「育毛剤って効果があるの？」「注意点やデメリットは？」

上記のような不安があり、育毛剤の使用をためらっている方もいるでしょう。

育毛剤は、薄毛や抜け毛を予防し、健康的な髪の毛を育てるための効果的な手段です。適切に使用すれば髪の毛の成長を促進し、健康的な頭皮環境を維持できます。

有効成分を含む育毛剤を継続的に使用することで、育毛効果を実感する方もいます。しかし、使用方法や育毛剤選びを誤るとトラブルや後悔につながるため注意が必要です。

本記事では、育毛剤の効果や使用法まで、薄毛や抜け毛の悩みを解決するための情報をお届けします。育毛剤を試したことがない方や育毛剤を使ってみたけど効果が感じられなかったという方は、ぜひ参考にしてください。

育毛剤とは？発毛剤との違いに焦点を当てて解説

育毛剤には頭皮の血行を改善し、髪の毛の健康を保つ成分が含まれています。これにより髪の毛の成長を促し、抜け毛を防ぐのが特徴です。

育毛剤と発毛剤はどちらも薄毛や抜け毛対策に用いられますが、その効果や分類は異なります。

育毛剤は医薬部外品に分類され、今ある髪の毛を強くする作用や抜け毛を防ぐ作用があります。また発毛剤は医薬品に分類され、新しい髪の毛を生やす効果が代表的です。

医薬品は病気の治療を目的とした製品である一方、医薬部外品は病気の予防や衛生を目的としています。

そのため、育毛剤は医薬品のように発毛効果が保証されてはいません。しかし、頭皮ケアの一環として使用することで髪の毛の健康維持や抜け毛予防に役立ちます。

参考 化粧品・医薬部外品等ホームページ｜厚生労働省

育毛剤に見込める効果

育毛剤に見込める主な効果は以下の3つです。

• 今ある髪の毛を健康な状態に保つ
• 頭皮環境を改善する
• 抜け毛・薄毛を予防する

今ある髪の毛を健康な状態に保つ

育毛剤の主な効果の一つは、今ある髪の毛を健康に保つことです。これは、髪の毛に必要な栄養分を供給し、髪の構造を強化することで実現されます。

例えば、センブリエキスやクララエキスを含む育毛剤を使用することで、髪のツヤや弾力が改善されることがあります。また、塩酸ジフェンヒドラミンやD-パントテニルアルコールは頭皮環境の改善に効果的です。

育毛剤を継続的に使用することで、今ある髪の毛をより健康で美しい状態に保てます。

頭皮環境を改善する

育毛剤の効果には、頭皮環境の改善も挙げられます。髪の毛の成長には、清潔で栄養豊富な頭皮環境が欠かせません。

育毛剤に含まれる成分が頭皮の血行を促進し、余分な皮脂を取り除くことで、毛穴を清浄に保ちます。

頭皮が乾燥している・皮脂が過剰に分泌されている状態だと、髪の毛の成長が阻害されやすいです。そこで育毛剤で頭皮環境を整え、髪の毛の成長を促進させる仕組みです。

抜け毛・薄毛を予防する

育毛剤は、抜け毛や薄毛の予防にも効果を発揮します。これは、育毛剤に含まれる有効成分が毛根に直接作用し、髪の成長サイクルをサポートするためです。

育毛剤の中には、抜け毛の原因となるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑制する成分が配合されているものもあります。育毛剤を継続的に使用することで、抜け毛を減らし、薄毛の進行を予防できる可能性が高まります。

育毛剤の効果が出るまでにかかる期間の目安

育毛剤の効果が現れるまでには、少なくとも数ヶ月から半年程度かかります。これは、髪の毛の成長サイクル（ヘアサイクル）の関係です。

髪の毛は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」を経て、約2〜6年かけて生え変わります。体質や頭皮の状態によっても効果に個人差が出るため、即効性を期待するのは難しいでしょう。

育毛剤を使用し始めてから1ヶ月程度では、頭皮環境が整う段階に留まります。しかし、3ヶ月以上の継続使用で、抜け毛の減少や髪のボリュームアップなどの効果が徐々に現れる可能性があります。

育毛剤の効果を得るために重要なのは、焦らず継続的に使用することです。すぐに効果が見られなくても、数ヶ月から半年程度続けることで、育毛剤の真の効果を実感しやすくなります。

育毛剤に含まれる主な成分

育毛剤には、主に以下の3つの役割を担う成分が含まれています。

• 抜け毛を予防する役割
• 頭皮環境を改善する役割
• 健康な状態で髪の毛を成長させる役割

抜け毛を予防する役割

クララエキス	抗菌作用、血行促進作用
センブリエキス	育毛作用、血行促進作用

クララエキスとセンブリエキスは、抜け毛予防に効果的な成分として注目されています。主なはたらきは、頭皮環境を改善して健康な髪の成長をサポートすることです。

クララエキスは頭皮の血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果があります。センブリエキスのはたらきは、抗炎症作用による頭皮のトラブルの抑制です。

