髪の毛を早く伸ばすため、髪の毛にとって必要な食べ物が知りたいと思う方もいるでしょう。

髪の毛は日々の食事から摂取する栄養素をもとに作られるため、早く伸ばすためには成長を助ける栄養素が多く含まれた食品を意識的に摂取する必要があります。

本記事では髪の毛を早く伸ばすために摂取したい代表的な6つの食べ物（栄養素）や、おすすめのレシピを4つ紹介します。

また、髪の毛を早く伸ばすために食べ物以外で意識したいことも紹介するのでぜひ最後までご覧ください。

髪の毛にとって必要な食べ物や栄養素を摂取して、髪の毛を少しでも早く伸ばせるように工夫しましょう。

髪の毛を早く伸ばすために摂取したい代表的な食べ物（栄養素）を紹介

髪の毛を早く伸ばすために摂取したい代表的な食べ物は以下です。

• 大豆製品（豆腐・納豆・豆乳など）
• 卵・赤身肉・鶏肉・魚
• 海藻類（わかめ・こんぶなど）
• レバー・牡蠣
• ナッツ類（アーモンド・クルミ・カシューナッツなど）
• 葉物野菜（ほうれん草・ケール・コラードなど）
• にんじん

それぞれ詳しく解説します。

大豆製品（豆腐・納豆・豆乳など）

髪の毛を早く伸ばすために摂取したい食べ物の一つが豆腐や納豆、豆乳などのる大豆製品です。

大豆製品には髪の毛の成長に欠かせないアミノ酸やビオチン、イソフラボンが豊富に含まれています。

アミノ酸は髪の毛の主成分であるケラチンに再合成されるため、日々の食事からの摂取が欠かせません。

ビオチンはビタミンBの一種で、ケラチンの生成をサポートして髪の毛を強く成長させるはたらきが見込めます。切れ毛が気になる方は、ビオチンを含む食品を積極的に摂取してください。

イソフラボンには新陳代謝を活発にして、髪の毛にハリやコシを与えるはたらきが見込めます。AGAの原因となる5αリダクターゼのはたらきを阻害する作用もあるため、男性で薄毛が気になる方にもおすすめです。

大豆を手軽に摂取するには豆乳が便利ですが、飲みすぎるとホルモンバランスの乱れを招く恐れがあるため注意してください。

卵・赤身肉・鶏肉・魚

髪の毛を早く伸ばすためには、三大栄養素の一つであるタンパク質も必要です。

タンパク質は髪の毛を作る際の原料となるため、日々の食事に卵・赤身肉・鶏肉・魚などを取り入れてください。

卵にはアミノ酸をケラチンへ再合成する際に必要な亜鉛も多く含まれています。

魚にはエイコサペンタエン酸（EPA）やドコサヘキサエン酸（DHA）が多く含まれており、頭皮への血液循環をスムーズにする際に効果的です。

エイコサペンタエン酸はサーモンやサバに、ドコサヘキサエン酸はサンマやマグロなどに多く含まれています。

海藻類（わかめ・こんぶなど）

髪の毛を早く伸ばしたい方には、わかめやこんぶなど海藻類の摂取もおすすめです。

海藻にはビタミンB2・B6やミネラル、クロロフィルaなどが豊富に含まれています。

ビタミンB2・B6には皮脂の分泌量をコントロールするはたらきがあり、オイリー肌の方が頭皮環境を整える際に必要な栄養素です。

ヨウ素・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などのミネラルも豊富で、健康な髪の毛の成長をサポートします。

海藻の色素の一種であるクロロフィルaには、髪の毛の主成分であるケラチンの合成を促進するはたらきがあります。

レバー・牡蠣

レバーや牡蠣には、髪の毛の成長に欠かせない栄養素の亜鉛が豊富に含まれています。

髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られますが、食事から摂取したタンパク質はアミノ酸レベルに分解され、必要とされる身体の各所へ送られます。

頭皮に送られたアミノ酸は亜鉛のはたらきでケラチンへと再合成され、髪の毛を作る原料に変化するのです。

亜鉛は体内で合成できない必須ミネラルの一種であるため、日々の食事で継続的に摂取する必要があります。

ナッツ類（アーモンド・クルミ・カシューナッツなど）

アーモンド・クルミ・カシューナッツなどのナッツ類には、抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれています。

