薄毛や抜け毛は、多くの方が悩む問題です。確実に髪の毛が生える方法があれば、試してみたいと思う方も多いでしょう。

実際「確実に髪の毛を生やす方法」は存在しませんが、髪の毛を生えやすくする方法はいくつかあります。例えば薬物療法、育毛剤、植毛などが挙げられますが、それぞれ頭皮トラブルなどのリスクがあるのも事実です。

また、髪の毛を生やしたい気持ちから、間違った方法を試す方も一部いるため注意する必要があります。

本記事では、髪の毛が生える確率を高めるコツや、髪の毛を生やしたい方がやりがちな間違った方法を解説します。薄毛や抜け毛に悩む方や、髪の毛を生やす確率を上げたいと考えている方におすすめの内容です。

確実に髪の毛が生える方法はないが生える確率は高められる

結論、髪の毛が確実に生える方法はありません。しかし、生える確率を高める方法はいくつかあります。

• 効果が期待できる発毛剤を使う
• 専門医の指導のもとで薄毛治療を受ける

これらを組み合わせることで髪の毛が生える確率をより高められます。以下でそれぞれ解説します。

効果が期待できる発毛剤を使う

発毛剤は発毛効果が期待できる医薬品です。医薬品は市販品より成分濃度が高く、薄毛の原因に作用する成分が含まれている場合が多いため、より高い発毛効果が期待できます。

代表的な成分としてミノキシジルが有名です。髪は毛母細胞が分裂することで生成されます。ミノキシジルによって毛母細胞が活性化すると分裂が促進され、より長くて太い髪が生成されるようになるのです。

多くのAGAクリニックで処方されており、外用薬の場合、1日1〜2回、朝と夜、もしくは夜のみの使用が推奨されています。

参考： ミノキシジルの発毛作用について

専門医の指導のもとで薄毛治療を受ける

専門医による薄毛治療は、発毛確率を高める有効な手段です。カウンセリングや検査を通して薄毛の原因を正確に判断し、治療法を提案してくれます。そのため、発毛する確率をより高められるでしょう。

また、メソセラピー治療や自毛植毛などの治療法も状況に応じて選択されます。

メソセラピー治療	有効成分を直接頭皮に注入
自毛植毛	後頭部などから採取した毛髪を薄毛部分に移植

専門医は適切な指導やフォローを行うため、効果的な治療が受けられるでしょう。薄毛治療を検討する際は、専門医に相談することが大切です。

確実に髪の毛を生やしたい方がやりがちなこと

髪の毛を確実に生やしたいという願望から、やってしまいがちな誤った方法があります。

ここでは、髪の毛を確実に生やすためにも避けたい方法を5つご紹介します。

• 用法・用量を守らずに育毛剤・発毛剤を使う
• 育毛剤と発毛剤を医師の許可なしに自己判断で併用する
• 頭皮を洗う際に力が入ったり何度も洗ったりする
• 自己判断による毛髪に良い食事や健康習慣を続ける
• 「確実に生える」ことを謳う薬や療法に飛びつく

用法・用量を守らずに育毛剤・発毛剤を使う

育毛剤・発毛剤は、正しい使い方をすることで効果を発揮します。用法・用量を守らずに自己判断で増量したり、使用頻度を増やしたりするのは避けましょう。

正しい使い方を無視すると、効果が得られないだけでなく、発疹や痒みのリスクも高まります。育毛剤・発毛剤は有効成分が適切な量で頭皮に届くよう設計されています。育毛剤・発毛剤を使用する際は、必ず用法・用量を守って正しく使用しましょう。

参考：毛髪用薬（発毛，養毛，ふけ，かゆみ止め用薬等）

育毛剤と発毛剤を医師の許可なしに自己判断で併用する

抜け毛に悩む方の中には、育毛剤と発毛剤を併用して効果を高めようとする方もいます。

育毛剤や発毛剤にはさまざまな成分が含まれているため、これらの成分が相互作用を起こすと想定外の頭皮トラブルが発生する恐れがあります。そのため、医師の許可なしに自己判断で併用するのは避けましょう。

