生え際が気になり始めた方の中には「育毛剤は本当に効果があるの？」「どんな育毛剤を選べばいいの？」と疑問に感じている方もいることでしょう。

生え際の後退の原因は、AGA（男性型脱毛症）や加齢、ストレス、生活習慣の乱れなどさまざまですが、早期に対策を打つことで育毛剤での改善が期待できます。

本記事では、効果的な育毛剤の選び方や正しい使い方を紹介します。育毛剤選びで迷っている方はぜひ最後までご覧ください。

生え際に髪の毛が残っていれば育毛剤で改善する場合もある

生え際に産毛が残っていれば、育毛剤の使用で生え際の後退を改善できる可能性があります。髪の毛には生え変わりのサイクルである毛周期が存在するためです。

毛周期は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」の4段階で構成されています。成長期には髪の毛が活発に伸び、退行期で成長が止まり、休止期を経て抜け落ちるのです。

産毛が残っていれば、毛周期は完全に停止しておらず、対処によっては再び髪の毛が成長することが見込めます。

育毛剤には血行促進や頭皮環境の改善、毛根への栄養供給などの作用があるので髪の毛の成長を促せるのです。

生え際に産毛が残っている場合は、諦めずに育毛剤を試してみることをおすすめします。

参考 男性型脱毛症と育毛有効成分

生え際が後退しやすい理由と育毛剤が効く仕組み

生え際の後退には、主に以下の3つの要因が関係しますが、育毛剤を使うことで改善が期待できます。

• 血管が頭部の中でも少なめ
• 皮膚が硬くなりやすい
• AGAの原因物質がはたらきやすい

生え際は、頭部の中でも血管が比較的少ない部位です。血行が悪くなると髪の毛の成長に必要な栄養が十分に供給されず、髪の毛の成長が阻害されます。

また生え際は血行不良が起こりやすいため、皮膚が硬くなりがちです。皮膚が硬くなると毛根が圧迫され、髪の毛の成長が妨げられる可能性があります。

さらに、生え際はAGA（男性型脱毛症）の原因物質であるジヒドロテストステロン（DHT）が作用しやすい部位です。ジヒドロテストステロンの影響を受けると、毛周期が短くなってしまいます。

育毛剤には血行促進や頭皮環境の改善、毛根への栄養供給の促進などの作用が見込めるため、生え際の後退を改善できる可能性があるのです。

生え際の薄毛改善が見込める育毛剤を選ぶポイント

生え際の後退が気になる方は、以下の3つのポイントを意識して育毛剤を選びましょう。

• 生え際の薄毛に効く成分が入っているか
• 狙った場所に塗布しやすい仕様か
• 使い続けられる価格帯であるか

生え際の薄毛に効く成分が入っているか

生え際の薄毛改善には、効果的な成分を含む育毛剤の選択が重要です。

育毛剤には、髪の毛を健康に保って成長させる成分と、薄毛の原因物質を抑制する成分の大きく2種類があります。

生え際の薄毛改善を目指す場合は、これら2種類の成分がバランス良く配合されている育毛剤を選ぶことがおすすめです。

髪の毛を健康に保って成長させる成分

髪の毛を健康に保ち成長させる成分として、以下の3つの成分が注目されています。

• アデノシン
• t-フラバノン
• サイトプリン

アデノシンは、毛乳頭細胞に作用して髪の毛の成長を助けます。

日本皮膚科学会が作成している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」にてエビデンスが認められている成分です。

t-フラバノンの作用は、脱毛因子であるTGF-β1を抑制することです。毛包を保護し、抜け毛を防ぎます。

サイトプリンは毛根細胞内の髪の成長に必要なタンパク質の生成を促します。しっかりとしたコシのある髪の毛を作るために重要です。

薄毛の原因物質を抑制する成分

生え際の後退が気になる方にとって、薄毛の原因物質を抑制する成分が含まれた育毛剤を使用することは効果的です。

以下3つの成分は、その効果が期待される成分として注目されています。

• オレアノール酸
• ヒオウギエキス
• ノコギリヤシ

オレアノール酸は、薄毛の原因となる5αリダクターゼのはたらきを抑え、抜け毛を防ぎます。

ヒオウギエキスの主な作用は、抗炎症と抗酸化、5αリダクターゼの抑制です。海外で行われたモルモットを対象とした試験で、5αリダクターゼの抑制効果があったという結果が出ています。