ビタミンEのはたらきで頭皮を酸化から守ると良好な頭皮環境が維持されるため、健康な髪の毛が育ちやすいです。

また、ビタミンEには血液の循環を促進するはたらきもあります。

頭皮に送られる血液の量が増えると、毛母細胞の分裂に必要な酸素や栄養素が十分に供給されます。

髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られますが、クルミに含まれるメチオニンは重要な構成要素の一つです。

さらにカシューナッツには亜鉛が多く含まれ、アミノ酸をケラチンへと再合成する際に重宝されます。

葉物野菜（ほうれん草・ケール・コラードなど）

髪の毛を早く伸ばすためには、ほうれん草・ケール・コラードなどの葉物野菜も欠かせません。

ほうれん草には毛母細胞の活性化をサポートする葉酸や、髪の毛や頭皮を老化から守るビタミンEが多く含まれています。

また、スーパーフードの一種で知られるケールは青汁の原材料としても有名で、頭皮環境の維持・改善に必要なミネラルやビタミンも豊富に含みます。

さらにコラードはアメリカの南部から南米を中心によく食べられている野菜で、キャベツやケールの仲間です。鉄分・ビタミン類（A・B・C）・カリウム・カルシウムをバランスよく含み、頭皮環境を良好に保ち健康な髪の毛を育てるのを助けます。

にんじん

緑黄色野菜の一種であるにんじんも、髪の毛を早く伸ばすために積極的に摂取したい食品の一つです。

ニンジンにはビタミン類（K・C・B6・B1・B3・B2）・βカロテン・食物繊維・カリウム・亜リン酸などが豊富に含まれます。

ビタミンAには頭皮に適度の脂質を供給するはたらきがあり、頭皮を乾燥から守りコンディションを良好に保つのに効果的です。

βカロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変化し、皮膚や粘膜の健康を維持したり、免疫力を高めたりする際に役立ちます。

にんじんに含まれる食物繊維には腸内環境を良好に保ち、新陳代謝を活発にするはたらきがあります。

髪の毛の成長に良い食べ物は食べ合わせ次第で効果が高まることもある

髪の毛の成長に良い食べ物は単体で摂取するよりも、バランスよく摂取することで髪の毛の成長をサポートする効果がさらに高まります。

ここでは、髪の毛を早く伸ばしたい方におすすめのレシピを4つ紹介します。

食べ合わせ（レシピ）	摂れる栄養素
牡蠣鍋 ①鍋に水4カップと鶏がらスープの素を大さじ2杯入れる ②煮立ったら白菜の芯、ニンジン、ネギ、シイタケ、牡蠣を入れる ③野菜と牡蠣に火が通ったら食べごろ	亜鉛 βカロテン ビタミンB群 食物繊維 鉄分など
にんじんしりしり ①ニンジンの皮をむき千切りにする ②フライパンにごま油を入れて熱し、ニンジンを炒める ③溶き卵を入れてにんじんと合わせ、塩で味を調える	亜鉛 βカロテン ビタミンB郡 食物繊維 タンパク質など
ほうれん草と鶏肉のグラタン ①スライスしたタマネギと、ひと口大にカットした鶏肉をフライパンで炒める ②タマネギと鶏肉に火が通ったら、ざく切りにしたほうれん草を炒め塩コショウで味を調える ③上記をグラタン皿に入れ、ホワイトソースをかけて200度のオーブンで7分ほど焼く	ビタミンE ビタミンC ビタミンA 鉄分 タンパク質 カルシウムなど
豆腐とわかめの味噌汁 ①鍋にお湯を沸かし沸騰したら火を止め、かつお節を入れて沈んだら取り出す ②再度だし汁を火にかけ豆腐とわかめを入れて煮る ③味噌を適宜溶かし入れる	タンパク質 イソフラボン ビオチン ビタミンB群 ミネラル クロロフィルaなど