育毛剤と発毛剤の併用は避け、育毛剤も使用したい場合は毛髪診断士などの専門家に相談するのがおすすめです。頭皮の状態を分析し、あなたに合った育毛剤を選ぶためのアドバイスを提供してくれます。

※発毛剤は医師からの処方が必要ですが、育毛剤は市販で入手可能です

頭皮を洗う際に力が入ったり何度も洗ったりする

頭皮を清潔に保ちたいという気持ちから、つい力を入れたり何度も洗ってしまう方がいます。

しかし、頭皮はデリケートな部分なので、洗いすぎると逆効果になる可能性があります。特に男性に多いのですが、気持ちいいからと頭皮を強く洗うと、頭皮に負荷をかけるためNGです。

また、フケや皮脂が気になる方も、入念に洗うのは逆効果です。洗いすぎは皮脂の過剰分泌を招き、フケやかゆみなどの症状を悪化させてしまう可能性があります。

頭皮を洗う際は、指の腹を使って優しくマッサージするように洗いましょう。洗い流す時も、指の腹を使って頭皮をこすらずに、泡を丁寧に洗い流してください。

頭皮は髪の毛の土台となる大切な部分です。頭皮を優しく洗い、必要な皮脂を残しながら清潔に保ちましょう。

自己判断による毛髪に良い食事や健康習慣を続ける

SNSや噂で聞いた療法、食事法、健康習慣をうのみにして続けるのは避けましょう。誤った情報は、頭皮や毛髪に悪影響を及ぼす可能性もあります。特にサプリメントや、食事制限などの情報は、信憑性が高いように感じやすく、誤った情報も拡散されやすい傾向があります。

専門家や有識者から発信された情報や、論文など正式な実験データなどをもとにして提供されている情報のみを取り入れましょう。情報の真偽が判断できない場合は、専門家に相談することをおすすめします。正しい情報に基づいた方法で、健康的な頭皮と毛髪を維持しましょう。

「確実に生える」ことを謳う薬や療法に飛びつく

抜け毛や薄毛に悩む方にとって、「確実に髪の毛が生える」という謳い文句は非常に魅力的に感じられます。

しかし、広告で宣伝されているものや、怪しさのある療法には注意が必要です。特に「確実に生えること」を謳っているものには注意しましょう。グレーな方法で提供されていたり、頭皮トラブルのリスクを伴う可能性があります。

抜け毛や薄毛の原因はさまざまです。遺伝的な要素やホルモンバランス、生活習慣など、複合的な要因が考えられます。そのため、画一的な治療法はありません。自己判断で薬や療法を選択するのではなく毛髪診断士などの専門家に相談しましょう。

【注意】好評な髪の毛を生やす方法でも効果の個人差と副作用のリスクはつきもの

どんなに好評な方法でも効果には個人差があり、頭皮トラブルのリスクも伴います。完璧な方法はないため、効果が出なかったり望まない症状が出たりする可能性も考慮しましょう。

具体的には以下のような状態になる可能性が考えられます。

• 発毛効果が見込める薬を使っても産毛が生えた程度だった
• 発毛効果を3ヶ月で実感する人がほとんどの手法で自分は8ヶ月ほどの時間がかかった
• 人気の育毛剤の使用後に肌荒れや痛みが出て、めまいがした

どの薬も効果は半永久ではありません。使い続けなければ、元に戻りやすくなります。抜け毛・薄毛治療は、長期的な視点で取り組む必要があります。焦らず、毛髪診断士などの専門家に相談しながら、自分に合った方法を見つけることが大切です。

参考：一般用医薬品のリスク区分

髪の毛が生えてくる前兆ってある？

治療や生活改善を始めてから、髪の毛が再び生えてくる兆候が現れることがあります。以下は主な例です。

• 頭がかゆくなることが多い
• 弱々しい髪の毛が抜けてきた
• うっすらと産毛が生えてきた

これらの症状は初期脱毛と生え変わりが関係しており、毛周期が関係してしています。

毛周期は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」という順序で進行し、毛髪が成長して古くなると自然に抜け落ちます。このサイクルが完了すると、再び成長期に戻り、ヘアサイクルが繰り返されるのです。

