「朝シャワーははげる」と聞いて、習慣がある方は心配な場合もあるはずです。

確かに朝シャワーのやり方が正しくないと、頭皮環境の悪化により抜け毛や薄毛のリスクを高める可能性があります。

しかし、シャンプーによる頭皮へのダメージは朝も夜も変わらないため、適切な対処により抜け毛・薄毛の予防が可能です。

本記事のテーマは、朝シャワーがはげるといわれる原因や、はげないために意識したい3つのポイントです。

記事を最後まで読むと、朝シャワーのやり方を改善して薄毛を予防する方法がわかります。

朝シャワーの習慣があり、将来の薄毛が心配な方は参考にしてください。

朝シャワーがはげるは嘘！普段のやり方を要確認

結論、朝シャワー自体がはげる原因になるわけではありません。

しかし、髪の毛の洗い方やすすぎ方次第では、抜け毛や薄毛のリスクを高めやすいことを知っておきましょう。

ここでの「朝シャワー」は、夜浴びた上で朝もシャワーすることです。

1日に2回以上シャワーを浴びる方は、夜だけシャワーする方に比べて頭皮環境を悪化させるリスクが高くなります。

したがって朝シャワー自体が悪いのではなく、薄毛の予防にはやり方に注意が必要です。

朝だけシャワーを浴びる習慣ははげる原因になりやすい

朝と夜にシャワーをする方だけでなく、朝だけシャワーを浴びる方ははげるリスクが高くなるため要注意です。

朝だけシャワーを浴びる方がはげやすくなる理由は以下の通りです。

• 過剰な皮脂
• スタイリング剤の残り
• 寝具の汚れ

就寝前にシャワーを浴びるのは一日の間に蓄積した余分な皮脂やスタイリング剤を洗い流し、頭皮を清潔に保つためです。

特に過剰な皮脂は男性型脱毛症（AGA）の一因になり得るため気をつけましょう。

夜にシャワーを浴びずにスタイリング剤が頭皮に残ると、毛穴詰まりを起こして頭皮環境を悪化させる可能性があります。

また髪の毛や頭皮が不潔な状態で就寝すると、寝具に汚れが付着し雑菌が繁殖して頭皮の炎症を起こしやすいです。

朝シャワーを行うのは、あくまで就寝前のシャワーや入浴が前提としてください。

参考 男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

「朝シャワーははげるからやめたほうがいい」といわれる理由

「朝シャワーははげるからやめた方がいい」といわれる主な理由は以下の3つです。

• 洗髪で必要な皮脂まで落としやすいから
• 洗髪やすすぎが雑になりやすいから
• ドライヤーによる乾燥が甘くなりやすいから

洗髪で必要な皮脂まで落としやすいから

朝シャワーではげるといわれる理由の一つが、洗髪で必要な皮脂まで落としやすいためです。

皮脂はべたつきの元と敬遠されがちですが、頭皮を外部の侵入者や機械的刺激から守るはたらきを持ちます。

頭皮を守るべき皮脂が失われると頭皮環境が悪化して炎症を起こし、抜け毛や薄毛のリスクが高くなります。

市販のシャンプーには洗浄力が強い成分が配合されているものも多く、夜も朝も洗髪すると皮脂を落としすぎるため注意が必要です。

また、朝の出勤や通学前にシャンプーをすると時間や心の余裕のなさから強くこすりすぎ、頭皮環境の悪化を招くケースもあります。

洗髪やすすぎが雑になりやすいから

朝シャワーを行う際に洗髪やすすぎが雑になりやすい点も、はげるといわれる理由の一つです。

洗髪をする際には以下の手順で行うのが基本です。

• シャンプーの前にブラシで髪の毛をとかしておく
• 髪の毛だけでなく頭皮もしっかり予洗いする
• シャンプーを手のひらでしっかりと泡立てる
• 何箇所かに分けてシャンプーをつける
• 指の腹で頭皮をマッサージするよう優しく洗う
• 洗い残しがないようしっかりとすすぐ

