抜け毛や薄毛は男性・女性を問わずデリケートな悩みのため、育毛剤を利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

育毛剤を正しく使用すると髪の毛の成長をサポートする効果が期待できますが、誤った使い方では効果が出ないばかりか、逆効果になる恐れもあるため注意が必要です。

また、育毛剤を使用すると同時に生活習慣を整えたり、頭皮マッサージに取り組んだりすることも大事な要素といえます。

当記事では育毛剤のタイプ別の使い方や効果を上げるためのポイント、および使用する際の注意点などについて解説します。育毛剤の利用を検討中の方は参考にしてください。

育毛剤の使い方をタイプ別で紹介

育毛剤にはいくつかのタイプがあるため、以下の点を意識して使用するのがポイントです。

• ローションタイプ…頭皮にノズルを当てて使用する
• スプレータイプ…エリアごとに数回に分けて噴射する

はじめに、育毛剤の使い方をタイプ別にご紹介します。

ローションタイプの使い方

ローションはクリームやジェルに比べて水分含有量が多く粘度が低いため、広範囲にまんべんなく塗りやすい点が特徴です。

使用前に振るタイプと振る必要がないタイプの2通りがあるため、育毛剤の箱に書かれている説明などを読んで確認してください。

ローションタイプの育毛剤は次のようにして使うのが基本です。

1. 容器のキャップをはずす
2. 逆さにして頭皮にトントンと押しあてる
3. キャップをしっかり閉める

ローションタイプの育毛剤はキャップを外して上下をさかさまにし、頭皮に押しあて、マッサージをするように塗りこみましょう。

使い終えたらキャップをしっかりと閉めて保管してください。

スプレータイプの使い方

スプレータイプの育毛剤は、中身の液体が霧状になって噴射されるため、ピンポイントで付けたい場所に塗布できる点が特徴です。

ワンプッシュした分だけ噴霧されるタイプと、ノズルを押している間ずっと噴霧されるタイプがあります。製品にもよりますが、どちらも使用前に振っておくのが一般的です。

スプレータイプの育毛剤は次のようにして使うのが基本です。

1. 頭皮から5～10cm離す
2. エリアごとに数回に分けて噴射する
3. 噴射した部位をもみ込む
4. 両手で頭皮全体になじませる

スプレータイプの育毛剤を使う際には髪の毛を少しかき分け、エリアごとに数回噴射するのが基本です。

噴霧を終えたら頭皮マッサージをするように両手の腹でもみ込み、頭皮全体になじませましょう。

育毛剤を使うべきタイミングとは？

育毛剤は基本的に以下2つのタイミングで使うようにしてください。

• 入浴・シャワー後など洗髪し、ドライヤーで乾かした後
• 朝のヘアセット前

ここでは、育毛剤を使うべきタイミングについて解説します。

入浴・シャワー後など洗髪し、ドライヤーで乾かした後

育毛剤は一日の中で頭皮がもっとも清潔になっている状態、すなわち入浴、もしくはシャワーの後に塗るのが基本です。

ローションタイプ・スプレータイプいずれの育毛剤も水分が多く含まれているため、ドライヤーをかける前に塗布すると液垂れして十分に浸透しないので避けてください。

