頭皮には皮脂腺や汗腺が多く分布し、健康状態によって色が変わる可能性があります。

例えば皮脂が過剰に分泌され細菌が繁殖すると、頭皮が赤みを帯びやすくなります。

頭皮の健康状態は色から判断できるケースが多いため、こまめにチェックしましょう。

本記事では頭皮の色別の健康状態や、不健康なまま放置した場合のリスクを解説します。記事を最後まで読むと健康な頭皮を保ち、薄毛を予防する方法がわかります。

日頃から頭皮の健康状態をこまめにチェックし、薄毛のリスクに備えてケア方法を見直してみてください。

頭皮の色別に健康状態を紹介

頭皮は大きく以下の5つの色に分けられます。

1. 青白い色
2. ピンク色
3. 黄色
4. 赤色
5. 茶色

以下で頭皮の色・状態・原因を解説します。

1.青白い色｜正常な状態

頭皮が青白く透明感のある色をしている方は、健康な状態といえるでしょう。

青白く透き通って見える理由は、毛根が頭皮に透けて見えるためです。

また、健康な状態の頭皮は必要以上にベタベタせず、みずしく見える点も特徴です。

透明感が無くカサカサと白っぽければ、頭皮の乾燥が疑われます。

頭皮の乾燥を判断する際には、粒が小さくて白っぽいフケが増えていないかチェックしてみましょう。

2.ピンク色｜乾燥している状態

頭皮がピンク色に見える方も乾燥を引き起こしている可能性があります。

頭皮がカサカサしてピンク色に見える理由には、肌質に合わないシャンプーが挙げられます。

市販のシャンプーには泡立ちをよくするために合成界面活性剤が含まれる商品も多く、肌への刺激が強いです。

過度な洗浄力を持つシャンプーは肌を守るべき皮脂まで洗い流すため、頭皮のバリア機能が低下し、外部の刺激で炎症を起こしてピンク色になる傾向があります。

頭皮にダメージを与える外部からの刺激の要因は、紫外線やドライヤーの熱などさまざまです。

頭皮がピンク色だとフケやかゆみなどを伴いやすいですが、保湿ケアで健康な状態に戻る可能性もあります。

3.黄色｜皮脂が酸化している状態

頭皮は身体の中で皮脂腺の量が多い場所であり、頭皮が黄色っぽい方は皮脂が酸化している可能性があります。

皮脂が酸化すると過酸化脂質や過酸化スクワレンへと変化し、ニキビやシミのリスクが高まります。

また、皮脂が酸化して頭皮が黄色くなると、髪の毛にうねりが出たり、ハリやコシのない髪の毛が増えたりする点も特徴です。

頭皮が黄色くなる原因にはストレスによる皮脂の過剰な分泌や、睡眠不足・偏食による代謝の乱れなどが挙げられます。

日常の生活習慣に起因するケースが多いため、睡眠や食の習慣を見直すことが必要です。

皮脂の過剰な分泌が続くと常在菌が異常繁殖を起こし、脂漏性脱毛症の発症リスクも高まるため注意しましょう。

4.赤色｜炎症を起こしている状態

頭皮が赤っぽい方は皮膚の炎症が疑われ、薄毛や白髪などの頭皮トラブルが起こりやすくなります。

睡眠不足や日焼けが原因で一時的に頭皮が赤くなるケースもありますが、慢性的に赤みを帯びている方は注意が必要です。

頭皮に炎症を起こす原因は紫外線によるダメージ、洗浄力の強すぎるシャンプー、誤ったヘアケア、細菌繁殖などさまざまです。

頭皮に湿疹やかゆみ、にきび、吹き出物を伴う場合は、早めに毛髪診断士などの専門家に相談しましょう。

5.茶色｜老廃物が溜まっている状態

頭皮が茶色く見える方は皮膚の炎症に加えて、皮脂や老廃物の蓄積も疑われます。

