「頭皮マッサージで髪が生えてきたって本当？」「頭皮マッサージを始めたけれど、効果が感じられない」など、頭皮マッサージの効果が気になる方もいるでしょう。

髪の毛は見た目を左右するので、どうにかして薄毛を改善したい方は多いです。頭皮マッサージは頭皮の血行不良を改善するため、健康な髪の毛が生えやすい頭皮環境を整える効果が期待できます。

ただし、誤った方法でマッサージを続けると、頭皮を傷つける可能性があるので注意が必要です。

本記事では、頭皮マッサージで髪の毛が生えてきた話は本当なのかを解説します。実例をもとにした効果や適切なマッサージ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

頭皮マッサージにはで健康な髪が生えるのを助ける効果が見込める

頭皮マッサージを継続すると健康的な髪の毛が生えるのを助ける効果が期待できます。

髪の毛の成長サイクル（毛周期）は「成長前期→成長後期→退行期→休止期」の4段階です。毛周期を繰り返すことで、抜け落ちても新しい髪の毛が生えてきます。

毛周期は、毛乳頭細胞のはたらきかけによって活性化されます。この毛乳頭細胞の活動を促進するには、頭皮マッサージによる刺激が効果的です。

このように、頭皮マッサージは健康な髪の成長に良い影響が見込めるため、薄毛が気になる方は継続して取り組む価値があるでしょう。

頭皮マッサージを続けた結果わかった髪の毛へのメリット

健康な髪の毛の方と比べて、薄毛の方は頭皮が硬いといわれています。毎日の頭皮マッサージを続けることで得られるメリットは、以下の通りです。

• 頭部の血行を改善して髪の毛の成長を促進できる
• 白髪を予防できる

頭部の血行を改善して髪の毛の成長を促進できる

健康な髪の毛に成長させるには、頭皮まで栄養素を届けなければなりません。しかし、頭皮が血行不良では髪の毛の成長に必要な栄養素が届かず、細く弱い髪の毛になる可能性があります。

血行不良の頭皮は通常よりも硬い状態です。この状態を放置すると、細く弱い髪の毛が増えてボリュームが減るかもしれません。

そのため、頭皮マッサージによって、頭皮への血流を増加させるのがおすすめです。血行不良を改善できれば、頭皮まで栄養素が届いて健康な髪の毛が育ちやすくなります。

薄毛が気になる方は、頭皮マッサージで頭皮環境の改善を目指しましょう。

参考 「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

白髪を予防できる

頭皮マッサージを継続することで、白髪の予防も期待できます。

髪の毛が黒く見えるのは色素幹細胞が正常にはたらいており、メラニン色素が生成されるからです。しかし、生活習慣の乱れやストレスによって色素幹細胞がダメージを受けると、メラニン色素が作られず白髪が目立ちやすくなります。

メラニン色素のはたらきを活性化させるには、頭皮マッサージによる血行不良の改善が必要です。頭皮への血流が増加することで、頭皮の老化や乾燥が防げるため白髪予防につながります。

若い頃よりも白髪が増えたと悩む方も、頭皮マッサージに取り組んでみましょう。

頭皮マッサージには髪の毛以外の面でもメリットが多い

頭皮マッサージの効果が期待できるのは、髪の毛だけではありません。頭皮のコリをほぐして血行を促進させることで、他の面でもメリットがあります。

• リラックス効果
• 顔のたるみの予防
• 肩コリの緩和

頭部には多くのツボがあり、頭皮マッサージを行うことでリラックス効果が期待できます。心地良い程度の力でマッサージを行えば、心身をリラックスさせる副交感神経の活性化にも効果的です。

また、頭皮マッサージでは頭皮を下から上に持ち上げるため、顔のたるみ予防にもつながります。コリ固まった頭皮の筋肉をほぐせば、顔の筋肉もリフトアップできます。

他には、頭部の血行が促進されることで全身の血流が良くなり、肩コリを緩和できるのもメリットです。

頭皮マッサージは自宅で手軽にできるため、継続してみましょう。

健康的な髪の毛を生やすために取り組みたい頭皮マッサージのやり方

頭皮マッサージの継続によって頭皮環境が整えられ、健康な髪の毛が育ちやすくなります。適切な効果を見込むために実践したい頭皮マッサージのやり方を紹介するので、ポイントを押さえておきましょう。

1. こめかみをほぐす
2. 首筋を押し上げる
3. 頭皮をリラックスさせるツボを押す

1.こめかみをほぐす

頭皮マッサージの前に身体を温めておくと、血流が促進されやすくなります。そのため、マッサージを行うタイミングはお風呂上がりがおすすめです。

硬くなった頭皮を柔らかくするには、こめかみ部分からほぐしていきます。親指の第一関節をこめかみに当てて、押し上げた状態で円を描くようにぐるぐるとマッサージしてください。

