂部など、比較的局所的に薄毛が進行するため、目立ちやすい傾向があります。一方女性は、髪の毛全体が徐々に薄くなるため、進行に気づきにくいです。

そのため、男女を問わず生え際の変化には注意を払うことが必要だといえます。

大学生での生え際の後退が勘違いか見定めるポイント

大学生で生え際が後退していると感じた時、それが本当に後退なのかどうかを見極めるポイントは以下です。

• 過去の写真と比べて自分の生え際が下がっているか
• おでこに入る指の本数が増えているか
• 同世代の友人と比べて前髪・生え際の薄さが目立つか

それぞれのポイントを詳しく解説します。

過去の写真と比べて自分の生え際が下がっているか

過去の写真と現在の自分の生え際を比較することは、後退しているかどうかを客観的に判断する上で非常に有効です。

過去の写真と現在の状態を比較し、生え際のラインが明らかに下がっている、おでこが広くなっているなどの場合は、生え際が後退している可能性が高いといえます。

写真を撮って客観視することで、自分の目だけでは気づきにくい微妙な変化も捉えやすくなります。過去の写真がない場合は、鏡で髪の毛をかき上げた状態を注意深く観察し、以前の髪型を思い浮かべながら比較してみましょう。

おでこに入る指の本数が増えているか

おでこに入る指の本数を数えることは、生え際が後退しているかどうかを判断する基準の一つです。

おでこの広さには個人差がありますが、一般的には指3本分、およそ5～6cmが平均とされています。そのため指が4本以上おでこに入る場合は、生え際が後退しているサインかもしれません。

ただし、おでこの広さは生まれつき個人差が大きいため、指の本数だけで一概に判断できません。あくまで一つの目安として捉え、他の判断方法と組み合わせて総合的に見極めるようにしましょう。

同世代の友人と比べて前髪・生え際の薄さが目立つか

同世代の友人と自分の前髪や生え際を比較することは、自身の状態を客観的に評価するのに役立ちます。

生まれつきの髪質や生え際の違いはありますが、自分が気にしすぎているだけなのか、一般的な生え際の状態より後退が進んでいるのかを判断する手がかりとなります。

もし周囲の友人と比べて明らかに前髪が細くなっている、生え際が後退していると感じる場合は、薄毛が進行している可能性を考慮しましょう。

他の同世代よりも進んでいると判断できる客観的な指標を得ることで、気づいた時からすぐに対応を始められます。

生まれつきおでこが広くて生え際が後退したと感じる場合もある

生まれつきおでこが広い方は、生え際が後退したように感じてしまう場合があります。これは実際には後退していないものの、単に元々のおでこの広さが気になるというケースです。

生まれつきおでこが広いと感じる場合、過去の写真や同世代の友人と比較するなどの判断材料をもとに自分の状態を客観視できます。

いくつかの基準で、生まれつきおでこが広いと判断できた場合は必要以上に心配しなくてもよいでしょう。

大学生で生え際が後退しやすい人の特徴

大学生で生え際が後退しやすい人には、以下の特徴が見られます。

• 偏食・不摂生・運動不足などにより生活習慣が乱れている
• 寝不足・頑張りすぎによる疲労が蓄積している
• 学業・人間関係などが原因でストレスが溜まっている
• 日頃のヘアスタイルが髪の毛に大きな負担をかけている
• 脂性肌や汗っかきで頭皮の脂っぽさが気になる

それぞれの特徴を詳しく解説します。

偏食・不摂生・運動不足などにより生活習慣が乱れている

大学生は、一人暮らしを始めたりアルバイトで生活リズムが不規則になったりと、食生活や運動習慣が乱れやすい時期です。

偏った食事は、髪の毛の成長に必要な栄養素の不足を招き、髪の毛の健康を損ねる原因となります。特にインスタント食品や外食中心の食生活となると、ビタミンやミネラル、タンパク質など髪の毛の主成分となる栄養素が不足しがちです。