牡蠣鍋はだし汁に味が付いているため、具材に火が通ればそのまま食べられます。

にんじんしりしりは、にんじん自体の甘みが強いため、塩で味を調える程度で十分です。

ほうれん草と鶏肉のグラタンを作る際にオーブンがなければ、電子レンジで適宜温め、魚焼きグリルで表面を焼く方法もあります。

豆腐とわかめの味噌汁を作る際には、だしの素を使うと調理を時短できます。

普段の食事で髪の毛の成長に良い栄養素が摂りきれないならサプリ等も活用しよう

髪の毛を早く伸ばすためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂取するのが基本です。

ただ、仕事が忙しいなどの理由で、普段の食事では髪の毛の成長に良い栄養素が不足しがちな方は、サプリメントやプロテインを利用する方法もあります。

サプリメントを選ぶ際にはテレビのコマーシャルや広告だけで判断せず、自分の目で原材料名や配合量などを確認してください。

プロテインはタンパク質を補う際に便利ですが、摂りすぎると栄養バランスが崩れ、かえって髪の毛の成長を妨げる恐れがあります。

あくまでも髪の毛の成長に必要な栄養素は日々の食事から摂取し、足りない分だけをサプリメントやプロテインで補いましょう。

髪の毛の成長を促進する食べ物は肌・爪などの健康にも良い

髪の毛の成長を促進する食べ物は、肌や爪などの健康を維持するためにも有益です。

髪の毛だけでなく肌もタンパク質から作られるため、日々の食事で良質なタンパク質を摂取すると、髪の毛の成長を促進するだけでなく、肌のコンディションを良好に保つことにもつながります。

爪も髪の毛と同様にタンパク質の一種であるケラチンから作られるため、髪の毛の成長を促進する食べ物を摂取すれば、爪の健康状態も維持できるでしょう。

髪の毛を第一に毎日の献立を考えると、肌や爪がきれいになるなど美容の面でも良い影響があると知っておいてください。

髪の毛を早く伸ばす食べ物の正しい選び方・摂り方は専門家へ相談しよう

ここまで、髪の毛を早く伸ばすために必要な食べ物やおすすめのレシピを紹介しました。

しかし、医薬品の飲み合わせがあるように食品には食べ合わせがあるため、選び方や摂り方によっては期待した効果を得られない可能性があります。

髪の毛を早く伸ばすための食事の正しい選び方を知りたい方は、栄養士などの専門家に相談するのがおすすめです。

栄養学の専門知識をもとに、あなたに合った食事の摂り方と、具体的なおすすめレシピなどを教えてもらえます。

他にも髪の毛の成長に寄与する改善策も提案してもらえるので、気になる方は一度相談してみましょう。

髪の毛を早く伸ばすために食べ物以外で意識したいこと

髪の毛を早く伸ばすためには、食べ物以外にも以下を意識してください。

• 食事以外の生活習慣を整える
• ヘアケアの方法が正しいか見直す
• 適度に息抜きしてストレス・疲労を解消する
• 頭皮・髪の毛の健康状態を維持する習慣を取り入れる

それぞれ詳しく解説します。

食事以外の生活習慣を整える

髪の毛を早く伸ばすためには、食事以外の生活習慣を整える必要があります。

髪の毛の成長に必要な栄養素を摂取していても、睡眠不足で吸収が妨げられては十分な効果が得られません。

運動不足や飲酒などが原因で血行不良を招くと、摂取した栄養素を頭皮に送り届けられなくなります。

喫煙習慣があるとビタミンCが破壊される上、肌細胞の酸化・老化が進みやすいです。

髪の毛の成長を促進するためには睡眠を約6〜8時間とり、日中の適度な運動で血行を促進しつつ、可能な限り飲酒や喫煙を控えましょう。

日中に適度に身体を動かすと、心地良い疲労が睡眠の質を高めてくれます。

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

厚生労働省「身体活動・運動」

亜鉛のはたらきと１日の摂取量｜公益財団法人 長寿科学振興財団

ヘアケアの方法が正しいか見直す

誤った方法でのヘアケアを続けている場合、髪の毛の成長を妨げている可能性があります。一度ケア方法を見直すことで、髪の毛を適切に保護し、早く伸びる一助になるでしょう。

髪の毛や頭皮の健康を保つためには、以下を意識してください。

• 肌質に合ったシャンプーを使う
• 指の腹でマッサージするように優しく頭皮を洗う
• 髪の毛を洗い終えたらドライヤーで適度に乾かす
• 頭皮専用のローションやオイルで保湿する
• 外出の際には頭皮専用の日焼け止めを塗布する

毎日洗髪しているにもかかわらず頭皮にかゆみが赤みが出る方は、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーに替えるのがおすすめです。

