年齢とともに増える白髪は、誰にとっても悩みの種です。育毛剤を使えば白髪を予防できるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
実は、育毛剤は白髪の予防効果が期待できます。育毛剤は頭皮環境を整え、血行を促進することで白髪の予防に役立つとされています。しかし、育毛剤で完全に白髪をカバーできる訳ではありません。
この記事では、育毛剤の白髪予防への効果や、白髪が増える原因、白髪予防に効果的な育毛剤の選び方など、白髪対策に役立つ情報を解説しています。白髪の悩みを抱えている方はもちろん、将来的に白髪を予防したい方も、ぜひ参考にしてください。
育毛剤は白髪の予防に効果はある？タイプ別に紹介
白髪には以下の2つのタイプがありますが、どちらにも一定の予防効果が期待できます。
| タイプ | 毛髪の状態 |
| 休止型白髪 | 一時的にメラニン生成が止まっている |
| 欠失型白髪 | メラニン色素が作り出せない |
休止型白髪は、メラノサイトのはたらきが鈍り、一時的にメラニン色素の生成が停止している状態です。育毛剤でメラノサイトのはたらきを活性化すれば、メラニン色素の生成を促進し、白髪の予防効果が期待できます。
一方で欠失型白髪は、メラノサイト自体が減少または消失している状態です。育毛剤によって頭皮環境が改善し栄養が補給されることで、メラノサイトの消失を抑制し、白髪を予防できる可能性があります。
ただし、育毛剤の効果は健康な髪の毛を育てることであり、白髪の完全な予防はできないことも理解しておきましょう。
白髪の原因
白髪の原因は、主に以下の5つが挙げられます。
- 加齢
- 遺伝
- ストレス・血行不良
- 生活習慣の乱れ
- 病気・治療（薬）
ここからは、それぞれの白髪の原因について解説します。
加齢
白髪の一般的な原因は加齢です。年齢を重ねるにつれて、髪の毛の色素を生成するメラノサイトの機能が低下し、白髪が増えていきます。
メラノサイトは毛根にある色素細胞です。メラニン色素を生成し、髪に黒色を与えます。しかし、加齢とともにメラノサイトの機能が衰え、メラニン色素の生産量が減少すると、白髪が生えてくるのです。
一般的に、30代後半から体の老化とともにメラノサイトの機能が衰え始めるとされています。ただし白髪の進行は個人差が大きく、20代で白髪が生える人もいれば、60代になってもほとんど白髪がない人もいます。
遺伝
白髪の原因は遺伝も重要な要素の一つです。髪の色はメラニン色素によって決まりますが、メラニン色素の生成量は遺伝子によって個人差があり、白髪の発生にも影響を与えます。
メラニン色素の生成量が減少すると、白髪になりやすくなります。これは、遺伝によりメラノサイトの活動が弱くなることが原因です。
白髪に関する研究は進められていますが、完全には解明されていません。しかし、両親や祖父母に白髪が多い人は白髪になりやすい傾向があることから、遺伝の影響は無視できないと考えられています。
ストレス・血行不良
ストレスや血行不良は、白髪の増加につながる大きな要因です。ストレスは、交感神経を優位にし、血管を収縮させます。頭皮の血行が悪化すると、毛髪に必要な栄養素や酸素が行き渡らず、髪の成長が阻害されるのです。
さらに、血行不良はメラノサイトの機能低下を引き起こし、メラニン色素の生成量が減少します。メラニン色素は、髪に黒色を与える色素です。メラニン色素の生成量の減少は、白髪の原因となります。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、白髪を引き起こす可能性があります。偏った食生活やダイエットなどで、タンパク質、亜鉛、ビタミンなどの栄養素が不足すると、髪に必要な栄養素が不足し、白髪が生えやすくなります。
また、運動不足や喫煙、睡眠不足などは、血流を悪化させる生活習慣です。頭皮への血流が悪くなると、髪の毛に必要な栄養素や酸素が行き渡らなくなり、髪が成長しにくくなります。
バランスの取れた食生活は、頭皮の健康を維持し、白髪の予防に効果があります。髪の毛の主成分であるタンパク質の摂取は特に重要です。タンパク質が不足すると、髪の成長が阻害され白髪の発生リスクが高まっていくでしょう。