夜なら気にならない上記の手順も、朝の忙しい時間だと煩わしく感じやすいです。

時間がないからと洗い方が雑になったり、シャンプーやトリートメントをすすぎ残したりすると、頭皮環境の悪化につながります。

特に「朝は時間に余裕がない」方は気をつける必要があります。

ドライヤーによる乾燥が甘くなりやすいから

洗髪後のドライヤーでの乾燥が甘くなりがちな点も、朝シャワーではげるといわれる理由の一つです。

ドライヤーでの乾燥が甘いと湿気を好む雑菌が繁殖しやすくなり、脂漏性皮膚炎のリスクが増加します。

脂漏性皮膚炎の主な症状は頭皮の赤みやフケの増加ですが、しばしば男性型脱毛症（AGA）を併発するため注意が必要です。

髪の毛が濡れたままだとキューティクルも開きっぱなしのため、頭皮だけでなく髪の毛にもダメージが加わりやすくなります。

洗髪の後は毛先から水滴が落ちない程度にタオルドライを行い、5〜10分で手早くドライヤーを済ませるのがポイントです。

朝シャワーする際にはげないために意識したいポイント

朝シャワーではげに繋がらないようにするためには、以下の3つのポイントを意識してください。

• シャワーするだけの余裕を持つ
• お湯だけ・水だけで洗髪する
• シャワー後は入念に乾かす

シャワーするだけの余裕を持つ

朝シャワーではげるのを避けるためには、シャワーするだけの余裕を持つのがポイントです。

「電車の時間が近い」「早く家を出なければならない」などの事情があると、どうしてもシャワーやドライヤーが雑になりがちです。

抜け毛や将来の薄毛を予防したいのであれば、シャワーする時間を確保できるように就寝・起床する必要があります。

平均的な髪の長さの男性であれば、丁寧にシャワー・ドライヤーを行っても15〜20分程度で済みます。

少しの時間を惜しみ、抜け毛や薄毛のリスクを高めないようにしましょう。

お湯だけ・水だけで洗髪する

朝シャワーではげるのを避けるためには、お湯だけ・水だけで洗髪する方法もあります。

市販のシャンプーには洗浄力の強い成分が含まれることが多いため、お湯だけ・水だけで洗髪すると頭皮を守るべき皮脂を洗い流すリスクを避けられます。

お湯の温度はぬるま湯程度（36℃〜38℃程度）で十分です。

むしろ熱いお湯の方が、頭皮を守るべき皮脂まで洗い流しやすいと覚えておいてください。

また、ぬるま湯で洗髪すると「しっかりすすぐ」意識が生じやすく、洗い残しのリスクも防ぎやすくなります。

夜にしっかりと洗髪していれば、朝はお湯だけ・水だけでも気になる臭いが生じることはありません。

シャワー後は入念に乾かす

朝シャワーではげるリスクを下げるためには、洗髪後に入念に乾かすのがポイントです。

髪の毛や頭皮がぬれている時間が長いと、雑菌が繁殖して皮膚炎を起こしやすい上、切れ毛のリスクも高くなります。

スタイリングの際に髪の毛が濡れていると、水と混じったスタイリング剤が頭皮に付着し、炎症を招く恐れがあります。

シャワーを終えたら清潔なタオルで毛先から水が落ちない程度にタオルドライしてください。

その後、髪の毛の根元から乾かし始め、8割がた乾いたら冷風に切り替えて仕上げます。

ドライヤーの時間が長すぎると髪の毛や頭皮にダメージを与えるため、5〜10分で乾かすのがポイントです。

朝シャンしないとベタベタする人は夜の入浴・洗髪方法も見直そう

朝シャンの習慣がある方の中には、起床時の頭皮や髪の毛のべたつきが気になる方もいるでしょう。

寝ている間にも汗をかくため起床時にべたつく可能性はありますが、夜の入浴時の洗い方やすすぎ方が甘くないか確認してください。

夜のシャンプーの湯温が低すぎると余分な皮脂が十分に落とせず、朝起きた時に頭皮や髪の毛にべたつきを残す可能性があります。

反対に、湯温が高すぎると頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまい、かえって皮脂の分泌量が増加するケースもあります。

シャンプーやコンディショナーのすすぎ方が甘いと、べたつきが残るだけでなく細菌繁殖の温床となるため注意が必要です。

夜の入浴時に正しいやり方で丁寧にシャンプーをしておけば、朝の頭皮や髪の毛のべたつきを減らせるでしょう。

朝シャワーではげることを防ぐために日頃からできる対策

朝シャワーではげることを防ぐためには、日頃から以下4つの対策を講じるのがおすすめです。

• 頭皮の保湿・髪の毛のトリートメントを行う
• 頭皮マッサージを行う
• 育毛剤を利用する
• 外出する際は紫外線の対策を行う

頭皮の保湿・髪の毛のトリートメントを行う

朝シャワーではげることを防ぐためには、日頃から頭皮の保湿や髪の毛のトリートメントを欠かさないでください。

頭皮が乾燥するとターンオーバーの乱れにより頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛のリスクが高くなります。

洗顔後に保湿を行うように、髪の毛を洗った後は専用の保湿クリームやローションで頭皮にうるおいを与えましょう。

また、1日に2回シャンプーをすると髪の毛にもダメージが加わるため、トリートメントでの保護が大切です。

保湿やトリートメントで頭皮・髪の毛を保護すると、抜け毛や薄毛を防ぐ効果が期待できます。

頭皮マッサージを行う

朝シャワーではげることを防ぐには頭皮マッサージも効果的です。

頭皮マッサージで血行を促進すると、髪の毛の成長に必要な栄養を頭皮へ送り届けやすくなります。

夜は洗髪後に湯船につかり、身体を温めながら頭皮マッサージを行うと良いでしょう。

リラックスした気分で頭皮マッサージを行うと自律神経のバランスが整い、睡眠の質を高める結果にもつながります。

朝は洗髪・ドライヤーの後に育毛剤を浸透させながら頭皮マッサージを行い、毎朝の習慣にするのがおすすめです。

頭皮マッサージを行う際には指の腹で優しく頭皮を動かし、爪や指の先で皮膚を傷つけないように気を付けてください。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