洗顔後に化粧水を塗るように、髪の毛を洗い終えたら専用のローションやオイルで保湿し、外出の際には日焼け止めを塗布して紫外線から頭皮を保護してください。

適度に息抜きしてストレス・疲労を解消する

ストレスや疲労の解消は、髪の毛や頭皮の健康を維持するのに大事な要素の一つです。

ストレスが蓄積すると自律神経のうち交感神経が優位に傾き、血行不良を招いて髪の毛の成長を阻害します。

疲労が蓄積すると身体の回復にエネルギーが使われるため、髪の毛の成長が後回しになる恐れがあります。

ストレスや疲労を完全に避けるのは難しいため、自分なりの息抜き法で適度に解消するのがおすすめです。

ストレスや疲労を簡単に解消する方法の一つが入浴です。

身体が温まりリラックスモードになると、副交感神経が優位に傾き身体の修復が促進されます。

睡眠の質を高める効果も期待できるため、可能な限り湯船につかって身体を温めてください。

頭皮・髪の毛の健康状態を維持する習慣を取り入れる

髪の毛を早く伸ばすためには、食事以外にも頭皮・髪の毛の健康状態を維持する習慣を取り入れる必要があります。

頭皮・髪の毛の健康状態を維持する習慣の一つが頭皮マッサージです。

頭皮マッサージを行うとストレスホルモンの一種であるコルチゾールを抑え、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を促進する効果が得られます。

頭皮マッサージのやり方は、上記の画像を参考にしてください。

育毛剤を使うと頭皮環境を良好に保ち、頭皮のかゆみや赤みを抑えたり、髪の毛の成長をサポートしたりする効果が見込めます。

育毛剤を使用する際には洗髪後にドライヤーで髪の毛を7割ほど乾かし、分け目部分に塗布して指の腹で頭皮に浸透させてください。

育毛剤を塗布した後にドライヤーで乾かす必要はありません。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

とにかく早く髪の毛を伸ばしたいと焦るのは禁物

髪の毛の成長を促す方法を試す間に、とにかく早く伸ばしたいと焦るのは禁物です。

1本の毛髪が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルといい、ヘアサイクルには休止期があります。

休止期の期間はおよそ3ヶ月半～9ヶ月と幅があります。

髪の毛を伸ばすためにどれだけ努力をしても、休止期にある髪の毛は伸びません。

とにかく早く髪の毛を伸ばしたい余りに焦ると、プレッシャーがかかってストレスになる可能性があります。

育毛剤の効果を実感するにもおよそ半年は必要なので、気長に取り組むのがポイントです。

髪の毛の伸び以外に弱々しさ・抜ける量の多さが気になる方は薄毛の可能性あり

髪の毛の伸びが遅いと感じる上、弱々しさや抜ける量の多さが気になる方は、脱毛症や抜け毛を伴う疾患にかかっている可能性があります。

代表的な脱毛症は以下の通りです。

• 男性型脱毛症（AGA）
• 脂漏性脱毛症
• 粃糠性脱毛症
• 円形脱毛症
• 牽引性脱毛症

また、以下の疾患に伴い抜け毛が増加するケースもあります。

• 甲状腺機能障害
• 全身性エリテマトーデス（SLE）
• 肝機能障害

脱毛症は自然治癒が困難なケースも多いため、発症が疑われる際には早めに医療機関を受診してください。

抜け毛を伴う病気に関しては心身の不調も見られることが多いです。

何らかの不調に伴い抜け毛が増えている方は、速やかに内科を受診する必要があります。

髪の毛の成長を促進する食べ物を摂って伸びの変化に期待しよう

髪の毛を早く伸ばすためには、髪の主成分であるタンパク質やケラチンを合成する際に必要な亜鉛、クロロフィルa、頭皮環境を良好に維持するビタミン群、ミネラルなどをバランスよく摂取するのがポイントです。

髪の毛の成長を促進する食べ物を効率よく摂取するには鍋料理がおすすめです。

日々の食事で髪の毛の成長に必要な栄養素が不足しがちな方は、サプリメントやプロテインを利用する方法もあります。

ただし、髪の毛の成長には食事だけでなく適度な睡眠や運動、ストレスの発散も重要な上、ある程度の期間は継続することが必要だと知っておいてください。

毎日の食事から髪の毛の成長を促進する栄養素を摂取しつつ、伸び方の変化を気長に待つゆとりを持ちましょう。