皮脂の酸化による黄色っぽい頭皮と炎症を起こした赤い頭皮が混じった、コンディションの悪い頭皮と言えるでしょう。

茶色い頭皮は50代から60代の方に見られることが多く、加齢による血行不良やターンオーバーの乱れなどが原因と考えられます。

頭皮が茶色い状態を放置すると毛穴詰まりを起こして抜け毛リスクを高めるため、早めに医師の診察を受けるのがおすすめです。

不健康な頭皮のままで放置すると薄毛のリスクは上がる

健康な髪の毛を育てるためには、良好な頭皮環境を保つ必要があります。

頭皮環境が悪化するとニキビやシミなどの肌トラブルを引き起こしやすくなるうえ、抜け毛や薄毛のリスクが増加するため要注意です。

信号機に例えるなら透明感のある青白い頭皮は青信号で、ピンク色や黄色味を帯びた頭皮は黄信号、赤色や茶色の頭皮は赤信号といえます。

ピンク色や黄色の頭皮なら適切なケアによる改善が期待できますが、赤色や茶色の頭皮は医師などの専門家へ至急で相談する必要があるでしょう。

健康な頭皮かを判断するセルフチェックリスト

自分の頭皮が健康かを判断するには、以下のチェックリストを利用するのがおすすめです。

• 分け目部分が白っぽくカサカサしている
• 襟足や肩口に粒の小さな白いフケが目立つ
• 髪の毛の根元や頭皮に黄色っぽくてベタベタした粒の大きなフケが付着している
• 毎日シャンプーしているのに頭皮のかゆみや赤みが出る
• 食生活が健康的とは言えない
• シャンプーをした後に頭皮がつっぱる
• 排水溝に詰まる抜け毛の量が増えてきた
• 髪の毛を洗った後に自然乾燥させている
• 朝起きた際に十分に寝た気がしない
• 外出の際に紫外線対策をしていない

上記に該当する項目が多いほど、頭皮環境が悪化している可能性が高いと考えられます。

特に排水溝に詰まる抜け毛の量が増えている方は、脱毛症の発症が疑われるため要注意です。

健康な頭皮を維持することによる嬉しい効果とは？

頭皮が健康な状態に保たれていると、抜け毛や薄毛のリスクが低くなるだけでなく、以下のメリットも得られます。

• 顔のむくみ解消・リフトアップ
• 透明感ある肌への改善
• 冷え性の改善
• うつ病リスクの解消

頭皮の健康を維持すると顔のむくみを解消したり、リフトアップしたりする効果が得られます。

頭皮は顔の肌とつながっているため、頭皮環境が悪化して硬くなると血行不良で顔がむくみ、たるんだ印象を与えやすくなります。

一方で、頭皮への血流が保たれ健康な状態が維持されていれば、顔にむくみが生じにくいうえ、透明感のある肌を保ちやすいでしょう。

頭皮への血流がスムーズな状態を保つと、身体の冷えを予防する効果も期待できます。

また、全身の細胞が活性化するため、心身の状態も良好に保たれます。

健康な頭皮を維持するケアの方法を紹介

健康な頭皮を維持するためには、普段から以下3つのケアに取り組むのがおすすめです。

• 指の腹を使って優しくシャンプーする
• 育毛剤を使用してケアの効果を向上させる
• 頭皮マッサージを習慣にして血行を促進する

指の腹を使って優しくシャンプーする

健康な頭皮を維持するためには、毎日の洗髪法を以下の手順で行うのがおすすめです。

1. シャンプーの前に髪の毛だけでなく頭皮も予洗いする
2. 手のひらでシャンプーをしっかりと泡立て数箇所につける
3. 指の腹で頭皮を動かすイメージで優しく洗う
4. シャンプーが頭皮に残らないようしっかりと洗い流す