育毛剤を利用する

育毛剤の利用も朝シャワーではげることを防ぐ際に効果的です。

厚生労働省の「医薬部外品の効果効能の範囲」によれば、育毛剤には主に以下の効果および症状の改善が見込めます。

• 育毛
• 薄毛
• かゆみ
• 脱毛の予防
• 毛生促進 
• 発毛促進
• ふけ
• 病後・産後の脱毛
• 養毛

朝シャワーの後は頭皮が乾燥してダメージを受けやすいので、育毛剤で頭皮環境を整えて血行を促進し、薄毛を防ぐのがおすすめです。

朝シャワーの後にドライヤーで適度に頭皮を乾かし、育毛剤を浸透させるイメージでマッサージするとさらに効果的です。

乾燥肌や敏感肌の方は頭皮トラブルを避けるため、アルコール濃度の高い育毛剤は避けてください。

参考 医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

外出する際は紫外線の対策を行う

朝シャワーではげることを防ぐためには、外出する際の紫外線対策が欠かせません。

頭皮の表面は外部の刺激から肌を守るために皮脂膜で覆われていますが、朝シャンプーの後は皮脂膜が失われがちです。

皮脂膜が失われると刺激の強い紫外線に肌がさらされるため、外出の前に頭皮専用の日焼け止めを塗布してください。

保湿クリームと日焼け止めの重ね塗りでべたつきが気になる方には、オールインワンタイプの保湿剤がおすすめです。

日焼け止めだけでなく日傘や帽子などのアイテムも上手に使うと良いでしょう。

紫外線は夏や晴れの日だけでなく、冬や曇りの日も降り注いでいるため、一年を通して対策する必要があります。

朝シャワーや夜の入浴方法以外の生活習慣でも薄毛は予防できる

朝シャワーや夜の入浴方法によっては薄毛リスクを高めますが、抜け毛の原因は誤った頭皮ケアだけではありません。

睡眠不足や睡眠の質の低下、偏った栄養バランスの食事、ストレス、飲酒・喫煙習慣などは抜け毛リスクを高めるため注意が必要です。

適切な睡眠時間に関しては諸説ありますが、厚生労働省では6〜8時間の睡眠を推奨しています。

髪の毛は日々の食事から摂取する栄養素から作られるため、栄養バランスの取れた食事も抜け毛予防には欠かせません。

髪の毛を作る元となるタンパク質や、アミノ酸をケラチンに再合成する亜鉛、頭皮環境を整えるビタミン群などをバランスよく摂取してください。

自律神経のバランスを乱す原因となるストレスは定期的に発散し、お酒やたばこは可能な限り控えるのがおすすめです。

参考 健康づくりのための睡眠ガイド2023

朝シャワーのやり方を見直しても薄毛が進行するなら専門家へ相談

朝シャワーのやり方を見直し、生活習慣を改善しても薄毛が進行する方は、別に問題があると考えられます。

例えば男性に多く見られるAGA（男性型脱毛症）は主に遺伝が原因で発症するため、頭皮ケアや生活習慣の見直しでは改善が困難です。

また、甲状腺機能障害や自己免疫疾患、鉄欠乏性貧血などを発症すると、体調不良だけでなく抜け毛リスクを高めることがわかっています。

脱毛症や抜け毛を伴う病気の自然治癒は困難なため、専門家の診察を受けた上で必要に応じて治療する必要があります。

AGAには進行型の特徴があるため、適切な処置を怠ると抜け毛や薄毛が確実に進行するため注意が必要です。

朝シャワーのやり方を改善すれば薄毛は防げる

誤った頭皮ケアが原因で抜け毛が増えている場合、朝シャワーのやり方を改善すると薄毛を防ぐことが可能です。

そもそも朝シャワー自体がはげる原因ではなく、やり方次第で抜け毛リスクを高める可能性があると覚えておいてください。

朝シャワーの後は頭皮が乾燥しやすいため、専用のローションで保湿を行い、外出の際には日焼け止めを塗布するのがポイントです。

日常的に頭皮マッサージを行うと、髪の毛の成長に必要な栄養を頭皮へと送り届けやすくなります。

頭皮ケアのやり方の見直し以外にも、生活習慣の改善やストレスの発散、禁酒・禁煙により薄毛リスクを下げる効果が得られます。

頭皮ケアの見直しやセルフケアでは抜け毛が減らない方は、脱毛症や病気も疑われるため早めに専門家に相談しましょう。