「朝にシャンプーをしたはずなのに、夕方には頭皮や髪の毛がベタつく…」

髪の毛が油っぽくなるのを気にしている方の中には、「このまま放っておくと薄毛になってしまうのでは？」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

頭皮の過剰な油の分泌は、抜け毛や薄毛の原因の一つです。体質的に油っぽくなりやすい方もいますが、生活習慣や頭皮ケアの方法によって改善できるケースもあります。

本記事では、髪の毛や頭皮が油っぽくなる原因やその状態が進行するとどうなるのか、そして具体的な予防策も紹介します。髪の油っぽさに悩む方や将来の薄毛が心配な方は、健康な髪を維持するためのヒントにしてください。

髪の毛や頭皮が油っぽいとはげる可能性が高まる

髪の毛や頭皮が油っぽくなると、はげるリスクが高まります。過剰な皮脂分泌は毛穴を詰まらせ、頭皮環境を悪化させるためです。

髪の毛や頭皮の油っぽい状態が続くと毛根に十分な栄養が行き渡らず、髪の毛の成長が妨げられます。その結果、薄毛につながる可能性があるのです。

さらに、油っぽい頭皮は細菌の繁殖を促し、炎症を引き起こすこともあります。これにより、頭皮の状態が悪くなり、抜け毛が増える可能性があります。

健康な髪の毛を維持するためには、適切なヘアケアと生活習慣の見直しが重要です。

参考

男性型脱毛症「AGA」患者の頭皮に 粘度の高い皮脂成分（トリグリセリド）が多いことを発見｜大正製薬

そもそも頭皮の油の適量はどれくらい？確認方法も紹介

適切な頭皮の油分量を見極めることは、素人には困難です。しかし、一つの目安として頭皮の色を見る方法があります。

健康的な頭皮は青白く透明感があるように見えます。一方、黄ばんでいる場合やフケや粉っぽさがある場合は要注意です。

また、洗髪して髪を乾かした直後にも頭皮がベタつく場合や整髪料をつけていないのに髪の毛がベタついている場合も、頭皮の油が多いサインといえます。

セルフチェックとして朝晩に鏡で頭皮の色やベタつきを確認しましょう。異常があれば日頃のヘアケアや頭皮ケアを見直す必要があります。

参考

頭皮の健康度チェック｜大正製薬

髪の毛や頭皮が油っぽい人に多い特徴

髪の毛や頭皮が油っぽい方には、以下の特徴が見られる場合が多いです。当てはまるものがないか確認しましょう。

• 脂質の多い食事をよく摂る
• シャンプーで皮脂・汚れを洗い残している
• 睡眠や運動が不足している
• 乾燥肌である
• ストレスが溜まっている
• 過剰な飲酒・喫煙の習慣がある
• 加齢・更年期でホルモンバランスが乱れている

脂質の多い食事をよく摂る

髪の毛や頭皮が油っぽくなる大きな原因の一つが、脂質の多い食生活です。過剰な脂質の摂取は体内の油のバランスを乱し、皮脂の分泌量を増加させます。

脂質の多い食事には、ハンバーガーやフライドポテトなどのファストフード、スナック菓子、ラーメン、揚げ物、スイーツなどが該当します。

さらに、これらの食事には髪の毛の健康に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足しがちです。結果として、頭皮の過剰な油の分泌と栄養不足という二重の問題が発生し、健康的な髪の成長を妨げることになります。

シャンプーで皮脂・汚れを洗い残している

誤った方法でシャンプーしていると、髪の毛や頭皮が油っぽくなります。シャンプーで洗いきれなかった皮脂や汚れが毛穴を詰まらせ、新たに分泌される皮脂と混ざり合って頭皮環境を悪化させるためです。

髪の毛の生え際や耳の周り、首筋などは洗い残しが起きやすい部分なので気をつけましょう。また、シャンプーの成分を十分にすすげていない場合も頭皮や髪の毛がベタつく原因となります。

適切なシャンプーの方法を意識することで、清潔で健康的な頭皮環境を保てます。

睡眠や運動が不足している

睡眠不足や運動不足は、頭皮の油の分泌に大きく影響します。

睡眠不足の時には交感神経が優位になります。交感神経が優位になると皮脂腺が過剰に刺激され、必要以上の皮脂が分泌されてしまうのです。また、運動不足は全身の血行を悪くし、頭皮の新陳代謝も低下させます。

デスクワークが多く、夜更かしが続く生活を送っている方は要注意です。睡眠不足と運動不足の両方の影響を受ける可能性があります。

質の良い睡眠と適度な運動を心がけ、自律神経のバランスを整えましょう。健康的な頭皮環境を維持しやすくなります。

乾燥肌である

乾燥肌の方は、頭皮も油っぽくなる傾向にあります。これは、乾燥から身を守るために皮脂腺が過剰に反応し、必要以上の油分を分泌するためです。

特に冬場や湿度の低い環境では、この傾向が顕著になります。また、熱いお湯での洗髪や強すぎるシャンプーの使用は必要な油分まで奪い、かえって皮脂の過剰分泌を促してしまうため要注意です。

