「ダイエットをすると薄毛になる」という話を聞いて不安になったことがある方もいるでしょう。
適度なダイエットは問題ありませんが、過度なダイエットや食事制限は健康な髪の毛を維持する栄養素まで不足し、薄毛の原因になり得ます。
本記事では、ダイエットと薄毛の関係性や、過度なダイエットが抜け毛を起こす原因とその対策法などをまとめました。
ダイエットで抜け毛が増えたと感じる方、これからダイエットを始めようとしていて抜け毛を防ぎたい方は本記事を参考にしてください。
ダイエットのやりすぎは薄毛に関係する？要因も解説
結論、適度なダイエットは問題ありませんが、過度なダイエットは薄毛を起こす原因になるため注意が必要です。
本章では、過度なダイエットが薄毛の原因になる理由を3つ解説します。
- 食事制限による栄養不足
- 代謝の低下による血行不良
- 無理な生活を続けることのストレス蓄積
食事制限による栄養不足
過度なダイエットで薄毛になる原因の一つが、食事制限による栄養不足で髪の毛に必要な栄養素を摂取できないことです。
さまざまあるダイエット法の中でも、多くの方が思い浮かべるダイエットが食事制限でしょう。しかし、過度な食事制限や糖質ダイエットは栄養不足を起こすため要注意です。
身体や脳の重要なエネルギー源は糖質です。糖質が不足すると、タンパク質が代わりにエネルギー源として使われます。
タンパク質は髪の成長に必要不可欠な栄養素であるため、身体や脳のエネルギー源としてタンパク質が使われると、髪の毛への供給が不足し薄毛や抜け毛を起こす原因になります。
代謝の低下による血行不良
過度なダイエットにより、代謝が低下し頭皮の血行不良を起こすことも、薄毛になる原因です。
ダイエットのための食事制限はカロリー不足となり、基礎代謝が低下して血行不良を起こします。身体は血液で栄養と酸素を全身に運んでいますが、血行不良を起こすと頭皮に栄養と酸素が行き渡らなくなり、髪の毛の成長が妨げられて薄毛や抜け毛が増える原因になるのです。
運動をせず、食事制限のみのダイエットを続ける場合も基礎代謝が落ちる原因となるため、注意しましょう。
無理な生活を続けることのストレス蓄積
無理な食事制限や、ダイエットの結果が出ないことに対してストレスが蓄積することも、薄毛を起こす原因です。
ストレス状態が続くと自律神経やホルモンバランスが乱れます。自律神経が乱れると交感神経が活発になり睡眠不足を起こして、髪の毛の成長に必要な成長ホルモンの分泌を妨げるため、薄毛の原因になり得ます。
また、ホルモンバランスの乱れは、AGA（Androgenetic Alopecia：男性型脱毛症）、FAGA（Female Androgenetic Alopecia：女性男性型脱毛症）などの脱毛症を発症する可能性が高まるため注意が必要です。
女性の過度なダイエットはホルモンバランスを乱すため注意
女性特有の月経や妊娠、出産などによっても女性ホルモンのバランスは大きく変化しますが、乱れすぎると生理不順や不妊症、更年期症状の悪化などの原因にもなります。
また、頭痛や動悸、情緒不安定、睡眠障害など、日常生活に支障が出る体調不良を引き起こしやすくなります。
ホルモンバランスを整えるためには、バランスの取れた食事と質の良い睡眠が大切です。
過度なダイエットによってホルモンバランスが崩れ、身体に不調をきたさないよう、十分に気を付けましょう。
薄毛・抜け毛にならないためのダイエットのポイント
健康的な身体、理想的な身体を手に入れるために適切なダイエットは有効です。
本章では、薄毛・抜け毛にならないためのダイエットポイントを紹介します。
- ダイエットプランは長期的な目線で立てる
- メリハリを持たせて取り組む
ダイエットプランは長期的な目線で立てる
薄毛・抜け毛にならないために、ダイエットプランは長期的な目線で立てましょう。
短期間で大幅に体重を減らすと、基礎代謝や筋肉量の低下を起こし、太りやすく痩せにくい身体になります。また、基礎代謝と筋肉量の低下は髪の毛の血行不良の原因となり、薄毛・抜け毛にもつながるため要注意です。
理想のダイエットは1ヶ月で体重の5％以内といわれており、5％の減量に留めることでダイエットの停滞期が起きにくくなります。
停滞期はモチベーションの低下やストレスにもつながるため、できる限り避けた方がよいでしょう。薄毛の原因になるストレスを溜めないためにも、無理のないダイエットプランを立てていくことが大切です。
