つむじ割れは、後頭部のつむじが分かれて地肌が目立つ症状で、薄毛の兆候なのではと不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、つむじ割れは必ずしも薄毛が原因ではありません。原因を正しく特定し自分に合った対策を講じることで、つむじ割れが目立たない、自信のあるヘアスタイルを手に入れられるでしょう。

本記事では、つむじ割れの原因と、自分で簡単にできる対策を詳しく解説します。また、つむじ割れの原因が、治療を必要とするかを判断するための簡単なセルフチェックも紹介します。

つむじ割れに悩んでいる方はもちろん、薄毛予防に関心のある方もぜひ参考にしてください。

つむじ割れとはどんな状態？治らないのか解説

つむじ割れとは、つむじの毛が割れて地肌が見えてしまう状態です。生まれつき複数のつむじがある方や、髪質が細く立ち上がりにくい方の場合、自然につむじ割れが起こることもあります。

生まれつきのつむじ割れは、髪型やスタイリングの変更などで治せる場合があります。しかし、脱毛症などが原因のつむじ割れは、放置するとさらに進行する可能性があるため、早い段階で医師による治療が必要です。

つむじ割れには、さまざまな原因が考えられます。原因によって適切な対策が異なるため、つむじ割れが気になる場合は、まず原因を見極めることからはじめましょう。

男性に多いつむじ割れの原因｜今すぐ改善すべき

つむじ割れは、AGAや頭皮環境の悪化などのさまざまな原因が考えられます。ここからは、男性に多い以下のつむじ割れの原因について解説します。

• AGA（男性型脱毛症）
• AGA以外の脱毛症
• 頭皮環境の悪化・頭皮の張り
• 紫外線による頭皮ダメージ
• 加齢

AGA（男性型脱毛症）

AGAは、思春期以降の男性に多く見られる脱毛症です。前頭部の生え際や頭頂部の髪が薄くなり、地肌が目立ってしまうのが特徴です。AGAの主な原因は、男性ホルモンの影響によるもので、ほかにも遺伝や生活習慣などがあります。

AGAの進行は個人差がありますが、放置すると症状が悪化し、将来的にさらに髪が薄くなる可能性があります。つむじ割れは、AGAの初期症状である場合も多く、早期発見・早期治療が重要です。

進行性の脱毛症のため、自然治癒は難しいと考えられています。しかし、適切な治療を受けることで、症状を改善し進行を抑制することが可能です。

参考 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン

AGA以外の脱毛症

AGA以外にも、脱毛症にはさまざまな種類があります。代表的な脱毛症は以下の通りです。

脱毛症	特徴
円形脱毛症	頭部に円形の脱毛斑ができる。ストレスや自己免疫疾患などが原因と考えられる
粃糠性脱毛症	フケが大量発生し、頭皮が乾燥して抜け毛が増える。マラセチア菌などの影響が関与する
脂漏性脱毛症	皮脂分泌過剰で頭皮が炎症を起こし、抜け毛が増える。生活習慣や遺伝などが原因と考えられる

自分でこれらの脱毛症とAGAを見極めるのは難しいでしょう。気になる症状がある場合は、自己判断は避け、早めに専門家への相談が賢明です。

参考 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン

頭皮環境の悪化・頭皮の張り

頭皮環境の悪化や頭皮の張りも、つむじ割れの原因の一つと考えられます。頭皮環境が悪化すると、フケや痒みなどの頭皮トラブルが発生しやすくなり、抜け毛の原因となります。

頭皮環境に悪影響を及ぼすのは、血行を悪化させる要因となる偏った食事やストレス、睡眠不足、喫煙などです。毛髪を成長させる細胞には、血流によって栄養が運ばれます。血流が悪いと髪に必要な栄養が届かず、薄毛やつむじ割れの原因となります。