力をいれすぎないように親指の腹ではなく、第一関節を押し当てるのがポイントです。気持ち良いと感じる程度の強さでマッサージしましょう。

2.首筋を押し上げる

こめかみのマッサージが済んだら、次は首筋のコリをほぐしていきます。

頭の後ろで手を組み、両方の親指を首の付け根にあるくぼみに押し付けてください。この際にも力を入れすぎず、じんわりと気持ち良く感じる強さでほぐすのがポイントです。

首筋のコリをほぐしたら組んでいた手をほどき、後頭部を包み込むようにして首の付け根から頭頂部までマッサージします。頭皮はデリケートなので、爪を立てて傷つけないよう注意しましょう。

3.頭皮をリラックスさせるツボを押す

毛周期を促進させる毛乳頭細胞のはたらきを活性化させるには、指圧による刺激が効果的です。そのため、頭皮全体のコリをほぐしたら、頭皮をリラックスさせるツボを押しましょう。

頭部にはリラックス効果が期待できる「百会」というツボがあります。両耳を結んだ線

と鼻から上に通る線が交わる箇所を親指で押してください。

この時にも親指の爪で頭皮を傷つけないように指圧するのがポイントです。

頭皮マッサージで意識すべきポイントを紹介

頭皮マッサージには実行するタイミングや継続する期間など、意識しておきたいポイントがあります。健康な髪の毛が育ちやすい頭皮環境を整えるために、ポイントを把握しておきましょう。

• マッサージに適したタイミングで実行する
• 頭部のエリア区分を意識して全体をほぐす
• 育毛効果を高めるツボを意識する
• 効果を実感できるまで辛抱強く続ける
• 頭皮マッサージの際に育毛剤を使う

マッサージに適したタイミングで実行する

頭皮マッサージで健康な髪の毛が育ちやすい環境を整えるなら、適したタイミングで実行しましょう。

頭皮マッサージにおすすめのタイミングは、頭皮や髪の毛が清潔でリラックスした状態の時です。そのため、頭皮マッサージはシャンプー中や髪の毛を乾かした後、寝る直前などのタイミングが良いとされています。

ただし、入浴後に髪の毛が濡れた状態のままでは頭皮環境に悪影響があるため、しっかりと乾かしてからマッサージを行ってください。

1日の中で頭皮マッサージを実行するタイミングを決めて、忘れずに続けましょう。

頭部のエリア区分を意識して全体をほぐす

頭皮マッサージを行う際は、頭部のエリア区分を意識して全体をほぐしてください。

頭部はおでこから頭頂部に向かう「前頭筋」、両耳の上にある「側頭筋」、後頭部にある「後頭筋」の3エリアに区分できます。頭皮マッサージの効果を引き出すには、エリア区分を意識して全体的にほぐすことが大切です。

3エリアのコリをほぐすには、頭皮を動かすように意識してみましょう。マッサージを始めたばかりでは頭皮が硬くあまり動かないかもしれませんが、続けているうちにコリがほぐれて柔らかくなります。

育毛効果を高めるツボを意識する

頭部にはさまざまなツボがあり、頭皮マッサージの際に指圧することで育毛効果が期待できます。特に押さえておきたいツボは以下の通りです。

ツボ	効果
百会（ひゃくえ）	脱毛予防の効果が期待できる
通天（つうてん）	頭皮の血行促進が期待できる
天柱（てんちゅう）	後頭部の脱毛予防が期待できる
風池（ふうち）	後頭部の脱毛予防が期待できる
中府（ちゅうふ）	脱毛予防の効果が期待できる

ツボの指圧は少し痛みを感じる程度の力で5～10秒押します。指を離したら一呼吸置いて、5回ほど繰り返すのが効果的です。

効果を実感できるまで辛抱強く続ける

頭皮マッサージを始めても、すぐに効果が期待できるわけではありません。効果を実感できるまで、辛抱強く続けることが大切です。

マッサージは朝と夜の1日2回の頻度で、1回5分を目安に毎日行ってください。忙しい場合はシャンプーの時に頭皮マッサージを行うのがおすすめです。

また、マッサージによって頭皮の血流を増加させられますが、効果は一時的です。時間が経つと効果が失われるため、焦らずコンスタントに続けましょう。

頭皮マッサージの際に育毛剤を使う

頭皮マッサージを行うにあたって、効果をより見込むなら育毛剤を使いましょう。

育毛剤はすでに生えている髪の毛の成長を促進させ、髪が太く長く育ちやすい環境を整えます。なお、育毛剤を使用しても発毛効果には期待できないので注意してください。

育毛剤は頭皮や髪の毛が清潔な状態で使用するのがおすすめです。そのため、シャンプーを行った後に育毛剤を付けましょう。

マッサージのタイミングは育毛剤を付けてから1～2分が経った頃が目安です。頭皮環境を整える成分が行き渡ってから、頭皮マッサージを行います。

また、育毛剤は製品によって1日の使用回数が1回のものと2回のものがあります。1回のものは夜に、2回のものは朝の身だしなみの際と夜のお風呂上がりに使用しましょう。

参考 医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

誤ったやり方で頭皮マッサージすると逆効果になりやすい

頭皮マッサージは血行を促進して健康な髪の毛が育ちやすい環境を整えますが、誤ったやり方で続けていると逆効果になる可能性があります。以下のような誤った方法を続けないよう注意が必要です。