メリハリを持たせて取り組む
薄毛・抜け毛にならないために、ダイエットはメリハリをつけて取り組みましょう。
ダイエットで食事制限や運動はつきものです。しかし、食事制限や運動を続けているとストレスを感じることがあります。ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れにつながり、薄毛・抜け毛の原因になるためストレスを避ける工夫が必要です。
ストレスを避けるためにダイエットを頑張り続けるのではなく、好きなものを食べ、運動しなくてもいい「チートデイ」という日を設けることがおすすめです。ストレスを適度に解消することでモチベーション維持にもなるため、メリハリをつけたダイエットを心がけましょう。
薄毛・抜け毛になりにくいダイエットの進め方
薄毛・抜け毛になりにくいダイエットをするためのポイントは次の3つです。
- 食事
- 運動
- 睡眠
本章では薄毛・抜け毛を予防するポイントも合わせて具体的に解説します。
食事
薄毛・抜け毛にならないために、食事で気を付けるポイントは次の3つです。
- 栄養素
- カロリー調整
- タイミング
栄養素
ダイエットによる薄毛・抜け毛を防ぐためには、栄養バランスに注意しましょう。
栄養バランスのとれた食事は筋肉量を維持し、基礎代謝を保つことで健康的な体を維持できます。これにより頭皮の血行不良を防ぎ、抜け毛や薄毛の予防にも有効です。
酵素が豊富な野菜や果物を積極的に摂取することで代謝が向上します。余分な脂質や糖質を控え、タンパク質を中心にミネラルやビタミンなど、髪の成長に必要な栄養素を含む食品を選びましょう。
仕事や付き合いなどで必要な栄養素を摂取するのが難しい場合や、手軽に必要な栄養素を摂りたい場合は、プロテインやサプリメントを活用するのも一つの方法です。
カロリー調整
薄毛・抜け毛にならないために、適切なカロリー調整を行いましょう。
基礎代謝は成人男性で約1,500kacl、成人女性で1,150kcalとされており、これに身体活動レベルが加わって1日の消費エネルギーが決まります。消費エネルギーが摂取カロリーより多い場合に痩せていくため、カロリー調整はダイエットの大きなポイントです。
しかし、ダイエットにおける厳しいカロリー制限はタンパク質の消化につながり、健康な髪の毛の成長を妨げます。また、大幅な摂取カロリーの削減は基礎代謝の低下を招くため要注意です。
基礎代謝が落ちると頭皮の血行不良を起こし、薄毛・抜け毛の原因になります。そのため、タンパク質や炭水化物も適度に摂取し、代謝を落とさない工夫をしながら、カロリー調整をしていきましょう。
まずは数百kcal程度のカロリー調整から始め、できる限り身体に負担をかけないことが大切です。
タイミング
薄毛・抜け毛を防ぐために、ダイエット中の食事制限はタイミングを意識しましょう。
例えば、ダイエットをしているからといって朝食を抜くことは逆効果です。朝食を取ることで体温が上がりやすくなり代謝が上がります。代謝が上がると髪の毛に必要な栄養素を届けやすくなり、薄毛・抜け毛の防止にもなるため朝食は必ず取りましょう。
食事によるカロリー調整を行いたい場合は、食べる順番を工夫してください。
野菜から摂取することで血糖値の上昇を抑えて食べ過ぎを防止でき、満腹感を得やすくなります。「野菜→タンパク質→炭水化物」の順で食べることで、余分なカロリー摂取を抑えられ、髪の毛に必要な栄養を効率よく摂りやすくなるためおすすめです。
運動
適度な運動は血流を促進しカロリーも消費されるため、薄毛・抜け毛を防ぎながらダイエットをするのに効果的です。また、身体が適度に疲れるため、質の良い睡眠をとりやすくなります。
特に有酸素運動は、脂肪と糖質をエネルギーに変える効果が期待できます。頭皮環境の改善と髪の毛の成長促進にもつながり、薄毛・抜け毛の予防になるためおすすめです。
ポイントは急に激しい運動をするのではなく、1日30分～1時間の習慣づけをすることです。例えば、エスカレーターやエレベーターを使用している場所を階段に変えたり、電車を一駅手前で降りて歩いたりしてみてください。
睡眠
質の良い睡眠はダイエットに加えて、薄毛・抜け毛の予防にも有効です。
質の良い睡眠は代謝を促進してエネルギーを消化しやすくする成長ホルモンを分泌します。エネルギーを消化するとダイエットにもより高い効果が見込めるため、質の良い睡眠を確保することが重要といえるのです。
