「急に髪が細くなった気がする」「髪の毛を太くする方法を知りたい」と悩む方は多いでしょう。

髪の毛が細くなる原因は遺伝や老化、ストレスなどです。髪の毛が細くなったと感じる方は、薄毛が進行しているかもしれません。

ただし、生活習慣やヘアケアの見直しで、細くなった髪の毛は太くなる可能性があります。セルフチェックで髪の状態が気になる場合は、専門家への相談がおすすめです。

本記事では、髪の毛が細くなったと感じる原因を解説します。髪の毛を太くする方法も紹介するので、最近髪の細さが気になりだした方は参考にしてください。

本当に髪の毛が細くなったかをまずはセルフチェック

髪の毛が細くなったと感じていても、気のせいである可能性があります。まずは一般的な髪の毛の太さを知って、セルフチェックしてみましょう。

日本人の標準的な髪の毛の太さは、0.06～0.09ミリ（60～90ミクロン）といわれています。

髪の毛の細さをセルフチェックする際は、10～15cm程度の髪の毛を1本用意してください。髪の毛の端を指で挟み、地面と水平になるように持ち上げます。

このときに、太い髪の毛であれば水平な状態を維持しやすいです。しかし、細い髪の毛では重力の影響を受けて、アーチ上に毛先が垂れ下がります。

正確な髪の毛の太さを知りたい場合は、毛髪診断士に診てもらいましょう。

参考 安全タイプ（Yesの数が３つ以下）｜全国理容生活衛生同業組合連合会

髪の毛が細くなったと感じる方に多い原因

髪の毛が細くなったと感じる原因には以下の5つがあります。

• 加齢・老化
• 生活習慣の乱れ
• ダメージの大きい髪型・誤ったヘアケア
• ストレス過多
• 遺伝

加齢・老化

若い頃は髪の毛が太く丈夫でも、加齢・老化が原因で細くなる場合はあります。

髪の毛を太く丈夫に成長させるには、頭皮に十分な栄養を供給することが必要です。しかし、加齢により血管が老化すると、血流が弱まり頭皮まで栄養が届きにくくなります。

また、加齢・老化に伴ってホルモンの分泌量が減ったりバランスが変化したりするのも、髪の毛が細くなる原因の一つです。睡眠時に出る成長ホルモンの分泌量が減ると、丈夫な髪の毛が生えにくくなります。

さらに女性の場合、加齢とともに女性ホルモンの分泌量が減ると、相対的に男性ホルモンの割合が増えて薄毛が進行しやすくなる点も知っておきましょう。

加齢・老化が原因で髪の毛が細くなるのは自然なことですが、生活習慣が乱れている場合に進行がより早くなる方もいるので要注意です。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れが原因で、髪の毛が細くなるケースもあります。特に、睡眠不足や運動不足、栄養不足などの自覚がある方は注意が必要です。

太い髪の毛を作るには、眠っている間に分泌される成長ホルモンが欠かせません。しかし、睡眠不足では十分な成長ホルモンが分泌されず、髪の毛が細くなる可能性はあります。

運動不足で血行不良の場合は、髪の毛の成長に必要な栄養を頭皮まで供給されません。また、過度なダイエットにより、栄養自体が不足している方もいます。

太く丈夫な髪の毛の方でも生活習慣の乱れが蓄積されて、徐々に症状が現れる可能性があるので注意してください。

ダメージの大きい髪型・誤ったヘアケア

ダメージの大きい髪型や誤ったヘアケアも、髪の毛が細くなる原因です。

例えば、頻繁なヘアカラーやパーマは頭皮だけでなく、髪の毛にもダメージを与えます。特にブリーチはダメージが大きいので、髪の毛が細くなったと気になる方は控えてください。

また、日頃からヘアケアをしていない方や、誤った方法で続けている方も注意が必要です。肌に合わないシャンプーを使っていたり、濡れた髪を乾かさずに放置したりすると、髪へのダメージが蓄積されます。