シャンプーする際の湯温は36℃から38℃のぬるま湯がおすすめです。

湯温が低すぎると余分な皮脂が洗い流せず、高すぎると頭皮を守るべき皮脂膜まで洗い流してしまいます。

爪や指の先で頭皮を擦ると炎症を起こしやすいため、指の腹で優しくマッサージするイメージで洗いましょう。

育毛剤を使用してケアの効果を向上させる

正しい手順でシャンプーを終えたらドライヤーで髪の毛や頭皮を乾かし、育毛剤を使用して頭皮ケアの効果を向上させましょう。

育毛剤には主に以下の効果が期待できます。

• 育毛
• 薄毛予防
• かゆみ
• 脱毛の予防
• 毛生促進
• ふけの改善
• 病後・産後の脱毛改善
• 養毛

育毛剤は朝晩の2回使用するのが基本です。洗髪後や起床時など、頭皮が清潔な状態で育毛剤を塗布しましょう。

市販の育毛剤でも十分に効果が見込めるため、毎日のケアに役立てるのがおすすめです。

参考 厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

頭皮マッサージを習慣にして血行を促進する

頭皮に送られる血液量が減少すると、頭皮環境が悪化し抜け毛や薄毛のリスクも増えます。

そのため、普段から以下の手順で頭皮マッサージを行い、頭皮環境を良好に保ちましょう。

1. こめかみを押しあげるようにぐるぐるとマッサージする
2. 首の後ろから後頭部にかけて、頭皮に血液を押しあげるイメージでマッサージする
3. 頭頂部にある百会（ひゃくえ）のツボを刺激する

適切な頭皮マッサージにはリラクゼーション効果も見込めます。

寝る前に行うと睡眠の質の向上にもつながります。

参考 「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

頭皮の健康を保つために避けるべき行動

頭皮の健康を保つためには、以下4つの行動を避けるようにしましょう。

• 暴飲暴食・過度な食事制限
• 睡眠不足・運動不足
• 紫外線の対策不足
• 喫煙・過度な飲酒

暴飲暴食・過度な食事制限

頭皮の健康状態を保つためには、暴飲暴食や過度な食事制限を避けてください。

特に高カロリー・高脂質の食事を控えると皮脂の分泌量増加を抑制し、頭皮トラブルを避ける効果が期待できます。

また、ダイエット目的で過度な食事制限を行うと、栄養不足によって髪の毛や頭皮の健康を損なう恐れがあります。

髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られるため、日々の食事に良質なタンパク源を取り入れるよう意識してください。

皮脂の分泌量をコントロールし、肌や粘膜の状態を良好に保つにはビタミンB群の摂取がおすすめです。

睡眠不足・運動不足

生活習慣の中で「不足する」行為には注意が必要です。

例えば睡眠にはエネルギーの供給や代謝の維持、成長ホルモンの分泌などさまざまな作用があるため、不足すると頭皮環境が悪化しやすくなります。

厚生労働省のガイドラインで推奨される睡眠時間は6時間以上です。

また、運動不足は血行不良を引き起こし、ストレスも溜まりやすくなります。

仕事が忙しくて運動する時間を取れない方は一駅分だけ歩いたり、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使ったりすると良いでしょう。

参考 健康づくりのための睡眠ガイド2023｜厚生労働省

紫外線の対策不足

紫外線には物質を破壊する強力な作用があるため、対策を怠ると頭皮環境が悪化しやすくなります。

特に夏の紫外線が強い時期に、何も対策しないで外出するのは頭皮や髪の毛にとってリスクでしかありません。

外出の際には頭皮専用の日焼け止めを塗布し、つばの広い帽子や日傘などで日差しを遮るよう意識しましょう。

生活紫外線とも呼ばれるUV-Aに関しては春先から多く降り注ぐため、1年を通した紫外線対策を意識するのも大切です。

参考 紫外線についての基礎知識｜日本化粧品工業会

喫煙・過度な飲酒

たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素には、毛細血管を収縮させる作用があるため、頭皮に送られる血液量が減りやすくなります。

また、過度の飲酒は身体の水分を消費し、頭皮の乾燥を引き起こしやすいです。

喫煙・飲酒習慣のある方は禁煙に取り組み、アルコールの摂取量を減らす努力をしてください。

頭皮の健康状態が気になるなら専門家のカウンセリングを受けましょう

頭皮の色はすき通った青色が理想ですが、鏡を見ても自分で判断できない方は、毛髪診断士など専門家のカウンセリングを受けるのがおすすめです。

気になった時にすぐ診てもらうと、仮に病気でも早期に治療を開始できます。

頭皮環境が悪化する原因はさまざまなため、自分の判断で対処せずに専門家の判断を仰ぎましょう。

健康な頭皮を保って薄毛の心配を取り除きましょう

健康な頭皮は透明感のある青白い色です。

頭皮が黄色やピンク色の方は適切な頭皮ケアを行い、改善を図りましょう。

赤色や茶色の頭皮は状態が悪化しているため、すぐ毛髪診断士などの専門家に診てもらってください。
健康な頭皮を保てば抜け毛や薄毛の心配も減ります。日頃の適切なケアや専門家のアドバイスで健康な頭皮を保ち、薄毛の心配を取り除きましょう。