タンパク質以外にも、ビタミンやミネラルもバランス良く摂取することが大切です。ビタミンB群やビタミンC、亜鉛などは、頭皮の健康維持やメラニン色素の生成に役立ちます。
病気・治療（薬）
白髪は、加齢や遺伝などの一般的な原因以外にも、病気や治療・薬の影響で起こる場合があります。
悪性貧血や甲状腺機能低下症、腎不全などは、白髪の原因につながる病気です。これらの病気は、頭皮への血流を悪化させたり、メラニン色素の生成に関わる栄養素の吸収を阻害し、白髪の発生を促進します。
また、白髪が増えるといわれる治療や薬も存在します。もし、急に白髪が増えた、今まで白髪がなかったのに生えてきた場合は、病気や治療・薬が原因の可能性もあるので一度疑ってみましょう。
育毛剤が白髪の予防に効くといわれる理由
育毛剤は、以下の理由から白髪の予防に効くといわれています。
- 頭皮の血行を促進するから
- 頭皮環境を良好にするから
- 雑菌の繁殖を防ぐから
それぞれの理由を詳しく解説します。
頭皮の血行を促進するから
育毛剤を使用すると、頭皮の血行が促進され白髪の予防が期待できます。血行不良は、毛髪に十分な栄養が行き渡らず、メラノサイトの機能低下を引き起こすことが原因です。メラノサイトの機能が低下すると、メラニン色素の生成量が減少し、白髪へとつながります。
育毛剤は、頭皮の血管を拡張し、血流を改善する成分が含まれています。血流が改善され、メラノサイトの機能が活性化されると、白髪の予防が期待できるでしょう。
頭皮環境を良好にするから
頭皮の毛穴汚れは白髪の原因の一つと考えられているため、頭皮環境が整うと白髪の予防効果が期待できます。
毛穴が皮脂や汚れで詰まると頭皮環境が悪化し、髪に栄養が行き渡りません。
育毛剤には、頭皮の毛穴汚れを洗浄したり、皮脂分泌を抑制したりする成分が配合されているものがあります。継続した使用により、頭皮環境を改善・維持できれば、白髪の予防に役立つでしょう。
雑菌の繁殖を防ぐから
抗炎症作用のある成分が配合された育毛剤は、雑菌の繁殖を防ぐ効果が期待できます。頭皮は皮脂分泌が多く、雑菌が繁殖しやすい環境です。特に、皮脂分泌が多い人は、頭皮が炎症を起こしやすいといえるでしょう。
頭皮が炎症を起こすと、汗や毛穴汚れがたまりやすくなり、不衛生な状態になります。不衛生な頭皮環境は、毛髪が正常に育たない原因となり、白髪へとつながりかねません。
抗炎症作用のある成分が配合された育毛剤は、炎症を抑え頭皮環境を整えることで、白髪予防の効果が期待できます。
白髪の予防におすすめの育毛剤の選び方
ここからは、白髪の予防におすすめの育毛剤の選び方についてポイントを5つ紹介します。
- メラニン色素の生成効果が期待できる
- 血行を促進する効果が見込める
- 頭皮環境を改善する効果が見込める
- 頭皮への刺激が少ない
- 継続的に使っても家計に響きにくい
自分にあった育毛剤を見つけるために、ぜひチェックしてください。
メラニン色素の生成効果が期待できる
白髪の予防には、メラニン色素の生成の促進が期待できる成分が含まれた育毛剤を選びましょう。メラニン色素は、髪に黒色を与える色素であり、メラニン色素の生成量が減少すると白髪へとつながります。
メラニン色素の生成効果が期待できる成分は、以下が挙げられます。
| 成分 | 効果 |
| サンショウエキス | 血行促進や抗炎症効果により頭皮環境を改善し、メラニン色素の生成を促進する |
| ポップエキス | 頭皮の老化を防ぎ、メラニン色素の生成を促進する |
| マカ | 酵素の活性化を高め、メラニン色素の生成を促進する |
これらの成分が単独で配合されている育毛剤もあれば、複数の成分が配合されているものもあります。
複数の成分が配合されている育毛剤は、相乗効果によって、より効果的にメラニン色素の生成の促進が期待できるでしょう。
血行を促進する効果が見込める
血行促進効果のある育毛剤は、毛髪に栄養をしっかり届け、健康な髪を育むことで白髪予防に役立ちます。血行促進効果が期待できる成分は以下の通りです。
| 成分 | 効果 |
| センブリエキス | 頭皮の血行を促進し、健康な髪を育てる効果が期待できる |
| ナイアシンアミド | 血行促進効果と皮脂分泌抑制効果が期待できる |
| トコフェロール酢酸エステル | 血行促進効果と抗酸化作用が期待できる |