頭皮環境を改善する役割

ニコチン酸アミド	血行促進作用
グリチルリチン酸ジカリウム	抗炎症作用、抗アレルギー作用

ニコチン酸アミドとグリチルリチン酸ジカリウムには、頭皮環境を改善し、髪の毛の健康をサポートする効果があります。

ニコチン酸アミドの主な作用は血行促進作用です。頭皮に十分な栄養を届けることで、髪の毛の成長をサポートします。グリチルリチン酸ジカリウムには抗炎症作用があり、頭皮の炎症やフケ、かゆみを抑え、頭皮環境を改善します。

ニコチン酸アミドの育毛効果に関しては複数の臨床研究が行われており、髪の毛の成長を促進することが確認されています。ただし、効果の出方には個人差があるため、まずは継続的に使用することが重要です。

健康な状態で髪の毛を成長させる役割

D-パントテニルアルコール	抗炎症作用、抗アレルギー作用、血行促進作用
トコフェロール酢酸エステル	血行促進作用、抗酸化作用

D-パントテニルアルコールとトコフェロール酢酸エステルは、健康的な髪の毛の成長を促進する重要な成分です。これらの成分は多くの育毛剤に配合されており、髪の成長をサポートします。

D-パントテニルアルコール（ビタミンB群の一種）には細胞の代謝を促進し、髪の毛の成長を助けるはたらきがあります。トコフェロール酢酸エステル（ビタミンE誘導体）は、抗酸化作用を持ち、頭皮や毛根のダメージを防ぐ成分です。

ある研究では、D-パントテニルアルコールには毛母細胞を活性化させる効果があり、髪の毛の生成を促進して抜け毛を抑えるはたらきがあることがわかっています。

参考：5 種の有効成分を配合した薬用育毛剤による頭皮と毛髪への改善効果

育毛剤を使い始めるのがおすすめな人の特徴

以下の悩みがある方は、育毛剤の使用をおすすめします。

• 髪の毛のボリューム低下が気になっている
• 最近髪の毛が細くなった・弱々しくなったと感じる
• 抜け毛・薄毛を早くから予防しておきたい

抜け毛の増加や髪のボリューム低下、弱りが気になっている方は、育毛剤を使い始めるべきタイミングかもしれません。シャンプー時に以前より多くの髪が抜けている、頭頂部や生え際の髪が薄くなってきたと感じたら、育毛剤を使ってみましょう。

また、育毛剤は抜け毛や薄毛の予防に早くから取りかかりたい方にもおすすめです。育毛剤には、今ある髪の毛の健康を維持したり強くしたりする効果が期待できます。

【タイプ別】育毛剤の正しい使い方

育毛剤にはローションタイプとスプレータイプがあります。それぞれの使い方の手順は以下の通りです。

ローションタイプ	スプレータイプ
髪の毛をしっかりと乾かす頭皮全体にローションを塗布最後に全体を押し込むようにマッサージドライヤーで乾かしたら完了	頭皮から5〜10cm離すエリアごとに数回に分けて噴射する噴射した部位を揉み込む両手で頭皮全体になじませる

育毛剤は、タイプに応じた使い方をすることで効果を最大限に引き出せます。

ローションタイプは髪の毛が乾いた状態で頭皮に直接塗布し、指の腹でマッサージするようになじませるのが効果的です。スプレータイプは頭皮から5〜10cmほど離し、エリアごとにスプレーしましょう。

タイプ別の使用方法を確認し、正しく使用することでより効果的な育毛ケアができます。

育毛剤の効果を引き出すためのコツ

育毛剤の効果を引き出すための4つのコツを紹介します。

• 用法・用量を守って使う
• 頭皮が清潔で乾いた状態にしてから使う
• 数ヶ月～半年は最低でも使い続ける
• 頭部の血行を促進する習慣と並行して使う

用法・用量を守って使う

育毛剤の効果を最大限に引き出すためには、用法・用量を守って使用することが重要です。

育毛剤は、適切な量を使用することで頭皮に必要な成分が浸透します。効果を求めて一度にたくさんの量を使用したり頻度を上げたりすると、逆効果になりやすいので注意しましょう。

一方、使用量が少なすぎても十分な効果が得られません。

用法・用量を守ることで育毛剤の効果を最大限に引き出し、頭皮への負担を最小限に抑えられます。製品の説明書をよく読み、適切な量を正しいタイミングで使用しましょう。

頭皮が清潔で乾いた状態にしてから使う

育毛剤を塗布する前は頭皮を清潔にし、完全に乾かしておきましょう。頭皮に皮脂や汚れが付着していると育毛剤の成分が頭皮に浸透しにくくなり、効果が期待できません。

例えば、シャンプー後に濡れた状態で育毛剤を使用すると、頭皮に残った水分で育毛剤が薄まり、効果が現れにくくなってしまいます。また、起床時は余計な汗や皮脂を軽く洗い流してから使用しましょう。