また、運動不足は血行不良を引き起こし、頭皮への栄養供給が滞る原因となります。頭皮への血流が不足すると、髪の毛の成長に必要な栄養が行き渡らなくなり、結果として髪の毛が細くなったり抜け毛が増えたりする可能性があります。

寝不足・頑張りすぎによる疲労が蓄積している

大学生は学業やアルバイト、サークル活動など多忙な日々を送ることが多く、寝不足や疲労が蓄積しやすい傾向にあります。疲労の蓄積は髪の毛の健康にも悪影響を及ぼし、生え際の後退を招く要因となります。

特に寝不足は、髪の毛の成長に不可欠な成長ホルモンの分泌を妨げる要因の一つです。成長ホルモンが十分に分泌されないと、髪の毛の成長が阻害され、薄毛や生え際の後退につながる可能性があります。

また、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用などによって引き起こされる眼精疲労も、頭皮の血行不良を招き髪の毛への栄養供給を妨げるため、薄毛の要因につながります。

参考 睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

学業・人間関係などが原因でストレスが溜まっている

大学生は高校までとは異なる環境に身を置くことが多く、学業のプレッシャーや新しい人間関係の構築、将来への不安など、さまざまな要因からストレスを感じやすい時期です。

ストレスは、心身にあらゆる影響を及ぼしますが、髪の毛の健康も例外ではありません。ストレスが過剰に蓄積すると、自律神経のバランスが乱れ、血行不良を引き起こすことがあります。

頭皮の血行が悪くなると、髪の毛に必要な栄養が十分に届かなくなり髪の毛の成長を阻害し、抜け毛や薄毛、生え際の後退につながる可能性があります。

日頃のヘアスタイルが髪の毛に大きな負担をかけている

大学生は、おしゃれを楽しむためにさまざまなヘアスタイルを試すことが多い時期ですが、その中には髪の毛に負担をかけるものも存在します。

パーマやブリーチ、カラーなどを頻繁に行うことは髪の毛だけでなく頭皮にも大きな負担を与え、髪の毛が抜ける原因へとつながりやすいです。

さらに、常に同じ箇所を強く引っ張るようなポニーテールや編み込みなどを頻繁に行っていると、牽引性脱毛症を引き起こし、生え際の後退を促進する可能性があります。

参考

パーマのメカニズム－毛髪内部の３つの側鎖結合

７．メラニンに何が？（ブリーチ）｜山野美容芸術短期大学

脂性肌や汗っかきで頭皮の脂っぽさが気になる

脂性肌の方や汗をかきやすい方は、頭皮が脂っぽくなりやすく、大学生の時期は特に頭皮環境が悪化しやすい状況といえます。

毛穴を詰まらせる過剰な皮脂分泌は、頭皮の炎症を引き起こす原因の一つです。また、汗をかいた状態が続くと、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮環境の悪化を招きます。

頭皮環境の悪化は髪の毛の成長を妨げ抜け毛や薄毛につながり、結果として生え際の後退を招く可能性があるのです。

参考 男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

早期に生え際の後退を対策すれば大学生の場合は回復しやすい

大学生の生え際の後退は、早期に対策すれば回復しやすいといえます。なぜなら髪の毛は、成長期、退行期、休止期という一定のサイクル（毛周期）を経て生え変わっており、早期の段階であればこのサイクルを正常に保ちやすいからです。

成長期は髪の毛が太く長く成長する期間であり、成長期が長ければ長いほど、健康的で豊かな髪の毛を維持できます。

大学生の年代であれば、まだ毛周期の乱れが深刻化していない場合は多く、早期に対策を始めることで成長期を長く保ち、髪の毛の状態を改善しやすいです。

参考 男性型脱毛症と育毛有効成分

大学生から取り組むことで生え際の後退を遅らせる対策

大学生のうちから取り組むことで、生え際の後退を遅らせることができる対策は以下です。

• 生活習慣を整える
• 日々のヘアケア方法を見直す
• 過度な飲酒・喫煙を控える
• 育毛剤を使った頭皮マッサージを習慣化する

それぞれの対策について詳しく解説します。

生活習慣を整える

大学生は自由な時間が増える反面、生活習慣が乱れやすい傾向にあります。特に、食生活の偏りや運動不足は髪の毛の健康に大きな影響を与え、生え際の後退を早める原因となります。