ダメージの大きい髪型や誤ったヘアケアに心当たりがあるなら、今すぐに見直しましょう。

ストレス過多

ストレス過多になると薄毛が進行し、太く健康な髪の毛が生えにくくなる場合があります。

過度なストレスは自律神経が乱れる原因の一つです。自律神経が乱れると血管が収縮して、頭皮に栄養が届きにくくなる可能性があります。

髪の毛は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」の毛周期を経て成長します。しかし、ストレスで毛周期が乱れて、髪が太く育つ前に抜ける場合があるので注意が必要です。

仕事や人間関係が原因でストレスを受けている方は、これ以上溜め込まないように環境を変える・解消する方法を見つけるなど手軽にできる工夫を施しましょう。

参考 男性型脱毛症と育毛有効成分

遺伝

髪の毛が細くなる原因の一つに、生まれつきや遺伝によるものが考えられます。両親や祖父母の髪の毛が細い場合、遺伝が原因で細くなる可能性が高いです。

髪の毛の太さは先天的に決まっているため、太くするのは難しい場合があります。特に、親族に薄毛・脱毛症の方がいる場合は注意が必要です。今は丈夫で健康な髪の毛に見えても、髪の毛が細くなるリスクは他の方よりも高くなります。

親族に髪の毛が細い方がいるなら、進行する前に対策を始めることが有効です。

細くなった髪の毛を太くする方法

細くなった髪の毛は、生活習慣やヘアケアの改善で太くできる場合があります。細くなった髪の毛を太くする方法は以下の通りです。

• 生活習慣を見直す
• 育毛剤を利用する
• ストレスを改善する

生活習慣を見直す

細くなった髪の毛を太くするために、まずは生活習慣を見直しましょう。

太く丈夫な髪の毛を育てるには、成長ホルモンが必要です。成長ホルモンは、眠りについてから2～3時間で分泌が始まるといわれています。そのため、忙しくて睡眠時間が少ない方でも、最低6時間は確保してください。

また、正常な毛周期には十分な栄養も欠かせません。現代人はコンビニ弁当やファストフードを摂る機会が多く食生活が乱れやすいので、バランスの良い食事を選ぶ意識が必要です。

さらに適度な運動を習慣化すれば、頭皮の血行不良が改善されて栄養が届きやすくなります。ストレスの解消にもつながるので一石二鳥です。

参考 健康づくりのための睡眠ガイド2023｜厚生労働省

育毛剤を利用する

細くなった髪の毛を太くするには、日頃のヘアケアで育毛剤を利用するのがおすすめです。

育毛剤には、頭皮の血行促進や保湿により頭皮環境を整えるはたらきがあります。ドラッグストアでリーズナブルな価格にて購入できるため、誰でも始めやすいヘアケア方法です。

日頃のヘアケアに育毛剤を取り入れれば、頭皮のかゆみやフケを防ぎ健康な髪の育成が期待できます。

ただし、育毛剤にはすでに減った髪の毛を新たに生やす効果は見込めません。薄毛が進行している方は、専門家に相談して症状に合わせた治療を受けましょう。

参考 厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

ストレスを改善する

過度なストレスは髪の毛の成長に悪影響を与えます。ストレスが溜まっていると感じる方は、周辺環境の改善や解消方法の発見に取り組みましょう。

現代人はストレスを受けやすい環境にいるため、完全に排除することは難しいです。しかし、ストレスを軽減できれば、髪の健康な成長が期待できます。

ストレスを解消するにはリラックスして過ごせる時間をとったり、趣味を楽しんだりするのがおすすめです。また、軽い運動にもストレス軽減が期待できる他、血行を良くするので髪の毛が健やかに育ちやすい頭皮環境の改善につながります。