乾燥肌の方は刺激の少ないシャンプーを選び、適度な保湿ケアを行いましょう。これにより、バランスの取れた頭皮環境を目指せます。

ストレスが溜まっている

ストレス過多は、頭皮の油っぽさを引き起こす要因の一つです。これはストレスにより交感神経が常に刺激され、皮脂腺の活動が活発になるためです。

例えば、仕事や人間関係でのプレッシャー、睡眠不足などが続くと、皮脂の分泌量が増加します。さらに、ストレス時に増加するコルチゾールというホルモンも皮脂分泌を促進させます。

頭皮の健康のためにも、定期的なリラックスタイムの確保やストレスの解消が必要です。

過剰な飲酒・喫煙の習慣がある

過度の飲酒や喫煙は、頭皮の油っぽさを助長させる可能性があります。

アルコールは肝臓の解毒作用に負担をかけ、体内の代謝バランスを崩します。その結果、皮脂の分泌異常を引き起こすのです。

一方、タバコに含まれるニコチンは血行を悪化させ、頭皮の酸素や栄養の供給を妨げます。また、喫煙時に発生する活性酸素は頭皮の細胞にダメージを与え、正常な皮脂分泌を乱します。

過剰な飲酒や喫煙の習慣を控えることで、より健康的な頭皮環境を維持できるでしょう。

参考

アルコール｜厚生労働省

加齢・更年期でホルモンバランスが乱れている

加齢や更年期による頭皮の油っぽさは、ホルモンバランスの変化が主な原因です。特に、男性や女性ホルモンのバランスが崩れることで皮脂腺のはたらきが変化し、必要以上の油分が分泌されやすくなります。

40代以降に急に髪の毛や頭皮がベタつき始めたのであれば、ホルモンバランスの変化によるものかもしれません。

ホルモンバランスの変化は自然な生理現象の一つです。しかし、適切なスキンケアと生活習慣の改善により髪の毛や頭皮の油っぽさを和らげられます。

参考

更年期｜一般財団法人 女性労働協会

髪の毛の油っぽさを改善すればはげのリスクは減らせる

髪の毛や頭皮の油っぽさを適切にケアすることで、薄毛のリスクを抑えられます。

油っぽくなる原因には、脂質の多い食事や不適切なシャンプー方法、ストレス、睡眠不足などがあります。これらの原因を見直したり生活習慣を改善したりすることで頭皮環境が整い、髪の毛や頭皮の状態も良くなるでしょう。

しかし、生活習慣などを見直しても改善が見られない場合は、単なる皮脂の問題ではない可能性があります。例えば、男性型脱毛症や脂漏性脱毛症などの疾患が隠れており、自己流のケアだけでは改善が難しいなどの場合です。

対策を講じても髪の毛や頭皮の油っぽさが改善されない場合は、早めの専門家への相談をおすすめします。専門家の診断を受けることで、正確な原因特定と適切な治療法の選択ができます。

早期発見と早期治療が、薄毛の進行を防ぐポイントです。

油っぽい頭皮と毛髪のはげ（薄毛）が気になる場合は脂漏性脱毛症に注意

油っぽい頭皮と薄毛に悩んでいる方は、脂漏性脱毛症の可能性があります。脂漏性脱毛症は、頭皮の皮脂腺が過剰にはたらき、炎症を起こすことで髪の毛が抜け落ちる病気です。

脂漏性脱毛症の主な症状としてはフケ、かゆみ、赤み、油っぽい頭皮などが挙げられます。脂漏性脱毛症を放置すると脱毛が進行し、髪の毛が薄くなってしまう可能性があります。

頭皮の油っぽさや炎症が進行すると頭皮環境が悪化し、脱毛症へと発展しやすくなります。現段階でフケやかゆみ、赤みなどの症状が見られる場合は要注意です。

脂漏性脱毛症が疑われる場合は、市販のシャンプーなどでの対処は避け、専門家の診察を受けましょう。適切な診断と治療により症状の進行を防げると、健康的な頭皮環境を取り戻しやすくなります。

髪の毛や頭皮が油っぽくてはげることを予防する方法

髪の毛や頭皮の油っぽさによってはげないか不安な方は、以下の方法を実践して抜け毛を予防しましょう。

• 正しい方法で頭皮・髪の毛のケアを実践する
• 生活習慣を整える
• 育毛剤を使う
• 頭皮マッサージを習慣化する

正しい方法で頭皮・髪の毛のケアを実践する

髪の毛や頭皮の油っぽさを防ぐためには、正しい頭皮ケアやヘアケア方法を実践することが重要です。適切にケアすることで、過剰な皮脂を除去しながら必要な油分を保持できます。