ノコギリヤシは、AGAの原因であるジヒドロテストロンの生成を抑え、抜け毛の進行を防ぎます。

これらの成分を含む育毛剤を選ぶことで、生え際の薄毛改善が期待できるでしょう。

参考 オレアノール酸配合育毛剤の臨床試験結果

狙った場所に塗布しやすい仕様か

生え際の薄毛改善には、育毛剤の成分だけでなく育毛剤を正確に塗布することも重要です。そのため、狙った場所に塗布しやすい仕様の育毛剤を選ぶことがポイントとなります。

とろみのあるローションタイプの育毛剤は、液だれしにくく生え際にピンポイントで塗布できます。

また、手軽にケアしたい場合はスプレータイプの育毛剤がおすすめです。ワンプッシュで広範囲に塗布できるため、忙しい方でも手軽に使えます。

自分の使用感に合った育毛剤を選ぶことで、生え際の薄毛対策を効率的に行えます。

使い続けられる価格帯であるか

育毛剤の効果を実感するためには、継続的な使用が不可欠です。そのため、長く使い続けられる価格帯の製品を選ぶことがポイントとなります。

育毛効果を実感できるまでには個人差がありますが、一般的には3ヶ月〜半年程度かかるといわれています。

高価な育毛剤が良いとも限らないので、予算内で継続して購入できる価格帯を選びましょう。

価格面で無理をして高価な育毛剤を選ぶと、使用を中断する事態になりやすいです。

継続可能な価格帯の育毛剤を選び、効果的な薄毛対策を続けてください。

育毛剤の効果を出すためには生え際に正しく使うことが大切

育毛剤の効果を引き出すには、生え際に正しく使用することが重要です。

用法・用量とともに、育毛剤のタイプに合わせた使用手順を守りましょう。

ローションタイプは髪の毛が乾いた状態で頭皮に直接塗布し、指の腹でマッサージするようになじませてください。またスプレータイプは頭皮から5〜10cmほど離して噴射し、両手で優しくなじませると効果的です。

正しい使用方法で継続的に使用することで、生え際の薄毛改善効果が期待できます。

生え際の薄毛をより改善しやすくするためのコツ

生え際の薄毛をより改善しやすくするためのコツを3つ紹介します。

• 頭皮が清潔な状態で使用する
• 使う時に頭皮マッサージを行って血行を促進する
• 日頃の生活習慣を見直して薄毛の原因を減らす

頭皮が清潔な状態で使用する

生え際の薄毛改善をより効果的に進めるためには、育毛剤を使用するタイミングが重要です。

おすすめのタイミングは、シャンプー後やお風呂上がりなど頭皮が清潔な状態の時です。

頭皮に皮脂や汚れがついていると、育毛剤の成分が毛根まで届きにくくなります。頭皮が清潔な状態であれば育毛剤の浸透が促進されるため、効果は高まるでしょう。

またシャンプーする際、頭皮に刺激を与えるような洗い方は避けましょう。指の腹を使って優しくマッサージするように洗うことで、頭皮への負担を減らせます。

清潔な頭皮に適切なタイミングで育毛剤を使用することで、生え際の薄毛改善の効果を引き出せます。

使う時に頭皮マッサージを行って血行を促進する

生え際の薄毛改善を効果的にするためには、育毛剤を使うのに合わせて頭皮マッサージを実施しましょう。

頭皮をマッサージすることで血行が促進され、育毛剤の成分が浸透しやすくなります。

マッサージのポイントは、指の腹を使って優しく揉みほぐすことです。特に生え際や薄毛が気になる部分を重点的に行いましょう。

生え際の薄毛改善効果を高めるために、日常的にセットで行うのがおすすめです。

参考：「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

日頃の生活習慣を見直して薄毛の原因を減らす

生え際の薄毛を改善させるためには、育毛剤の使用だけでなく日頃の生活習慣を見直すことも重要です。

薄毛の原因となる習慣を減らすことで、育毛剤の効果をさらに高められます。

以下のポイントをチェックし、必要に応じて改善しましょう。

• 睡眠：7時間程度の睡眠時間を確保し、質の良い睡眠を心がける
• 運動：適度な運動で血行促進とストレス解消を目指す
• 食生活：タンパク質や亜鉛を意識し、バランスの取れた食事を心がける
• ストレス管理：過度なストレスを避け、リラックスする時間を設ける
• 頭皮ケア：帽子の長時間着用を避け、頭皮を清潔に保つ