抜け毛を抑え、つむじ割れを改善するためには、血流を改善し毛髪に栄養をしっかり届けることが重要です。

紫外線による頭皮ダメージ

紫外線による頭皮ダメージも、つむじ割れの原因です。つむじ周辺は髪で覆われていないため、地肌が紫外線に直接さらされ、ダメージを受けやすい傾向があります。

髪の主成分であるタンパク質は、紫外線によってダメージを受けやすく、キューティクルや毛皮質が損傷してしまうのです。キューティクルや毛皮質が損傷すると、髪が弱く抜けやすくなり、つむじ割れが目立つようになります。

頭皮の健康を保つためには、帽子や日傘での紫外線対策が効果的です。外出する際は、帽子を被ったり日傘をさしたりして、つむじ周辺の頭皮を紫外線から守りましょう。

加齢

加齢もまた、つむじ割れの原因の一つとして挙げられます。男性の場合、40代頃から薄毛が進行し、つむじ割れも起こりやすくなります。遺伝や生活習慣なども影響するため個人差はありますが、加齢は誰にでも起こる現象です。

また、加齢によって髪質が変化し、色素が薄くなることもつむじ割れが目立つ原因となります。若い頃は、髪にメラニン色素が多く含まれているため黒々としています。

しかし、加齢によってメラニン色素が減少すると、髪が白髪や薄茶色に変化して頭皮とのコントラストが大きくなり、つむじ割れが目立ってしまうのです。

男性に多いつむじ割れの原因｜そのままでも害はない

ここからは、そのままでも特に問題はないつむじ割れのケースを解説します。

• 寝ぐせ
• スタイリングのミス
• 生まれつき（複数のつむじ）

寝ぐせ

つむじ割れは、寝ぐせが原因で起こる場合もあります。シャンプー後に髪をしっかり乾かさずに寝ると、髪が濡れたまま枕に押しつぶされ、潰れたあとが付きやすくなります。

つむじ割れを防ぐためには、洗髪後のケアが重要です。ドライヤーで髪を完全に乾かすことで寝返りによる髪の潰れを防ぎ、つむじ割れの原因となる摩擦を軽減できます。ナイトキャップの利用は、髪を摩擦や乾燥から守り、寝ぐせ防止にも有効です。

また、髪を濡れたまま寝ると雑菌が繁殖しやすくなるため、頭皮の健康を保つためにも、寝る前に髪をしっかり乾かすことが大切です。

スタイリングのミス

つむじ割れは、スタイリングによっても目立ってしまうことがあります。つむじ周辺は、毛髪の密度が低く、髪を立ち上げにくい場所です。特に前髪につむじがあると、左右に分ける髪型でつむじ割れが目立ちやすくなります。

つむじ割れを防ぐためには、正しいヘアケアや髪の乾かし方を実践し、スタイリング方法を工夫することが重要です。

つむじの位置や髪質を把握し、自分に合ったケアとスタイリングをすることで、つむじ割れが目立たなくなるでしょう。

生まれつき（複数のつむじ）

つむじ割れは、生まれつきの髪質や髪の生え方、頭の形などに特徴がある場合にも起こる傾向があります。髪質が細く柔らかい方は、髪が立ちにくくボリュームが少なく見えるため、つむじ割れが目立ちやすくなります。

絶壁気味の頭の形やつむじが複数ある場合も、つむじ割れが起こる原因の一つです。生まれつき、つむじ割れしやすい方は、ドライヤーで髪を乾かす際につむじ周辺の髪を持ち上げて乾かすなどの工夫をしましょう。

また、トップを軽くする、パーマをかけるなどのヘアスタイルの変更も有効です。

つむじ割れの原因が治すべき状態か判断するためのセルフチェック

つむじ割れは多くの男性が経験する現象です。しかし、中にはAGAなどの脱毛症が原因となっている場合もあります。

以下の5つの項目で、つむじ割れの原因が治すべき症状であるかをセルフチェックしてみましょう。

1. 産毛のような細い（短い）毛が増えた
2. 以前よりも毛の抜ける量が増えた
3. 徐々につむじ割れの範囲が広がっている
4. 生え際の後退が同時に進んでいる
5. 頭皮が脂っぽくべたべたしている