• 強い力でマッサージを行う
• 爪を立てて頭皮を傷つける
• 1日に頭皮マッサージを何度も行う

強い力や爪を立ててマッサージを行うと、頭皮にダメージを与えます。頭皮にできた小さな傷から細菌に感染すれば、炎症を引き起こして抜け毛のリスクを高めるかもしれません。

また、頭皮に良い効果があるからと、マッサージを頻繁に行うのも逆効果になるので気をつけてください。

頭皮マッサージでも生えてこない？しないほうがいい人の特徴

頭皮マッサージを行っても、必ず髪の毛が生えてくるわけではありません。以下の状態の方は逆効果な場合があるため注意しましょう。

• 皮膚が弱くてマッサージのやり方に自信がない
• すでに頭皮が炎症を起こして痛み・フケ・かゆみなどの症状がある
• 薄毛がかなり進行しており自分では対処できない状況にある

皮膚が弱くてマッサージのやり方に自信がない

皮膚が弱くてマッサージのやり方に自信がない場合は、自己流で行わずに専門家に相談しましょう。

皮膚が弱い場合は、マッサージによって敏感な頭皮を直接刺激することで、頭皮のダメージにつながる可能性があります。逆効果になり、抜け毛が増える場合もあるため注意が必要です。

また、誤ったやり方でマッサージを続けていると、頭皮を傷つける可能性もあります。頭皮は小さなダメージでもすぐに傷つくため、特に爪が長い方は要注意です。

やり方がわからないまま頭皮マッサージを続けず、まずは専門家に相談してみてください。

すでに頭皮が炎症を起こして痛み・フケ・かゆみなどの症状がある

すでに頭皮が炎症を起こして痛み・フケ・かゆみなどの症状がある方は、頭皮マッサージを控えましょう。

頭皮が炎症を起こしている場合、血行を促進させることで症状が悪化する可能性があります。フケ・かゆみなどの症状があるなら、皮脂分泌機能異常や皮脂を好むカビが原因かもしれません。

この場合、シャンプー時の摩擦も頭皮へのダメージとなります。もちろん頭皮マッサージも刺激となるため、行わないほうが良いでしょう。

また、すでに炎症を起こしている場合は頭皮マッサージを続けることで脱毛症を伴う可能性があるので、できるだけ早く専門家に相談するのがおすすめです。

参考 頭の痒みと抜け毛｜公益社団法人 鳥取県医師会

薄毛がかなり進行しており自分では対処できない状況にある

薄毛がかなり進行している場合は、頭皮マッサージでの改善はほとんど見込めません。自分では対処できない状況にあるため、まずは専門家に相談しましょう。

頭皮マッサージで薄毛の改善が見込めるのは、生活習慣の乱れや血行不良が原因の場合です。そのため、脱毛症や薄毛を伴う疾患の可能性がある方は、適切な治療が必要になります。

また、薄毛が進行している場合は髪の毛が弱くなっているため、頭皮マッサージが原因で脱毛が悪化する可能性もあります。自分では対処できない状況の方は、早めに専門家のもとで治療を始めましょう。

頭皮マッサージを一定期間続けても改善しないなら専門家へ相談

頭皮マッサージには血行不良を改善し、頭皮環境を整える効果が期待できます。しかし、頭皮マッサージでは効果が見込めないケースもあるため、一定期間続けても症状が改善しないなら専門家に相談しましょう。

適切な方法で頭皮マッサージを一定期間続けても改善しない場合は、自分では対処できない原因が他にあると考えられます。そのまま頭皮マッサージを続けても、逆効果になる可能性があるためあり注意が必要です。

頭皮マッサージの効果を実感できない方は、専門家に相談して原因を特定してもらいましょう。その上で、必要な治療を受けることが大切です。

また、脱毛症や薄毛を伴う疾患が原因の場合は、自然治癒が見込めません。早い段階での対処が重要なため、すぐ専門家に相談しましょう。

頭皮マッサージで頭髪の悩みを改善しよう

頭皮マッサージは血行不良の改善効果が期待でき、自宅での頭皮ケアとして簡単に取り入れられます。適切なやり方を押さえて実践し続ければ症状の改善も見込めるでしょう。

ただし、誤ったやり方で頭皮マッサージを続けるのは逆効果です。頭皮を傷つけてしまい、炎症を引き起こすリスクがあるため注意してください。

また、すでに薄毛が進行している場合は、頭皮マッサージだけでは改善が見込めません。できるだけ早く専門家に相談し、適切な治療を受ける必要があります。

薄毛の進行度や頭皮の状態を見極めて、効果を実感できるまで頭皮マッサージを辛抱強く継続しましょう。