ドライヤーで髪の毛や頭皮を8割ほど乾かしたタイミングで育毛剤を塗るのが効率的です。

育毛剤によって使い方が若干異なるケースもありますが、1日に1回塗るタイプであれば入浴もしくはシャワーの後、ドライヤーを掛けてから塗布するのがおすすめです。

朝のヘアセット前

1日に2回使うタイプの育毛剤は、入浴後にドライヤーを掛けた後と、朝のヘアセット前の2回塗布するのが基本です。

スタイリング剤を付けてから育毛剤を塗ると、スタイリング剤の成分が流れて毛穴をふさぐなどするおそれがあるため、ヘアセットをする前に育毛剤を塗りましょう。

日常的に夜にシャンプーをする方は、朝に髪の毛や頭皮を洗う必要はありません。

寝汗をかいてべたつきなどが気になる方は、シャンプーを使わずにお湯だけで汗を適度に洗い流し、ドライヤーで乾かしてから育毛剤を塗ると良いでしょう。

育毛剤を効果的に使うために意識したいこと

育毛剤を効果的に使うためには、以下の5点を押さえておく必要があります。

• 気になる箇所は分け目に塗布する
• 頭皮マッサージを行う
• 髪ではなく頭皮に馴染ませる
• 毛周期があるため最低6ヶ月は継続使用する
• 必ず使用方法を読む

ここでは、育毛剤を効果的に使うために意識したい5つのポイントについて解説します。

気になる箇所は分け目に塗布する

髪の毛のボリュームダウンなど気になる箇所がある方は、分け目を作ってから育毛剤を塗布するとムラなく馴染みやすくなります。意識としては髪の毛ではなく、頭皮に塗り込むイメージを持っておきましょう。

特にスプレータイプの育毛剤は各ブロックごとに分け目を作って塗布し、その後で指の腹を用いて揉みこむとムラなく頭皮に馴染みます。

一部分だけでなく頭部全体が気になる方は、頭を下記のブロックに分けて塗りましょう。

• 前頭部
• 頭頂部と側頭部
• 後頭部

いずれのブロックも分け目をさらに３つずつ作り、ブロックごとに育毛剤を塗るのがおすすめです。

ローションタイプの育毛剤には水分が多く含まれているため、頭頂部から始めて前頭部、左右の側頭部、後頭部の順番に塗ると効率的です。

頭皮マッサージを行う

育毛剤を効果的に使うためには、頭皮マッサージを合わせて行うのがおすすめです。

頭皮には毛細血管が張り巡らされており、身体のなかでも血行が滞りやすい箇所のため、日ごろから頭皮マッサージを行うとより発毛促進に繋がります。

ただし、頭皮マッサージを行う際に爪や指の先で頭皮を傷つけると肌トラブルの原因となるため、指の腹で優しくマッサージしましょう。

頭皮マッサージは以下の手順で行うのがおすすめです。

1.こめかみをほぐして頭全体の血行を改善

2.首筋を押し上げてコリをほぐす

3.頭皮をリラックスさせるツボを押す

髪ではなく頭皮に馴染ませる

育毛剤は髪の毛の成長をサポートするアイテムですが、髪の毛は毛母細胞の分裂によって成長するため、有効成分を頭皮下に送り届ける必要があります。

そのため、育毛剤は髪の毛に付けるのではなく、頭皮に塗布して指の腹などを用いて馴染ませるのがポイントです。

髪の毛に付着する育毛剤の量が多くなっても、あまり意味がないため注意が必要です。特にスプレータイプの育毛剤は髪の毛に付着しやすいので、分け目を作って塗布するなど工夫しましょう。

