抜け毛や薄毛が気になる方にとって、育毛シャンプー選びは重要です。自分に合った育毛シャンプーを選べば、丈夫な髪の毛が育ちやすい頭皮環境を整えられます。

しかし「育毛シャンプーに効果はあるの？」「使っても意味がないのでは？」などの疑問を抱える方もいるでしょう。

たしかに育毛シャンプーの使い方を誤ると、逆効果になる可能性もあります。そのため選び方や使い方を把握することが大切です。

本記事では、育毛シャンプーの効果について解説します。市販でも薄毛予防ができる選び方や使い方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

育毛シャンプーは髪の毛・頭皮へポジティブな効果が見込める

育毛シャンプーを適切に使用すると、髪の毛・頭皮へのポジティブな効果が見込めます。そのため、抜け毛や薄毛が気になる方は、頭皮ケアに育毛シャンプーを取り入れるのがおすすめです。

ただし育毛シャンプーは発毛剤とは異なり、医薬部外品です。育毛シャンプーに発毛効果はないため、注意してください。

ここでは、育毛シャンプーの使用で期待できる効果を解説します。

• 洗髪による刺激を抑える・乾燥を防ぐ
• 頭皮環境を正常化する
• 髪の毛のハリ・コシを取り戻す

参考 化粧品・医薬部外品等ホームページ｜厚生労働省

洗髪による刺激を抑える・乾燥を防ぐ

育毛シャンプーを使用することで、洗髪による刺激を抑えて頭皮の乾燥を防げます。

一般的なシャンプーと比べて、育毛シャンプーは低刺激で高い保湿力を持つのが特徴です。洗浄力が強いシャンプーよりも刺激が少なく、頭皮へのダメージも軽減されています。

頭皮の皮脂を落としすぎずバリア機能を守れるため、シャンプー後に頭皮が乾燥するのも防げます。また、適度に皮脂を落とすのでベタつきや臭いの発生を抑えます。

洗浄力の高いシャンプーを使っていて頭皮の乾燥を感じる方は、育毛シャンプーに変えてみましょう。

頭皮環境を正常化する

常在菌のバランスが崩れた状態の頭皮環境を正常化できることも、育毛シャンプーに期待できる効果の一つです。

ヒトの皮膚には、肌のバリア機能を正常化する常在菌が存在します。しかし、何らかの影響で常在菌のバランスが崩れると、頭皮が乾燥して薄毛の原因となるかもしれません。

AGA患者の頭皮には、粘土の高い皮脂成分である「トリグリセリド」が多いという研究結果があります。また、細菌や真菌が多く、常在菌のバランスが崩れていることも分かりました。

頭皮環境の悪化を改善するには、育毛シャンプーを使用して常在菌のバランスを整えることが大切です。

参考 男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

髪の毛のハリ・コシを取り戻す

髪の毛のハリ・コシを取り戻したい方にも、育毛シャンプーの使用がおすすめです。

髪の毛のハリ・コシがなくなる主な原因としては、主成分であるタンパク質や水分の減少、キューティクルのはがれなどが考えられます。

ハリ・コシがなくなると、髪の毛のボリューム減少にもつながります。髪の毛のボリュームが気になる場合は、潤いが失われているのかもしれません。

育毛シャンプーは保湿力が高く、髪の毛の潤いを取り戻す成分が含まれています。ハリ・コシがなくなったと悩む方も、育毛シャンプーを取り入れてみてください。

育毛シャンプーの効果のもととなる成分を確認

育毛シャンプーには、髪の毛の成長をサポートする成分が入っています。育毛シャンプーを選ぶ際は含まれる成分を確認しておきましょう。

例えば、グリチルリチン酸ジカリウムやノコギリヤシエキスには、AGAの原因となる5αリダクターゼを阻害するはたらきがあります。また、センブリエキスやt‐フラバノンは、髪の毛の成長促進に効果的です。

有効成分	見込まれる髪の毛・頭皮への効果
グリチルリチン酸ジカリウム	抗炎症・抗菌作用で5αリダクターゼを阻害する
イソプロピルメチルフェノール	殺菌・消臭効果がある
センブリエキス	血行を促進して毛乳頭細胞を活性化させる
アデノシン	毛周期の成長期を維持する
ノコギリヤシエキス	5αリダクターゼを阻害して、抜け毛を予防する
イチョウ葉エキス	血行促進・抗酸化作用に期待できる
ビタミンE	血行促進・抗酸化作用で頭皮環境を維持する
t-フラバノン	毛母細胞を活性化させ抜け毛を防ぐ

育毛シャンプーはドラッグストアなど市販の製品では意味がない？

ドラッグストアなどで市販されている育毛シャンプーでも、正しく使用すれば育毛効果が期待できます。自分に合った育毛シャンプーを選べば十分な効果が見込めるため、市販のものを使用して問題ありません。