治療を始めると、休止期に入って成長が停止していたサイクルを正常に戻そうとするため、一時的に髪が抜け落ちます。

一見、悪化しているように見えますが、実は新しい髪の毛が生えてくる前兆である可能性があります。焦らずに頭皮環境を整え、健康的な生活習慣を続けましょう。

参考：男性型脱毛症と育毛有効成分

髪の毛が生える確率を自分で少しでも高めるコツ

髪の毛の成長には、さまざまな要素が影響します。以下は髪の毛が生える確率を高める有効な方法です。

• 質を重視した睡眠を十分にとる
• 育毛によい栄養素を豊富に含む食べ物を摂る
• 日頃のヘアケアのやり方を見直す
• 頭皮マッサージを行う

質を重視した睡眠を十分にとる

髪の毛の成長には、質の高い睡眠が不可欠です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、髪の毛の成長を促す重要な役割を担っています。特に成長ホルモンの分泌が活発になるノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠が重要です。

良質な睡眠を得るためには、寝る前の習慣も大切です。寝る前に湯舟に浸かり体を温めると、リラックス効果を得られます。

また、寝る直前にスマホやパソコンを使うのは避け、副交感神経を優位にして眠りにつくようにしましょう。

育毛によい栄養素を豊富に含む食べ物を摂る

タンパク質、亜鉛、ビタミンを豊富に含む食べ物は髪の毛に良いとされるため、積極的に摂取しましょう。

栄養素	豊富に含む食べ物の例
タンパク質	肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品など
亜鉛	牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類など
ビタミン	玄米、豆類、果物、緑黄色野菜など

これらの栄養素をバランス良く摂取すると、育毛効果が期待できます。

一方、育毛のために避けるべき主な食事は以下の通りです。

• 糖分や脂質が多い食事
• ファストフードや加工食品
• アルコール

これらの食事は頭皮の血行を悪くし、栄養バランスを崩してしまうため、育毛には逆効果です。

バランスの良い食事を心がけ、育毛に効果的な栄養素を積極的に摂取しましょう。

日頃のヘアケアのやり方を見直す

髪の毛の状態は、日頃のヘアケアによって大きく左右されます。誤ったヘアケアは髪の毛に必要以上にダメージを与え、薄毛や抜け毛の原因となる可能性があります。日頃のヘアケアを見直し、健康な髪を育みましょう。

日頃のヘアケアの中で見直したいポイントは以下です。

• シャンプー
• トリートメント
• ドライヤ―

洗浄力の強いシャンプーは、頭皮の必要な皮脂まで取り除いてしまう可能性があります。頭皮の状態に合った、低刺激なシャンプーを選びましょう。

また、ドライヤーを長時間同じ場所に当て続けると、髪の毛が乾燥してダメージを受けてしまいます。冷風と温風を交互に使用したり、ドライヤーを頭皮に近づけすぎないように注意しましょう。

参考：大正製薬

頭皮マッサージを行う

頭皮マッサージは頭皮全体の血行を促進し、髪の毛の成長に必要な栄養を送りやすくします。その結果、髪の毛が生える確率を高める効果が期待できます。

頭皮マッサージは毛穴詰まりの解消やリラックス効果も期待できるので、薄毛以外にも効果的です。ただし、やり方が誤っていると効果が得られないだけでなく、頭皮を傷つけてしまう可能性もあります。

正しい方法で行い、頭皮の血行を促進し、髪の毛が生える確率を高めましょう。

髪を生やすなら早めに対策を行うのが有効

確実に髪の毛が生える方法は存在しません。しかし、効果が出やすくなるようにはたらきかけることで、生やす確率を高めることは可能です。

ただし、どのような方法でも効果が出にくい場合や、期待外れになる可能性があり、髪の毛が生えるまでには時間がかかります。そのため、焦らずにじっくり取り組むことが大切です。