特に、シャンプーやドライヤーの使い方を見直すと効果的です。シャンプーは指の腹で優しくマッサージし、すすぎ残しがないように注意しましょう。また、ドライヤーは髪から15センチほど離し、根元から毛先に向かって乾かすことでダメージを防げます。

これらのポイントを日常的で意識することで健康的な頭皮環境を維持し、油っぽさを軽減できます。

生活習慣を整える

健康的な頭皮環境の維持には、生活習慣の改善が欠かせません。身体全体の健康状態が頭皮の状態に直接影響を与えるためです。

具体的には、野菜や魚を中心とした栄養バランスの良い食事を心がけ、7時間程度の十分な睡眠を確保しましょう。ウォーキングなど簡単なもので良いので、週3回程度の運動も取り入れてみてください。これにより、血行促進と代謝アップが期待できます。

生活習慣を整えることでストレスや慢性疲労が軽減され、過剰な皮脂分泌も抑制されやすくなります。

育毛剤を使う

育毛剤には頭皮環境を整え、髪の毛の健康をサポートする効果が期待できます。使用方法としては洗髪後に適量を頭皮に塗布し、指で優しくマッサージするようになじませることがポイントです。

清潔な状態の頭皮に育毛剤をマッサージでなじませると、有効成分が浸透しやすくなります。これにより、血行促進や毛根への栄養供給が期待できます。

育毛剤は使用し続けることで効果が現れるため、毎日のケアに組み込むことがおすすめです。

参考

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

頭皮マッサージを習慣化する

頭皮マッサージは、油っぽい頭皮環境を改善する効果的な方法の一つです。マッサージを行うことで血行が促進され、老廃物の排出と栄養補給を助けます。

マッサージは、洗髪後に育毛剤を塗布してから行うのがおすすめです。指の腹を使って円を描くように優しく行います。

特に、こめかみや首筋のこりをほぐすことがポイントです。しかし、強い力でこすると逆効果になるので、優しいタッチを心がけてください。

継続的に頭皮マッサージすることで頭皮の血行が改善され、健康的な頭皮環境に近づきます。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

髪の毛や頭皮が油っぽい・はげが気になる方によくある質問

髪の毛や頭皮の油っぽさが気になる方は、以下のQ&Aを参考にしてください。

• 皮脂の多さと薄毛に関係はある？
• 頭皮が油っぽくて女性でも抜け毛になることはある？
• 皮脂の多さが原因の薄毛から回復するまでの期間は？

皮脂の多さと薄毛に関係はある？

直接的な関係はありませんが、頭皮の過剰な皮脂は薄毛につながる可能性があります。過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、健康的な髪の成長を妨げるためです。

過剰な皮脂は酸化して細菌の繁殖を促し、頭皮の炎症を引き起こします。その結果、毛根が弱くなり、髪の毛が細くなってしまうのです。

しかし、皮脂の多さは適切なシャンプーや生活習慣の見直しで改善できます。日々のケアや習慣を見直して頭皮環境を整え、薄毛のリスクを抑えましょう。

頭皮が油っぽくて女性でも抜け毛になることはある？

女性も頭皮の油っぽさが原因で抜け毛になる可能性があります。これは、女性ホルモンの変化やストレス、生活習慣の乱れなどにより、皮脂の分泌バランスが崩れるためです。

特に更年期や妊娠・出産期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期は要注意です。また、過度なダイエットや睡眠不足、強いストレスなども皮脂分泌を促進します。

女性も適切なヘアケアと生活習慣の見直しが必要です。日々のケアで健康的な頭皮と髪の毛を保ちましょう。

皮脂の多さが原因の薄毛から回復するまでの期間は？

皮脂の多さが原因の薄毛から回復するには、3ヶ月〜半年必要です。これは、頭皮環境の改善から新しい健康な髪が生えてくるまでに時間を要するためです。

しかし、薄毛から回復するまでの期間は個人差が大きく、症状の程度や改善方法、生活習慣の見直し具合によって変動します。早期に適切な対策を始め、継続的なケアを行うことで、より効果的な回復が期待できるでしょう。

髪の毛や頭皮が油っぽい状態は早めに改善してはげを予防しましょう

髪の毛や頭皮が油っぽい状態は、早めに改善することではげのリスクを抑えられます。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせたり頭皮環境を悪化させたりして、薄毛の原因となるためです。

髪の毛や頭皮が油っぽい状態は、食事や生活習慣、正しいヘアケア方法を見直し、原因別に対処することが重要です。そうすることで頭皮環境が整い、健康的な頭皮環境や髪の毛を維持できます。

しかし、これらの対策を講じても改善が見られない場合は、他の要因が関与している可能性があります。その場合は早めに専門家に相談し、適切な治療を受けましょう。

髪の毛や頭皮の油っぽさは、生活習慣や頭皮ケアの方法によって改善できる可能性があります。本記事を参考に実践できるものから対策して、抜け毛の不安を払拭しましょう。