ただし、専門家に相談して処方された育毛シャンプーの方が、有効成分の濃度が高い場合がほとんどです。肌質や頭皮の状態に合わせて良い製品を選んでもらえるため、市販の育毛シャンプーを使用するよりも高い効果が期待できるでしょう。

薄毛予防に効果的な育毛シャンプーを選ぶポイント

薄毛予防に効果的な育毛シャンプーを選ぶ際のポイントを解説します。

• アミノ酸系界面活性剤を含む製品である
• 自分の肌質・性別に合った成分バランスに調整された製品である
• 効果が実感できるまで中長期で使い続けられる値段である

アミノ酸系界面活性剤を含む製品である

薄毛予防に効果的な育毛シャンプーを選ぶには、成分のチェックが重要です。育毛効果を高めたいなら、アミノ酸系界面活性剤を含む製品を選んでください。

シャンプーには界面活性剤という洗浄成分が含まれており、洗浄力が強いものは頭皮に負担がかかる可能性があります。アミノ酸系界面活性剤が入った育毛シャンプーは髪の毛や頭皮に優しく、刺激を最小限に抑えられます。

一方、石油系合成界面活性剤が入ったシャンプーは手頃な価格で手に入りますが、洗浄力が強く頭皮にダメージを与える可能性があるため、選ばないようにするのが無難です。

自分の肌質・性別に合った成分バランスに調整された製品である

育毛シャンプーは、自分の肌質・性別に合った成分バランスに調整された製品であるかを確認してから選びましょう。

シャンプーが合うかどうかは、敏感肌・乾燥肌・脂性肌など肌質によって異なります。肌質によって必要な成分が異なるため、自分の肌質に合ったものを使うことが大切です。

肌質に合わない育毛シャンプーを使うと頭皮にダメージを与えたり、有効成分が頭皮に行き届かなかったりする可能性があります。

また、皮脂の量や肌質は性別によっても異なります。男性・女性別に製品が市販されているので、自分に合ったものを選んでください。

効果が実感できるまで中長期で使い続けられる値段である

育毛シャンプーを使用し、効果が実感できるまでには時間がかかります。高価な育毛シャンプーは高い効果があるように思えますが、値段がネックになり使い続けられなくなるかもしれません。

一般的に、育毛シャンプーの効果が出るまでには3～6カ月程度かかります。高い効果を求めて高価な育毛シャンプーを選ぶよりも、毎日正しく使い続けられるかを基準に選ぶことが大切です。

育毛効果が実感できるまで、毎日使い続けられる値段の製品を選びましょう。

効果的な育毛シャンプー選びに迷ったら専門家へ相談しよう

育毛シャンプーの選び方を知っていても、さまざまな種類があるため悩む方は多いでしょう。効果的な育毛シャンプー選びに迷ったら、専門家に相談するのがおすすめです。

専門家に相談すれば頭皮や髪の毛の状態をチェックして、自分に合った育毛シャンプーを紹介してくれます。敏感肌や脂性肌など頭皮の悩みを抱えている方でも、合わないシャンプーを選んでトラブルになる心配が少なくなります。

育毛効果に関わらずシャンプーの使用は一日一回が適切

育毛効果に関わらず、シャンプーの使用は一日に一回が適切です。一日に何度も使用すると、洗浄効果によって肌を守るための皮脂を洗い流してしまいます。

皮脂を落としすぎた頭皮はバリア機能が低下するため、乾燥や炎症を起こすかもしれません。シャンプーのしすぎで頭皮環境が悪くなれば、抜け毛や薄毛の原因となりえます。

育毛シャンプーには保湿成分が含まれていますが、過度な使用は髪の毛の潤い不足を招きます。育毛効果を見込むなら、髪の毛や頭皮をダメージから守るためにも一日一回の使用頻度を守ってください。

育毛シャンプーの効果を最大限生かすための洗い方・使い方

育毛シャンプーの効果を最大限生かすための洗い方・使い方を解説します。

• シャンプーを使う前にブラッシング・予洗いで大まかな汚れを落とす
• 使用するシャンプーの量はコイン大を目安にして「適量」を守る
• 力の入れ方を調整して頭皮をもみ込むように洗髪する
• 流し残しがないように十分にすすぐ
• 朝晩の2回洗髪するなら朝はお湯（水）だけで洗う

シャンプーを使う前にブラッシング・予洗いで大まかな汚れを落とす

シャンプーを使う前に、まずはブラッシングで髪の毛についたホコリを取り除きましょう。ブラッシングによって髪の毛の絡まりをほどけるため、洗髪時のダメージを軽減できます。

また、育毛シャンプーの有効成分を頭皮に行き渡らせるには、丁寧な予洗いが大切です。事前に髪の毛や頭皮の汚れを落としておくことで、皮脂汚れを浮かせやすくなります。

予洗いの際には、指の腹で頭皮をマッサージするようなイメージで汚れを落としましょう。

使用するシャンプーの量はコイン大を目安にして「適量」を守る

育毛シャンプーは、用法・用量を守って使用することが大切です。育毛効果を期待して使う量を増やすと、すすぎ残しの原因となるため注意してください。

洗髪時に使用するシャンプーの量は、コイン大が目安です。使用量が多いと過度な洗浄効果がはたらき、頭皮に必要な分の皮脂まで落としてしまいます。頭皮の乾燥や炎症が起これば、ダメージにつながりかねません。