細くなった髪の毛を太くしたい方は、意識してストレス環境の改善と解消に取り組みましょう。

10代・20代でも急に髪の毛が細くなることはある？

一般的に、若い方の髪の毛は太く健康であることが多いですが、10代・20代でも急に髪の毛が細くなる可能性は十分にあります。

若い方の髪の毛が急に細くなる原因は以下のとおりです。

• ストレス
• 生活習慣の乱れ
• ヘアケアの怠り
• 髪を抜く・頭をかく等の癖

これらの原因が髪に悪影響を及ぼすと、年齢に関係なく細くなることがあります。思い当たる節がない場合は、遺伝が原因とも考えられるでしょう。

また、薄毛の進行には個人差があり、若い頃から発症する方も一定数います。さらに、髪を抜いたり頭をかいたりと頭皮・毛髪への刺激を加える癖も、髪を弱々しくする原因になりやすいです。

髪の毛が細くなったと感じたら、すぐに対策を始めることが大切です。

細くなった髪の毛は対策しても太くならない可能性が一定ある

細くなった髪の毛は、対策しても太くならない可能性があります。

生活習慣の乱れやダメージの大きい髪型、誤ったヘアケアにより髪の毛が細くなっている場合、原因を解消することで改善が見込めるケースが多いです。

一方で、細くなった髪の毛を改善できない可能性も一定あります。例えば、毛周期が乱れたことで弱った髪の毛の場合、元に戻すのは難しいです。

髪の毛の成長・回復には毛周期という髪の毛が生え変わる周期が関わります。髪の毛は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」の4段階を繰り返しますが、毛周期が乱れると休止期が長くなり、全体的に髪の毛が細くなります。

さらに加齢も影響すると、対策をしても細くなった髪の毛が元に戻りにくくなるので注意してください。

参考 男性型脱毛症と育毛有効成分

急に髪の毛が細くなった方は脱毛症かも？考えられる症状を紹介

急に髪の毛が細くなった方は薄毛が進行し、脱毛症を起こしている可能性があります。考えられる病気は以下のとおりです。

• AGA（男性型脱毛症）・FAGA（女性男性型脱毛症）
• 円形脱毛症
• 粃糠性脱毛症・脂漏性脱毛症
• びまん性脱毛症

AGA（男性型脱毛症）・FAGA（女性男性型脱毛症）

AGA（男性型脱毛症）・FAGA（女性男性型脱毛症）が原因で、急に髪の毛が細くなる場合があります。

AGAは成人男性特有の脱毛症で、生え際や頭頂部の薄毛が進行するのが特徴です。また女性に起こりやすい脱毛症をFAGAと呼び、女性の場合は頭髪全体に薄毛の進行が見られます。

AGAやFAGAは、テストステロンが変性したジヒドロテストステロン（DHT）が原因です。ジヒドロテストステロンの影響で毛周期が乱れると、髪の毛が太く育つ前に抜けやすくなります。

AGAやFAGAの前兆で、急に髪の毛が細くなる場合があるので一つの可能性として注意しておきましょう。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

円形脱毛症

円形脱毛症の症状で、急に髪の毛が細くなる可能性も考えられます。

円形脱毛症とは、円形や楕円形に髪の毛が抜ける脱毛症です。10円玉サイズの脱毛が起こるものから、複数箇所の脱毛や頭部全体に広がるものまでさまざまなケースがあります。

円形脱毛症の原因は自己免疫疾患やアトピー性疾患、遺伝などです。また、円形脱毛症には特に前触れがなく、気づいた時には地肌が見えるほど髪の毛が抜けています。

円形脱毛症の場合、脱毛部分が破壊されているわけではないので、治療によって症状を改善しやすいのが特徴です。

参考 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン

粃糠性脱毛症・脂漏性脱毛症

粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症でも、急に髪の毛が細くなる場合があります。

粃糠性脱毛症とは、皮脂の過剰分泌による大量のフケが原因で起こる脱毛症です。乾燥した大量のフケが毛穴をふさぐことで頭皮環境が悪くなり、脱毛の症状が現れます。原因はシャンプーのすすぎ残しや、頭皮に合わない整髪料の使用です。