生活習慣の見直しは、薄毛改善だけでなく健康にも良い影響を与えます。育毛剤の使用と併せて生活習慣を見直すことで、生え際の薄毛改善への相乗効果が期待できるでしょう。

生え際に育毛剤を使い出してから効果が出るまでの期間は？

生え際に育毛剤を使用し始めてから効果が現れるまでの期間は、一般的に3ヶ月〜半年程度といわれています。

個人差はありますが、最低でも半年は継続使用することを前提に始めるのが望ましいです。

効果が出始めたからといって使用をやめると、再び薄毛が進行する可能性があります。

育毛剤は、継続して使用することでより効果が期待できます。効果が実感できなくても少なくとも半年は使用し、効果が出るのを待ちましょう。

生え際に育毛剤を使う上での注意点

生え際の後退の改善効果が期待できる育毛剤ですが、注意点もあります。使用する際は以下の3点に注意してください。

• 体質に合わない製品を使うと抜け毛や肌荒れが起きる可能性がある
• 生え際に毛がない状態から生やすなら発毛剤の使用が必要
• 脱毛症や他の病気による薄毛の場合は育毛剤のみだと効果が薄い

体質に合わない製品を使うと抜け毛や肌荒れが起きる可能性がある

育毛剤を選ぶ際は、自分の体質に合う製品を選ぶことが大切です。

育毛剤に含まれる成分は、人によって合う合わないがあります。体質に合わない製品を使用しすると頭皮に刺激を与え、かえって抜け毛や肌荒れを引き起こす可能性があります。

育毛剤使用後に頭皮のかゆみやかぶれ、赤みなどが現れた場合は、使用を中止して医師に相談してください。

新しい育毛剤を使用する際はパッチテストを行いましょう。肌に異常がないことを確認してから頭皮に使用するのが大切です。

生え際に毛がない状態から生やすなら発毛剤の使用が必要

生え際の薄毛対策を行う上で、育毛剤と発毛剤の違いを理解しておきましょう。

育毛剤は今ある髪の毛を太く健康にする効果がありますが、新たに髪の毛を生やす効果はありません。

完全に毛がなくなった部分を改善したい場合は、発毛剤の使用が必要となります。

一方で発毛剤は医薬品に分類されており、新たな毛を生やす効果が期待できます。

医師の処方が必要となるため、発毛剤の使用を検討する場合は医師のカウンセリングを受けましょう。

生え際に髪の毛がない場合は医療機関を受診し、適切な治療法を仰ぐことをおすすめします。

脱毛症や他の病気による薄毛の場合は育毛剤のみだと効果が薄い

生え際の薄毛や後退が脱毛症や他の病気による場合、育毛剤だけでは効果が得られない可能性が高いです。

脱毛症や他の病気による薄毛の場合、自然治癒は難しく、育毛剤だけでは効果が期待できないケースがほとんどです。

これらはホルモンバランスの乱れや免疫異常など、複雑な要因が絡み合っていることが多く、専門的な治療が必要となります。

脱毛症などが原因で生え際が後退している場合、放置すると症状が悪化し、脱毛が進行する可能性があります。

早期に医療機関を受診し、正確な診断を受けましょう。

生え際の薄毛には市販の育毛剤でも効果が見込める？

生え際の薄毛に対しては、市販の育毛剤でも効果が期待できます。

市販の育毛剤には、抜け毛を防いだり頭皮環境を整えたりする成分が配合されているため、生え際の薄毛対策に効果が見込めるでしょう。

ただし育毛剤の効果の現れ方には、体質や生活習慣、薄毛の原因などによって個人差があります。

そのため、一つの製品で効果が感じられない場合でも、別の製品を試してみることがおすすめです。

それでも効果が実感できない場合は、医師のカウンセリングを受けましょう。医師が頭皮や髪の毛の状態を診察し、適切な育毛剤や治療法を提案してくれます。

生え際が気になり始めたら育毛剤で早めに対策しましょう

生え際の薄毛は、早期に対策を始めることが大切です。

気になり始めた段階で適切な育毛剤を使用することで、薄毛の進行を抑えやすくなります。

育毛剤の効果を引き出すためには、正しい育毛剤を選び、正しく使用することが大切です。

生え際の薄毛に効果的な成分を含む製品を選び、清潔な頭皮に日頃から使用しましょう。

育毛剤の使用だけでなく、生活習慣の改善も重要です。十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などを心がけることで、育毛剤の効果を高められます。

ぜひ、本記事を参考にしてあなたに合った生え際の後退ケアを始めてみてください。