血行不良は、毛根への栄養不足やメラニン色素生成量の減少を招き、白髪の原因となります。血行促進効果のある育毛剤は、健康な髪を育てながら白髪の予防が期待できます。
頭皮環境を改善する効果が見込める
頭皮環境を改善する効果が見込める育毛剤を選ぶことも、白髪の予防に効果的です。頭皮環境が悪いと、毛髪に十分な栄養が行き渡らず、メラニン色素の生成が低下し、白髪が生えやすくなります。
血行促進効果が期待できる育毛剤は、頭皮の血流を改善し、毛髪に栄養を供給することで、白髪の予防に役立ちます。頭皮環境を改善する効果が期待できる成分は、以下が挙げられます。
| 成分 | 効果 |
| ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 頭皮の炎症を抑え、血行を促進する |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用や抗酸化作用により頭皮環境を改善し、血行を促進する |
| イソプロピルメチルフェノール | 頭皮の炎症を抑え、血行を促進する |
育毛剤は、頭皮環境を整えることで育毛効果が期待できます。効果を最大限に引き出すためには、毎日のシャンプーで頭皮の汚れをしっかりと洗い流すことも重要です。
頭皮への刺激が少ない
敏感肌やアレルギー体質の方は、頭皮への刺激が少ないものを選ぶことが重要です。アルコールなどの成分は、頭皮に刺激を与え、炎症やかゆみを引き起こす可能性があります。特に、敏感肌の方にとっては、アルコール系成分が含まれる育毛剤は刺激が強いこともあるので注意が必要です。
近年は、アルコールフリーの育毛剤も多く出てきました。無香料や無着色など、低刺激な製品も増えているので、選択肢として検討すると良いでしょう。
育毛剤を選ぶ際は使用前にパッチテストを行い、頭皮に異常が出ないか確認してから使用することが大切です。
継続的に使っても家計に響きにくい
育毛剤を選ぶ際は、効果はもちろんのこと価格も重要なポイントです。育毛剤は医薬部外品であり、即効性を期待することはできません。
効果を実感するには、3ヶ月以上の継続的な使用が必要となります。白髪対策は長期的な視点が求められるため、無理なく続けられる価格の製品を選びましょう。
高価な育毛剤でも効果が高いとは限りません。自分に合った成分が配合されているか、使いやすいかなども考慮して選びましょう。
誤った使い方で白髪が増える？育毛剤は用法・用量を守って使おう
育毛剤は用法・用量を守った使用が重要です。指定量を超えて使用したり、複数の育毛剤を自己判断で併用したりすると、効果が得られないだけでなく、頭皮トラブルを引き起こす可能性もあります。
誤った使い方で白髪が増えることは考えにくいですが、白髪予防に効果が得られないことは大いにあり得ます。
また、個人輸入した育毛剤を使用したり、自己判断で発毛剤やほかの薬と併用したりするのも危険です。成分によっては頭皮に過度な刺激を与えたり、アレルギー反応を起こしたりする可能性があります。
参考：厚生労働省
男性と女性で選んだ方がいい育毛剤に違いはある？
男性と女性では頭皮環境や育毛状況に違いがあるため、性別・年齢に合った育毛剤選びが大切です。
男性向け育毛剤は、男性ホルモンの影響を受けやすい頭皮環境を考慮した成分が配合されていることが多いです。女性向け育毛剤は、頭皮の乾燥や血行不良などの女性特有の悩みを改善する成分が配合されている傾向があります。
一般的には、育毛剤は男女兼用で使用できますが、より効果を実感したい場合は性別・年齢に合ったものを選ぶことをおすすめします。
白髪を予防するために育毛剤を適した方法で使おう
育毛剤には頭皮環境を整え血行を促進する作用があり、適切に使用すれば白髪予防に効果が期待できます。ただ、白髪の原因は遺伝やストレス、生活習慣などさまざまであり、育毛剤だけで完全な白髪対策はできません。
白髪は加齢とともに増加する傾向があります。しかし、適切な対策を取ることで、白髪の発生を遅らせることも期待できます。
白髪の悩みを抱えている方は、生活習慣を見直しながら育毛剤を活用し、白髪予防へ積極的に取り組みましょう。自分に合った育毛剤の選び方がわからない場合は、毛髪診断士などの専門家へ相談してみてください。