また、脂漏性脱毛症では皮脂が過剰に分泌されることで頭皮が皮膚炎になり、頭皮環境が悪化することで脱毛が起こります。

皮脂の過剰分泌やフケの発生とともに髪の毛が細くなった場合は、粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症の可能性があります。

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症も、急に髪の毛が細くなる原因の一つです。

びまん性脱毛症になると、広範囲に薄毛が広がります。髪のボリュームが減ったり、分け目が目立ったりするのが特徴です。女性に多い脱毛症ですが、男性でも発症するケースがあります。

びまん性脱毛症は、エストロゲンの減少で男性ホルモンが相対的に多くなることが原因です。この他には、生活習慣の乱れや過度なストレスもびまん性脱毛症の原因となります。

加齢に伴い発症することが多いので、早めの対策が重要です。また、20代などの若い女性でも発症する場合があるので注意しましょう。

髪の毛が細くなった原因には脱毛症以外の病気も考えられる

髪の毛が細くなった原因は、脱毛症以外の病気の可能性もあります。

• 甲状腺疾患
• 鉄欠乏性貧血

甲状腺疾患

脱毛症以外で髪の毛が細くなる原因としては、甲状腺疾患が考えられます。

甲状腺疾患とは、甲状腺の異常や障害により引き起こされる症状の総称です。具体的な病名にはバセドウ病や橋本病、単純性びまん性甲状腺腫などがあります。

甲状腺は髪の毛の発育に関係する器官です。甲状腺疾患になると甲状腺ホルモンのバランスが崩れ、抜け毛や薄毛の原因になります。

甲状腺疾患では、実際に生えている髪の毛の量が目で見てわかる程度に減るのが特徴です。甲状腺疾患を放置すると、脳や心臓などにも影響が出るので早めに医療機関を受診してください。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、髪の毛が急に細くなる可能性がある病気の一つです。

鉄欠乏性貧血は、赤血球内のヘモグロビンを構成する鉄の不足により起こります。赤血球が全身に十分な酸素を届けられず、倦怠感やめまいなどの症状を起こすのが特徴です。

鉄欠乏性貧血になると髪の毛の成長をサポートする細胞に酸素が送られず、髪の毛が弱く抜け落ちやすくなります。

日本人女性の約10％に貧血が見られ、そのほとんどを鉄欠乏性貧血が占めています。女性の場合は、月経過多や子宮筋腫などの病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。

脱毛症やその他の病気は改善が難しいので医師の治療を受けましょう

脱毛症やその他の病気は、簡単に自然治癒するものではありません。セルフケアでの改善は難しいので医師の治療を受けることが大切です。

脱毛症の主な症状は薄毛ですが、放置すると心身に影響を及ぼす可能性があります。例えば、薄毛の進行で見た目が気になると、人前に出るのが辛くなりうつ病を発症するかもしれません。

また、甲状腺疾患の中には放置することで、脳や心臓に影響を与える病気もあります。治療を受けずに重症化すると、命に危険が及ぶ可能性もあるので注意してください。

脱毛症やその他の病気は、早期発見・早期治療で改善が期待できます。症状が進行する前に医療機関を受診して医師の治療を受けましょう。

髪の毛が細くなったのが気になったら専門家へ相談するのがおすすめ

髪の毛が細くなったと感じるのには、加齢や生活習慣の乱れなどさまざまな原因があります。まずは、自分の髪の毛が標準よりも細いのかをセルフチェックしてみてください。

髪の毛が細くなりやすい原因に心当たりがある場合は、専門家に相談するのがおすすめです。早めに治療を開始すれば、症状の改善が見込めます。

また、生活習慣の見直しやストレス解消により、髪の毛が細くなる原因を取り除くことも大切です。

本記事を参考に改善に取り組んで、太く健康な髪の毛を目指しましょう。