上記のうち、3つ以上当てはまる場合は、脱毛症が原因でつむじ割れが起こっている可能性があります。

つむじ割れの原因に脱毛症が疑われるなら医師への相談が先決

セルフチェックで3つ以上当てはまった場合は、AGAなどの脱毛症を発症している可能性があります。脱毛症は自然治癒が難しい疾患です。放置すると進行し、薄毛が改善しにくくなります。

早期発見・早期治療が重要となるため、脱毛症が疑われる方は、早めに皮膚科やAGA専門クリニックを受診しましょう。

医師は問診や診察、検査を通して、つむじ割れの原因を診断し、適切な治療を提案してくれます。無料カウンセリングを実施している医療機関も多いため、まずは気軽に相談してみましょう。

男性向け！自分でできるつむじ割れの直し方

つむじ割れは、生活習慣や髪型・スタイリングを変えることで自分で改善が目指せます。ここでは、男性向けのつむじ割れの直し方を紹介します。

• 生活習慣の改善
• 普段の髪型やスタイリングの変更
• ドライヤーのやり方の見直し

生活習慣の改善

つむじ割れに悩んでいる方にとって、生活習慣の改善は根本的な対策となります。

フケや皮膚の赤み、抜け毛の増加などの頭皮トラブルは、頭皮環境の悪化のサインです。頭皮環境が悪化すると、髪に必要な栄養が行き渡らず、つむじ割れや薄毛の原因となります。

頭皮環境の改善には、生活習慣を見直すことが有効です。特に、以下の点を心がけましょう。

• 野菜や果物を中心としたバランスの良い食生活へ改善する
• タンパク質、ビタミンD、鉄、亜鉛などの栄養素を摂取する
• 加工食やジャンクフードを控える
• 適度な運動を習慣化する
• 質の高い睡眠を十分に取る
• ストレスを溜めない

生活習慣の改善はすぐに効果が現れるとは限りませんが、継続することで頭皮環境を改善し、つむじ割れの予防や改善の効果が期待できます。

普段の髪型やスタイリングの変更

つむじ割れは、普段の髪型やスタイリングを変えることで目立たなくなります。

寝ぐせはつむじ割れの原因となるため、髪をしっかり乾かすことが大切です。髪が濡れたまま寝ると、摩擦によって髪が潰れ、つむじ割れが目立ってしまいます。

高すぎる枕は首に負担がかかり、反対に低い枕はつむじが潰れやすくなるため、自分に合った高さの枕を選びましょう。

また、前髪を下ろしたり分け目を変えたりしてスタイリングを変更することも、つむじ割れの改善には有効です。

普段からドライヤーの温度を下げたり、ブラッシングの回数を減らしたりして、髪への負担を減らすことを意識しましょう。紫外線から頭皮を守るために、帽子や日傘も積極的に使用すると良いでしょう。

ドライヤーのやり方の見直し

つむじ割れを防ぐためには、ドライヤーの使い方も重要です。髪を乾かす前にタオルで余分な水分を取り除くと、ドライヤーの時間が短縮できて髪へのダメージを減らせます。

ドライヤーは、つむじの真上から直接温風を当てないようにして、20cm程度離して乾かしましょう。髪の根元を立ち上げるように乾かすと、ボリュームがでてつむじ割れが防げます。

ドライヤーの当て方を工夫することで、つむじ割れを防ぎ髪へのダメージも抑えられます。つむじ割れが気になる方は、ぜひドライヤーのやり方を見直してみてください。

つむじ割れが気になる男性は早めに対策をうちましょう

つむじ割れは、男性にとって悩ましい問題の一つです。原因として、頭皮環境や紫外線によるダメージなどが挙げられますが、中には脱毛症を発症しているケースもあります。

そのため、つむじ割れが気になる方は早めに原因を突き止め、適切な対策をうつことが重要です。頭皮環境や紫外線によるダメージが原因の場合、生活習慣を変えることで改善できる場合もあるでしょう。

しかし、AGAなどの脱毛症が原因の場合は、自然治癒は難しいため、適切な治療が必要です。脱毛症は早期発見・早期治療が重要な疾患です。脱毛症が疑われる場合は、早めに皮膚科やAGA専門クリニックを受診しましょう。