また、シャンプーを頭皮に直接付けて泡立てると刺激になるので、手のひらで泡立ててください。

力の入れ方を調整して頭皮をもみ込むように洗髪する

シャンプーをしっかり泡立てたら頭皮を洗いますが、この時は力の入れ方を調整して、頭皮をもみ込むように洗髪しましょう。

髪の毛や頭皮の汚れを落とそうと、力を入れてゴシゴシと洗ってはいけません。力を

入れすぎた場合、頭皮へのダメージとなるので注意しましょう。

また、爪を立てて洗うと頭皮を傷つける可能性があります。痒い部分があっても爪を立てずに、指の腹で優しく洗うように意識してください。

マッサージするような感覚で洗えば、頭皮の血行促進につながるのでおすすめです。

流し残しがないように十分にすすぐ

頭皮を洗い終えたら、シャンプーが残らないよう丁寧にすすぎます。すすぎ残しがあると痒みやフケの原因になり、頭皮環境を悪化させるため注意してください。

十分な湯量と時間で、しっかりとすすぐことを意識するのが大切です。シャンプーは髪の毛の根本に残りやすいため、頭皮に直接シャワーをかけるようにすすぎましょう。特に耳の後ろや襟足などはすすぎ残しが多いので、念入りに洗い流してください。

また、すすぎに使うお湯が熱すぎると頭皮の乾燥を招くため、ぬるま湯（36～38℃）に設定しておきましょう。

朝晩の2回洗髪するなら朝はお湯（水）だけで洗う

朝晩の2回洗髪する習慣がある方はシャンプーの使用を夜のみにして、朝はお湯（水）だけを使って洗いましょう。

髪の毛や頭皮に優しい育毛シャンプーを使っていても、一日に2回も使用すると洗いすぎです。洗浄成分が過多になることで皮膚を守る油分まで落としてしまい、頭皮にダメージを与えます。

お湯や水だけを使った洗髪でも汚れの8割程度は落とせるので、シャンプーの使用は適切な頻度にとどめてください。

育毛シャンプーを使い続けて効果がないなら別に原因がある可能性が高い

育毛シャンプーを使い続けても効果が実感できず、薄毛が進行している場合は別の原因が考えられます。

継続的な育毛シャンプーの使用で薄毛や抜け毛の改善が見込めるのは、生活習慣をはじめとする改善の余地がある原因のみです。そのため、脱毛症や脱毛を伴う病気が原因の場合は、育毛シャンプーを使っても改善は難しいでしょう。

また、脱毛症や脱毛を伴う病気で自然治癒することはほとんどありません。セルフケアで対処すると、症状がさらに悪化する可能性もあります。

育毛シャンプーの効果を実感できない場合は、専門家に相談してできるだけ早く治療を始めましょう。

シャンプー前後で育毛に効果が見込める習慣を紹介

シャンプー前後で育毛に効果が見込める習慣を紹介します。自宅で簡単にできるケアなので、しっかりと押さえておきましょう。

• ドライヤーで十分に髪の毛を乾かす
• 髪の毛・頭皮を保湿する
• 育毛剤を使う
• 頭皮マッサージを行う

育毛シャンプーを使って洗髪した後に髪の毛が濡れた状態で放置すると、雑菌が繁殖する可能性があります。頭皮環境を整えるために、ドライヤーで十分に髪の毛を乾かしてください。

ドライヤーで髪の毛を乾かした後の頭皮は乾燥しやすいので、保湿成分が入った育毛剤を使ってケアするのがおすすめです。

また、育毛剤が頭皮に浸透した後は、頭皮マッサージを行いましょう。頭皮マッサージは血行不良の改善効果が期待できるため、丈夫な髪の毛が育ちやすい頭皮環境を整えられます。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

育毛効果のあるシャンプーを正しく使って髪の毛を健やかに保とう

毎日の洗髪に育毛効果のあるシャンプーを取り入れれば、頭皮環境の改善効果が期待できます。育毛シャンプーを正しく使用することで、十分な効果が見込めるでしょう。

ただし、誤った使い方で洗髪を続けると、乾燥や炎症を引き起こし、頭皮トラブルを招く可能性があります。育毛シャンプーの使い過ぎは逆効果になるので、用法・容量を守ってください。

また、生活習慣の乱れなど以外の原因で薄毛の症状が出ている場合、脱毛症や脱毛を伴う病気にかかっているかもしれません。育毛シャンプーを使い続けても改善は見込めないため、できるだけ早く専門家に相談するのがおすすめです。

本記事で紹介したポイントを押さえ、育毛シャンプーの使用で髪の毛や頭皮の健康を維持しましょう。