成長ホルモンは特に午後10時～午前2時、または入眠後2時間ほどのノンレム睡眠時に最も多く分泌されます。
午後10時〜午前2時に質の良い睡眠をとれるよう、ゆっくりお風呂に浸かってリラックスし、睡眠30分前はスマートフォンなどの電子機器をできる限り見ないように心がけましょう。
また、成長ホルモンは健康な髪の毛を育てる役割もあります。代謝が促進されることで頭皮の血行も良くなり、健康な髪の毛を育てることにつながるため、睡眠の質にこだわるようにしましょう。
ダイエットによる薄毛の回復期間
一度でも過度なダイエットで薄毛・抜け毛を起こした場合は、毛周期が正常に回復するまで待つ必要があります。
毛周期とは髪が生えて抜け落ち、再び生えてくる周期のことです。
毛周期はおおよそ2～6年で一周しますが、周期が乱れると髪の毛が早く抜け落ちたり、細く弱い髪の毛が生えてきたりします。
ダイエットによる栄養不足や睡眠不足などは毛周期が乱れる原因になります。
一度毛周期が乱れた場合は、回復までに早い方で3ヶ月、多くのケースで6ヶ月以上かかるとされているため、毛周期が正常に回復するまでゆっくりと待ちましょう。
ただし、薄毛・抜け毛が進行する中で、自己判断で放置すると回復を遅らせる可能性があるので注意が必要です。
ダイエットによる薄毛・抜け毛が治らない場合は脱毛症の可能性あり
ダイエットによる薄毛・抜け毛が治らない場合は脱毛症の可能性があるため、早めに専門機関を受診しましょう。ホルモンバランスの乱れによりAGA（Androgenetic Alopecia：男性型脱毛症）、FAGA（Female Androgenetic Alopecia：女性男性型脱毛症）を起こしたり、ストレスから円形脱毛症を発症したりしている場合があります。
脱毛症を一度起こすと自然治癒が難しいです。放置すれば脱毛症が改善するまでの期間が長くなり治療の時間も費用もかさみます。
ダイエットによる薄毛・抜け毛が治らず脱毛症の可能性がある場合は、早めに専門機関で検査をして原因を見つけ、適切な治療を行いましょう。
参考
ダイエットによる薄毛を予防する方法
過度なダイエットによる薄毛を予防するための対策方法を2つ紹介します。
- 育毛剤を使って髪の毛の健康を保つ
- 頭皮マッサージを行い血行を促進する
育毛剤を使って髪の毛の健康を保つ
ダイエットによる薄毛を予防するために、育毛剤を使いましょう。
育毛剤は、抜け毛の予防や皮脂の過剰分泌を抑えて髪の毛が健康に育つ頭皮環境を整える製品です。入浴後や朝のヘアセット前など頭皮が清潔なタイミングで使うことで、髪の毛の健康を保つことに役立ちます。
育毛剤はドラックストアなど市販での購入が可能なため、日常生活に取り入れやすいです。
育毛剤を使用する際、同時に頭皮マッサージを行うと有効成分が浸透しやすくなり、より高い育毛効果が見込めます。さらに、頭皮マッサージは頭皮の血行促進にもつながるため、薄毛・抜け毛が予防できます。
頭皮マッサージを行い血行を促進する
ダイエットによる薄毛を予防するために、頭皮マッサージを行い頭皮全体の血流を促すこともおすすめです。
頭皮の血行を促進すると、髪の毛の成長に必要な栄養と酸素が届きやすくなり、髪の毛の健康を保てます。また、育毛剤を使って頭皮マッサージを行うと、有効成分がより浸透しやすくなるためおすすめです。
さらに、頭皮マッサージはリラクゼーション効果もあるため、ストレス解消にもなります。特に、身体が温まった入浴後に行うと副交感神経がはたらき、質の良い睡眠が取りやすくなります。
頭皮マッサージは1回3〜5分間で、1日2回を目安に行いましょう。
また、頭皮マッサージは力をこめてしまいがちですが、指や手の甲が頭皮に軽く触れている程度の力で十分です。力強く押す必要はなく、頭皮を撫でるくらいでも効果があります。
頭皮マッサージは今日から実践できることなので、画像を参考にぜひ試してみてください。
適切にダイエットすれば薄毛になるほど無理しなくても理想を目指せる
過度なダイエットはストレスになるだけでなく、栄養不足や血行不良により薄毛・抜け毛の原因にもなります。ダイエットをする際は栄養バランスの整った食事や運動、睡眠を心がけ、無理のないダイエットプランを立てましょう。
ポイントを押さえて適切にダイエットをすると、薄毛・抜け毛を防ぎながら健康的な身体を手に入れられます。
ぜひ本記事を参考にして、薄毛・抜け毛を予防しながら適切なダイエットに取り組んでください。