育毛剤は頭皮が清潔かつ乾いた状態で使うことで効果を最大限に引き出せます。

数ヶ月～半年は最低でも使い続ける

育毛剤の効果を感じるためには、数ヶ月から半年以上継続して使用する必要があります。これは、毛周期（ヘアサイクル）が約2〜6年と長いためです。

多くの臨床試験では、効果を検証するために3〜6ヶ月の期間を設けています。効果が現れないからといって自己判断で使用を中止せず、最低でも半年は継続することが大切です。

個人差はありますが、育毛剤を使用してから3ヶ月程度で頭皮環境の改善を感じ、6ヶ月以降で目に見える変化を実感する方が多いです。継続して使用することで育毛剤の効果を最大限に引き出しやすくなります。

頭部の血行を促進する習慣と並行して使う

育毛剤の効果をさらに高めるためには、頭部の血行を促進する習慣を並行して身につけることがおすすめです。頭皮の血行が良くなると毛根に栄養が行き渡りやすくなり、育毛促進の効果が期待できます。

育毛剤を塗布した後に指の腹を使って頭皮全体を優しくマッサージすることで、血行が促進されます。また、適度な運動や栄養バランスの良い食事、十分な睡眠も全身の血行を促進するため、頭皮や髪の毛の健康にも好影響です。

抜け毛や薄毛を防ぐためには、育毛剤の使用だけでなく生活習慣の見直しも大切です。

育毛剤を使う上で知っておきたい注意点

育毛剤を使用する際には、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。

まずは、育毛剤の効果には個人差があることを理解しておくことが重要です。遺伝的要因や生活習慣は一人ひとり異なるため、すべての人に同じ効果が期待できるわけではありません。

また、育毛剤に含まれる成分に対してアレルギー反応が出る可能性もあります。事前にパッチテストを行うなどして慎重に判断しましょう。

最後に、育毛剤は医薬品ではなく医薬部外品であることを理解しておく必要があります。育毛剤を長期間使用しても改善が見られない場合や症状が悪化する場合は、専門家や医師のカウンセリングを受けましょう。

これらの注意点を踏まえて育毛剤を使用すると、安心して育毛ケアに取り組めます。

育毛剤の使い方に関してよくある質問

育毛剤の使い方に関してよくある質問に、以下で回答します。

• 育毛剤の使用に年齢制限はありますか？
• 発毛剤と併用してもいいですか？
• どのタイミングで使うのが良いですか？

Q.育毛剤の使用に年齢制限はありますか？

育毛剤の使用に明確な年齢制限はありません。これは、育毛剤が比較的安全性が高い医薬部外品に分類されているためです。

育毛剤は、髪の毛が気になる若年層（10～20代前半）でも使用できます。市販でも購入できるため、手軽に育毛ケアをしたい方におすすめです。

ただし、小児への使用に関しては注意が必要です。また、妊娠中や授乳中の方は事前に医師に相談しましょう。

Q.発毛剤と併用してもいいですか？

育毛剤と発毛剤との併用は、自己判断では行わないようにしましょう。

発毛剤を使用するためには医師の処方が必要であり、自分で取り寄せた発毛剤の使用には副作用のリスクがあります。

また、自己判断で育毛剤と併用すると過剰使用や成分どうしのバッティングのリスクもあるため、医師のカウンセリングを受けてから指示を仰ぐことが必要です。

場合によって育毛剤と発毛剤の併用が認められることもあるので、医師の指示に従って服薬を進めましょう。

Q.どのタイミングで使うのが良いですか？ 

育毛剤は清潔で乾いた頭皮に毎日使うのが効果的です。定期的に育毛剤の成分を補給することで育毛効果を維持できます。

頻度は1日1〜2回が目安です。1回はお風呂上がり、もう1回は朝の身だしなみを整えるタイミングで使用しましょう。

ただし、製品によって推奨される使用回数や時間が異なる場合があるので注意が必要です。適切な使用方法を守り、正しい育毛ケアを行いましょう。

育毛剤を正しく理解して適切に薄毛を予防しましょう

育毛剤は、薄毛や抜け毛の予防に効果的です。しかし、その効果を最大限に引き出すためには正しい理解と適切な使用が欠かせません。

育毛剤には頭皮環境を改善し、今ある髪の毛を健康に保つはたらきがあります。ただし、育毛剤の効果には個人差があり、即効性は期待できません。最低でも3〜6ヶ月は使用しましょう。

重要なのは育毛剤を正しく選び、適切に使用することです。育毛剤の選び方や使い方がわからない方、使っても効果が現れない方は、一度専門家や医師のカウンセリングを受けることをおすすめします。
育毛剤の正しい選び方や使い方を理解し、自信を持てる健康的な髪の毛を目指しましょう。