毛周期があるため最低6ヶ月は継続使用する

育毛剤を使用する際には、最低でも6ヶ月は継続使用するのが基本です。髪の毛には以下の毛周期があるため、育毛剤の効果があらわれるまでにはある程度の時間が掛かります。

• 成長前期
• 成長後期
• 退行期
• 休止期

毛周期の85%から90%を成長期が占めており、髪の毛はおよそ2年から6年かけて成長するのが特徴です。

髪の毛の成長が滞る退行期は毛周期のおよそ1%（2週間から3週間）、髪の毛が抜け落ちるのを待つ休止期はおよそ10%から15%（数ヶ月）を占めています。

そのため、育毛剤の使用を開始したタイミングが毛周期の退行期、もしくは休止期だと効果を実感しにくい傾向にあります。

育毛剤を使用するのであれば、毛周期が成長期に入るまで最低でも6ヶ月は使い続けるのがおすすめです。

参考：男性型脱毛症と育毛有効成分

必ず使用方法を読む

育毛剤を使用するには必ず添付文書やパッケージに書かれている説明を読み、使用量・回数を確認して正しく塗布しましょう。

なんとなくで量や回数を決めていると「使いすぎ」といったことがよく起こります。

また、いつも愛用している育毛剤なら大丈夫だと考えている方でも、リニューアルなどがきっかけで使用方法が変更になる可能性もあります。

自分の判断で誤った使い方を続けていると、最悪の場合、赤みやかゆみなどの頭皮トラブルを引き起こし、抜け毛や薄毛を招く可能性もあるため注意しましょう。

参考：毛髪用薬（発毛，養毛，ふけ，かゆみ止め用薬等）

育毛剤のNGな使用方法

育毛剤を使用する際には、以下の3つの注意点があること覚えておいてください。

• 頻繁に育毛剤を変える
• 育毛剤を過剰に使用する
• 他の育毛剤と併用する

育毛剤の効果は継続して使用しないと実感しにくいため、すぐに効果が見られないからと頻繁に育毛剤を変えるのはNGです。

育毛剤の用法・用量を守らず必要以上に塗布すると効果が高まるどころか、かえって毛穴が詰まるなどして、抜け毛などの頭皮トラブルを引き起こす可能性があります。

他の育毛剤を自己判断で併用するのもNGです。同じような有効成分が含まれた育毛剤を自己判断で併用すると、毛穴が詰まるリスクが増加します。複数の育毛剤を自己判断で併用すると思わぬ頭皮トラブルを招く可能性があることを覚えておきましょう。

育毛剤を使う人が必ず取り入れたい習慣

髪の毛の成長を促して抜け毛を予防するためには、育毛剤を使うだけでなく以下の習慣を取り入れる必要があります。

• 整髪料を多めにつける人は二度洗いをする
• 育毛剤に頭皮に負担がかかる成分が入っていないか見る
• 食事や睡眠の質にこだわる

ここでは、育毛剤を使う人が必ず取り入れたい3つの習慣について紹介します。

整髪料を多めにつける人は二度洗いをする

育毛剤を使う前にはシャンプーを行い、頭皮を清潔にしておく必要があります。

普段から整髪料を多めにつけている方は頭皮の汚れを十分に除去できない可能性があるため、二度洗いするのがおすすめです。

ただし、石油系の洗浄力が強いシャンプーでは必要な皮脂まで洗い流してしまうため、二度洗いを行う際にはアミノ酸系のマイルドなシャンプーを利用しましょう。

育毛剤に頭皮に負担がかかる成分が入っていないか見る

育毛剤に頭皮に負担がかかる成分が入っていると、かえって頭皮トラブルのリスクを増すなど逆効果になる可能性があります。

育毛剤を選ぶ際には以下のような成分が入っていない、頭皮に余計な負担をかけない商品を購入するのがおすすめです。

• 香料
• 着色料
• 鉱物油
• パラベン
• 紫外線吸収剤
• シリコーン
• 石油系界面活性剤

育毛剤のパッケージには成分表が記載されているため、上記の成分が含まれていないか確認してから購入しましょう。

参考：厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

食事や睡眠の質にこだわる

髪の毛は日々の食事から摂取する栄養素を基に作られるため、栄養バランスのいい食事を心がける必要があります。

髪の毛は硫黄を含んだタンパク質の一種「ケラチン」から作られるため、普段の食事に含硫アミノ酸を多く含む肉類ややカツオなどの魚介類、乳製品、ニンニク、ナッツ類などを取り入れましょう。

アミノ酸をケラチンへと再合成する際には亜鉛が必要となるため、牡蠣やレバー、アーモンドなども欠かさないようにしてください。

髪の毛は毛母細胞が分裂して成長しますが、毛母細胞の分裂は夜間に成長ホルモンが分泌されると活性化します。

入眠後およそ3時間から4時間後に訪れるゴールデンタイムに成長ホルモンの分泌が活発化するため、質のよい睡眠をとるのも髪の毛の成長を促すためのポイントです。