以下に、大学生に多く見られる髪の毛に良くない生活習慣と、その改善策をまとめました。

改善したい生活習慣	改善策
インスタント食品中心の食生活	バランスの取れた食事を心がけ、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを積極的に摂取する
運動不足	積極的に運動を取り入れ、血行促進を促す
睡眠不足	7〜8時間の睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に寝起きするよう心がける

これらの改善策の実践により、髪の毛の健康状態を良好に保ち、生え際の後退を遅らせることにつながります。

参考

栄養に関する基礎知識｜国立循環器病研究センター

厚生労働省「身体活動・運動」

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

日々のヘアケアは髪の毛の健康を維持し、生え際の後退を予防するために非常に重要です。特に洗髪方法やシャンプーの選択、ドライヤーの使用方法などは、髪の毛や頭皮に直接影響を与えます。

洗髪時には、爪を立てずに指の腹でやさしく頭皮をマッサージするように洗うことを心がけましょう。また、使用しているシャンプーが自分の頭皮に合っているかを確認することも大切です。洗浄力が強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで洗い流すため、頭皮の乾燥やかゆみ、炎症を引き起こす場合があります。

さらに洗髪のあと髪の毛を自然乾燥させることは、頭皮の湿度を高め、雑菌の繁殖を促す可能性があるため適切にドライヤーを使用しましょう。

参考

髪の毛に最もやさしい乾かし方とは｜大阪教育大学

過度な飲酒・喫煙を控える

大学生になると、20歳を境に飲酒や喫煙に触れる機会が増えますが、飲酒・喫煙が髪の毛・頭皮に与える影響には注意が必要です。

過剰なアルコール摂取は肝臓に負担をかけ、髪の毛の成長に大切な亜鉛を消費し、栄養素の吸収や代謝を阻害する可能性があります。また喫煙は血管を収縮させ、頭皮への血流を悪化させるため、髪の毛への栄養供給が不足し抜け毛や薄毛を引き起こしやすいです。

そこで飲酒は適量を意識し、週に何日かは休肝日を設けましょう。喫煙は髪の毛だけでなく健康全体に悪影響を及ぼすため、できる限り控えることが望ましいです。

参考

亜鉛の働きと１日の摂取量｜公益財団法人 長寿科学振興財団

飲酒量の単位｜厚生労働省

育毛剤を使った頭皮マッサージを習慣化する

育毛剤を使った頭皮マッサージの習慣化は、生え際の後退を遅らせるための有効な手段です。

育毛剤には、髪の毛の成長を促進する成分や、頭皮の血行を改善する成分などが含まれています。育毛剤の有効成分を効果的に頭皮に届けるためには、頭皮マッサージとの併用がおすすめです。

頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血行が促進され、育毛剤の成分がより浸透しやすくなります。育毛剤を塗布後、頭皮全体をやさしくマッサージすることで、育毛効果を高めることが期待できます。

効果を実感するには時間がかかりますが、継続することで着実に変化が現れるでしょう。毎日の習慣として取り入れ、根気強くケアを続けることが大切です。

参考

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

対策しても生え際の後退が進行するなら専門家へ相談しよう

生活習慣の見直しや育毛剤の使用などの対策を続けても、生え際の後退が改善しない場合は、遺伝による若年性脱毛症（若はげ）や脱毛症が原因となっている可能性があります。

脱毛症には以下のような種類があります。

• 男性型脱毛症（AGA）
• 円形脱毛症
• 脂漏性脱毛症
• 粃糠（ひこう）性脱毛症

特に男性型脱毛症（AGA）は進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛が進行するため、早期の治療が重要です。

脱毛症は、自己判断でのケアでは改善が難しいため、専門家による適切な診断と治療が必要です。そのため、気になる場合はできるだけ早い専門家への相談をおすすめします。

参考

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン