育毛剤の成分を一覧で比較!有効成分の期待できる効果や注意点も紹介

育毛剤の成分を一覧で比較!有効成分の期待できる効果や注意点も紹介

「以前と比較して排水溝に詰まる髪の毛の量が増えてきた」「ドライヤーを掛けた後、床に散らばっている髪の毛が多い」などのお悩みはありませんでしょうか。

抜け毛は男性にとっても女性にとっても悩ましいため、育毛剤の使用を検討している方もいるでしょう。

育毛剤には頭皮環境を改善したり髪の毛の成長をサポートするためのさまざまな成分が入っていますが、有効成分によって期待できる効果が異なります。

当記事では育毛剤に含まれる主な有効成分やはたらき、発毛剤との違い、使用上の注意点などについて解説します。

最後まで記事を読むと育毛剤の成分に関する知識を深められます。分からないことは毛髪診断士などの専門家に相談すると良いでしょう。

目次

育毛剤に入っている主な有効成分を比較

育毛剤に配合されている主な成分を一覧で紹介します。

成分名効果
センブリエキス抹消血管を拡張
IGF-1の産生を促進
5αリダクターゼのはたらきを阻害
ニコチン酸アミド糖質、脂質、タンパク質の代謝
血管を拡張
グリチルリチン酸ジカリウム抗アレルギー作用
抗炎症作用
塩酸ジフェンヒドラミンヒスタミンのはたらきを抑制
皮膚の炎症やアレルギーを緩和する
ヒト毛包角化細胞を増殖させる
タマサキツヅラフジアルカロイド抗アレルギー作用
血液幹細胞増加作用
血管拡張作用
クララエキス抗菌作用
血行促進作用
発毛促進作用
ニンジン抽出液血行を促進
自律神経のバランスを整える
ホルモンバランスを整える
トコフェロール酢酸エステル血行促進作用
抗酸化作用
D-パントテニルアルコール表皮角化細胞の増殖を促進
保湿作用
アラントイン抗炎症効果
表皮角化細胞の増殖を促進
エストロゲン様の作用を持つ

はじめに育毛剤に入っている主な有効成分と期待できる効果について解説します。

センブリエキス

成分名効果
センブリエキス抹消血管を拡張
IGF-1の産生を促進
5αリダクターゼのはたらきを阻害

センブリ(千振)は日本では高知県や長野県などで栽培されているリンドウ科の植物で、江戸時代には胡黄連(こおうれん)と呼ばれる漢方薬の代わりに利用されていました。

センブリエキスはセンブリの葉から抽出された成分で、育毛成分としてスウェルチアマリンやオレアノール酸が含まれています。

センブリエキスに含まれる成分には末梢血管を拡張し、成長ホルモンのシグナルを媒介するIGF-1の産生を促進する作用があります。

5αリダクターゼのはたらきを阻害する作用もあるため、AGA(男性型脱毛症)による抜け毛を予防する効果も期待できます。

センブリエキスを配合した化粧品は30年以上の使用実績があり、重大な皮膚感作の報告例はありませんが、使用前にはパッチテストを行うのがおすすめです。

参考:化粧品成分オンライン

ニコチン酸アミド

成分名効果
ニコチン酸アミド糖質、脂質、タンパク質の代謝
血管を拡張

ニコチン酸アミドはビタミンB3やナイアシンアミドとも呼ばれるビタミンBの一種で、血行を促進したり皮膚や粘膜の状態を正常に保ったりするはたらきがあります。

体内のニコチン酸が不足すると皮膚炎を始めとする「ペラグラ」の症状が起こりやすくなります。

ニコチン酸アミドには代謝機能をサポートするはたらきがあるため、頭皮環境を良好に保つ効果が期待できます。

また、血管を拡張し血行を促進することで、髪の毛の健全な成長をサポートする点も特徴です。

ただし、妊婦や授乳婦、65歳以上の方が使用する場合は、事前に専門家に相談してください。

参考:ニコチン酸アミド散10%「ゾンネ」

   薬の成分ディクショナリー

グリチルリチン酸ジカリウム

成分名効果
グリチルリチン酸ジカリウム抗アレルギー作用
抗炎症作用

グリチルリチン酸ジカリウムは外用消炎鎮痛薬や点眼剤、点鼻薬、うがい薬、水虫の治療薬などに含まれる成分としてよく知られています。

生薬としても利用される甘草から抽出したグリチルリチン酸にカリウム塩を結合させ、水に溶けやすくしている点が特徴です。

グリチルリチン酸ジカリウムは抗アレルギー作用、および抗炎症作用を持つことから、頭皮の炎症やかゆみを抑える目的で育毛剤に配合されています。

頭皮の炎症やかゆみを抑えて頭皮環境を良好に保つことで、健全な髪の毛の成長をサポートします。

グリチルリチン酸ジカリウムを配合した育毛剤を使用すると、人によっては頭皮のかゆみや赤みを引き起こす可能性があるため、使用する前に専門家に相談してください。

参考: 化粧品成分オンライン

   大正健康ナビ

塩酸ジフェンヒドラミン

成分名効果
塩酸ジフェンヒドラミンヒスタミンのはたらきを抑制
皮膚の炎症やアレルギーを緩和する
ヒト毛包角化細胞を増殖させる

塩酸ジフェンヒドラミンはヒスタミン受容体と結合して、アレルギーの原因となるヒスタミンのはたらきを抑制し、皮膚の炎症やアレルギーを緩和する点が特徴です。

皮膚の炎症やアレルギーを緩和することで頭皮環境を改善し、髪の毛の成長をサポートする目的で育毛剤に配合されるケースが多いです。

また、近年の研究によって塩酸ジフェンヒドラミンにはヒト毛包角化細胞を増殖させ、髪の毛を作り出すはたらきを促進することが分かってきています。

ただし、何らかの持病をお持ちの方や服用中の医薬品がある方、アレルギーをお持ちの方は使用前に専門家に相談してください。

参考:

大正製薬

頭皮環境悪化による発毛への影響とその改善の可能性について

おくすり110番

頭皮環境悪化による発毛への影響とその改善の可能性について

タマサキツヅラフジアルカロイド

成分名効果
タマサキツヅラフジアルカロイド抗アレルギー作用
血液幹細胞増加作用
血管拡張作用

タマサキツヅラフジアルカロイドは、ツヅラフジ科の植物「タマサキツヅラフジ」から抽出された成分で、セファランチンの有効成分として知られています。

タマサキツヅラフジアルカロイドには抗アレルギー作用や血液幹細胞増加作用、血管拡張作用があるため、頭皮に栄養を送り届ける目的で育毛剤に配合されるケースが多いです。

タマサキツヅラフジアルカロイドを有効成分として配合したセファランチン錠は、円形脱毛症や粃糠性(ひこうせい)脱毛症の治療にも用いられることから育毛効果が期待できます。

妊娠中・授乳中の女性やアレルギーをお持ちの方、他の治療薬を服用中の方は事前に専門家に相談してください。

参考:くすりのしおり

クララエキス(クララ根エキス)

成分名効果
クララエキス(クララ根エキス)抗菌作用
血行促進作用
発毛促進作用

クララエキス(クララ根エキス)はマメ科の多年草の植物「苦参(くじん)」とも呼ばれるクララの根から抽出されたエキスで、マトリンやオキシマトリンを主成分として含んでいます。

マトリンやオキシマトリンは抗菌作用や血行促進作用、発毛促進作用を持つため、頭皮環境を良好に導き、髪の毛の成長をサポートする効果が期待できます。

クララエキスを皮膚に塗布することには特に問題がないとされますが、肌が弱い方やアレルギーをお持ちの方は、使用前に専門家に相談してください。

参考:化粧品・医薬部外品などホームページ

   近代科学株式会社

ニンジン抽出液

成分名効果
ニンジン抽出液血行を促進
自律神経のバランスを整える
ホルモンバランスを整える

ニンジン抽出液は高麗人参や朝鮮人参とも呼ばれるオタネニンジンから抽出されたエキスで、サポニンの一種であるジンセノサイドが主成分として含まれています。

ジンセノサイドは交感神経と副交感神経の両方に複合的にアプローチすることで、ストレスによって乱れた自律神経やホルモンバランスを整える点が特徴です。

血行を促進する作用もあるため、頭皮の毛細血管を拡張して栄養状態を改善し、髪の毛の成長をサポートする効果も期待できます。

ニンジン抽出液には血行を促進して血圧に作用するため、高血圧の方や低血圧の方、心疾患をお持ちの方、出血傾向のある方などは専門家に相談してください。

参考:近代科学株式会社

   高麗人参の効果

   福岡県薬剤師会

トコフェロール酢酸エステル

成分名効果
トコフェロール酢酸エステル血行促進作用
抗酸化作用

トコフェロール酢酸エステルは天然のビタミンEを酢酸エステル化して作られた合成のビタミンE誘導体です。

ビタミンEと同様に血行促進作用および抗酸化作用があるため頭皮環境を良好に保ち、髪の毛の成長をサポートする効果が期待できます。

通常使用下において安全性には問題がないとされますが、授乳婦に関してはトコフェロール酢酸エステルを配合した育毛剤の使用は避けてください。

参考:化粧品成分オンライン

   トコフェロール酢酸エステル錠100mg「ツルハラ」

D-パントテニルアルコール

成分名効果
D-パントテニルアルコール表皮角化細胞の増殖を促進
保湿作用

D-パントテニルアルコールは、単にパントテニルアルコールとも呼ばれている水溶性ビタミンの一種で、パントテン酸(ビタミンB5)の誘導体です。

D-パントテニルアルコールには表皮の角化細胞増殖を促進し、ターンオーバーを正常化させることで、頭皮環境を良好に保つ点が特徴です。

また、D-パントテニルアルコールは水に溶けやすい性質があるため、頭皮や髪の毛のうるおいを保つ目的で育毛剤に含まれるケースも多いです。

通常使用する分には安全性に関して問題がないとされますが、人によってはアレルギー反応を示したりかゆみが生じたりするケースもあるため、もし使用が気になる場合は専門家に相談してください。

参考:化粧品成分オンライン

アラントイン

成分名効果
アラントイン抗炎症効果
表皮角化細胞の増殖を促進
エストロゲン様の作用を持つ

アラントインは自然界に広く分布している成分で甜菜(テンサイ)や小麦の芽、コンフリーの葉や目に含まれることで知られています。

アラントインには抗炎症および表皮角化細胞の増殖を促進する作用があるため、頭皮環境を良好に保つ点が特徴です。

また、エストロゲンに似たはたらきを持つことも分かってきており、ターンオーバーの周期を正常化し、髪の毛のハリやコシを保つ効果も期待できます。

肌に与える刺激が少なくアレルギー反応も起きにくいとされていますが、敏感肌の方やアレルギーをお持ちの方は、使用する前に専門家に相談することがおすすめです。

参考:化粧品成分オンライン

   ロート製薬ホームページ

育毛剤に含まれる成分のはたらき

育毛剤に含まれる成分のはたらき

育毛剤にはさまざまな成分が配合されていますが、主なはたらきとしては以下の例が挙げられます。

  • 抜け毛を防ぐはたらき
  • 頭皮環境を改善するはたらき
  • 健やかな髪の成長を促すはたらき

ここでは育毛剤に含まれる成分のはたらきについて解説します。

抜け毛を防ぐはたらき

育毛剤に含まれる成分には、以下のような作用により抜け毛を防ぐはたらきが期待できます。

  • 皮脂の分泌を抑制する
  • 頭皮の炎症を防ぐ

頭皮は身体のなかでも皮脂の分泌量が多い箇所です。過剰に分泌された皮脂をエサとして常在菌が繁殖すると、炎症を起こすなど頭皮環境の悪化により抜け毛のリスクが増加します。

育毛剤には皮脂の分泌を抑制したり、炎症を防いだりする成分が含まれているため、頭皮環境を良好に保ち、抜け毛を防ぐはたらきが期待できます。

はたらき具体的な成分名
皮脂の分泌を抑制するニコチン酸アミド
ニンジン抽出液
D-パントテニルアルコール
頭皮の炎症を防ぐグリチルリチン酸ジカリウム
塩酸ジフェンヒドラミン
アラントイン

頭皮環境を改善するはたらき

健康な髪の毛が成長するためには良好な頭皮環境が欠かせません。

頭皮環境の悪化は頭皮の酸化や血行不良などが原因で起こるため、以下のはたらきをもつ成分を配合した育毛剤を選ぶのがおすすめです。

  • 老化を防ぐ
  • 血行を促進させる
はたらき具体的な成分名
老化を防ぐ塩酸ジフェンヒドラミン
ニンジン抽出液
トコフェロール酢酸エステル
血行を促進させるセンブリエキス
ニコチン酸アミド
タマサキツヅラフジアルカロイド

参考:大正製薬

健やかな髪の成長を促すはたらき

髪の毛は毛母細胞の分裂によって成長しますが、細胞分裂のためのエネルギーを毛細血管から受け取っています。

そのため、以下のようなはたらきを持つ成分を配合した育毛剤を選ぶことがおすすめです。

  • 毛母細胞を活性化させる
  • 血行を促進させる
はたらき具体的な成分名
毛母細胞を活性化させるセンブリエキス
塩酸ジフェンヒドラミン
D-パントテニルアルコール
アラントイン
血行を促進させるニコチン酸アミド
タマサキツヅラフジアルカロイド
ニンジン抽出液
トコフェロール酢酸エステル

参考:厚生労働省|医薬部外品の効能効果の範囲

育毛剤と発毛剤の成分の違い

育毛剤と発毛剤の成分の違い

育毛剤と発毛剤は同じようなものと混同されがちですが、以下の大きな違いがあります。

育毛剤発毛剤
分類医薬部外品医薬品
用途髪の毛の成長をサポート発毛を促進

育毛剤は医薬部外品で主に天然由来の成分が配合されていますが、発毛剤は医薬品で主にミノキシジルが配合されています。

ミノキシジルは厚生労働省により発毛効果を認められている数少ない成分の1つで、ミノキシジル以外にはフィナステリドとデュタステリドしか認可されていません。

フィナステリドとデュタステリドは内服薬の形で利用されますが、ミノキシジルに関しては外用薬しか認められていないため、育毛剤と混同されやすい理由になります。

ミノキシジル含有商品の購入に処方箋は必要ありませんが、第1類医薬品のため薬剤師のいる薬局でしか購入できません。字面は似ていますが育毛剤と発毛剤には違いがあるので注意してください。

育毛剤に含まれる成分の注意点

育毛剤に含まれる成分の注意点

育毛剤は主に天然由来の成分から作られているため、医薬品と異なり使用による頭皮トラブルのリスクが低いのが特徴のひとつです。

しかし、以下の成分が含まれた育毛剤を使用した場合、人によっては肌トラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

  • 塩酸ジフェンヒドラミン
  • グリチルリチンジカリウム
  • D-パントテニルアルコール

塩酸ジフェンヒドラミンやグリチルリチン酸ジカリウムを配合した育毛剤を使用すると、人によっては頭皮のかゆみや赤みを引き起こす可能性があります。

また、D-パントテニルアルコールを配合した育毛剤を使用すると、腹痛や下痢といった消化器症状を引き起こすケースがあります。

いずれも発症頻度は不明とされていますが、上記の成分が配合された育毛剤を使用する前には専門家に相談するのが良いでしょう。

また、育毛剤の用量・用法を守らないで利用したり、他の育毛剤や発毛剤を自分の判断で併用したりすると発疹や痒み、アレルギー反応などが現れることもあるので注意が必要です。

参考:毛髪用薬(発毛,養毛,ふけ,かゆみ止め用薬等

   大正健康ナビ

育毛剤の成分を確認する上で知っておきたいこと

育毛剤の成分を確認する上で知っておきたいこと

抜け毛が起こる原因は個人によりさまざまなため、育毛剤に含まれる成分によっては使う人によって効果が出にくかったり、別のネガティブな症状が発現したりする可能性があります。

体質や肌質によっては肌トラブルやアレルギーを引き起こす可能性もあるため、事前にパッチテストなどで確認してから使用するのがおすすめです。今まで化粧品などで肌がかぶれるといった症状が出たことがある方は、必ず使用前に確認しておきましょう。

有効成分を含んだ育毛剤選びで失敗しないためには毛髪診断士などの専門家への相談がおすすめ

有効成分を含んだ育毛剤選びで失敗しないためには毛髪診断士などの専門家への相談がおすすめ

育毛剤にはさまざまな成分が配合されており、それぞれに期待される効果がありますが、自分の症状にあった商品を選ばないと期待する効果は得られません。

育毛剤自体もそれほど安価ではないため、どれを選べばいいのか迷う方は毛髪診断士などの専門家に相談するのがおすすめです。

毛髪診断士は頭皮や髪の毛の状態から適切な治療法を提案してくれる上、自分に合ったおすすめの育毛剤も教えてくれます。

また、薄毛治療を専門としているクリニックでは発毛剤も処方しているので、育毛剤と発毛剤のどちらを使用していいか分からない方は、無料カウンセリングで一度相談してみるのもおすすめです。

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