美肌やダイエット効果など、美容に良い飲み物のイメージが強い豆乳ですが、髪の毛の健康にも効果が見込めることをご存知でしょうか？

豆乳は女性ホルモンと似たはたらきを持つ成分が含まれており、薄毛の原因となる男性ホルモンのはたらきを抑え、抜け毛を防ぐ効果が期待できます。

本記事では、豆乳の髪の毛への効果やおすすめの摂取タイミング、無調整豆乳と調整豆乳の違いなどを詳しく解説します。

最後まで読めば、豆乳を効果的に活用して健やかな髪を育むための知識が得られます。薄毛や抜け毛に悩む方はもちろん、髪の健康を維持したい方もぜひ参考にしてください。

豆乳は育毛に良い影響がある？

豆乳は育毛に良い影響を与えるとされています。原料の大豆に含まれるイソフラボンに育毛効果が見込め、毎日1パック（200ml）程度の摂取が推奨されている食品です。

女性ホルモンと似たはたらきをするイソフラボンは、男性ホルモンの過剰分泌を抑制し、薄毛の原因となる脱毛酵素のはたらきを抑える効果が期待できます。

さらに、豆乳にはたんぱく質やビタミン、ミネラルなど、髪の成長を促す栄養素も豊富に含まれています。これらの相乗効果により、豆乳を摂取すると健やかな髪の成長が見込めるでしょう。

豆乳（大豆）に含まれるイソフラボンが髪の毛の健康へ有効

豆乳に含まれる大豆イソフラボンには、薄毛対策に効果が期待できます。大豆イソフラボンが薄毛の原因物質の生成を抑制するためです。

薄毛の原因物質であるDHT（ジヒドロテストステロン）は男性ホルモンと酵素が結びつくことで作られますが、イソフラボンはこの酵素のはたらきを阻害してDHTの増加を抑えます。

また、イソフラボンには髪の成長を促したり、頭皮環境を整えたりする効果も見込めます。

さらに、美肌効果や更年期症状の緩和、骨粗しょう症予防など美容・健康にもうれしい効果が期待できるため、日頃から積極的に摂取したい成分の一つです。

イソフラボン以外に髪の毛への効果が見込める豆乳の成分

以下ではイソフラボン以外で髪の毛への効果が期待できる成分を解説します。

• 大豆たんぱく質
• レシチン
• ビタミンB群
• ビタミンE
• サポニン

大豆たんぱく質

大豆たんぱく質は、髪の毛の主成分であるケラチンを作るために必要なアミノ酸を豊富に含むため、毛髪に有効な成分の一つといえます。たんぱく質の構成要素であるアミノ酸を摂取することは、ハリやコシのある健康的な髪の毛の成長には欠かせません。

さらに、大豆たんぱく質はゆっくり消化・吸収されるため、腹持ちが良いのも特徴です。間食を防ぎ、薄毛の原因となる糖質や塩分の過剰摂取を抑える効果も期待できます。

レシチン

レシチンは、髪の毛自体に直接作用するわけではありませんが、健やかな頭皮環境を保つ上で重要な役割を果たします。血中コレステロールを低下させて血管を強化し、血行を促進する効果が期待できるためです。

頭皮への血流がスムーズになることで、髪の毛に必要な栄養素が十分に届き、健康的な成長をサポートします。さらにレシチンは自律神経のバランスを整えるはたらきもあるので、ストレス緩和にもつながります。

ビタミンB群

ビタミンB群は、髪の成長を支えるさまざまな役割を担う成分です。例えばビタミンB2は頭皮の皮脂バランスを整え、毛母細胞を活性化させることで、健康な髪の毛が生えやすい土台を作ります。

また、ビタミンB6は髪の主成分であるたんぱく質のはたらきをサポートします。さらにビタミンB7やB9も、髪の毛の合成や頭皮への栄養供給を促進するなど健やかな髪を育む上で欠かせません。

ビタミンB群の種類	髪の毛への効果
B2	皮脂の過剰分泌抑制、毛母細胞の活性化促進
B6	たんぱく質の代謝促進、髪の成長促進
B7（ビオチン）	ケラチンの生成促進、髪の健康維持
B9	血行促進、毛母細胞の活性化

ビタミンE

ビタミンEは、頭皮の老化を促す原因となる過酸化脂質の発生を抑え、健やかな頭皮環境を保つのに役立つ栄養素です。

さらに、ビタミンEには血管を拡張して血行を促進する効果もあります。頭皮全体への血流が活発になると髪の毛の成長に必要な栄養素が効率良く送られるため、薄毛対策や健康な髪の毛の成長促進のはたらきも見込めます。

サポニン

サポニンは血中を流れるコレステロールや中性脂肪を減らし、血流を改善して頭皮まで栄養が行き届きやすくします。

頭皮の栄養が不足すると髪の毛の成長が妨げられますが、サポニンがはたらくことで薄毛の原因を解消しやすいです。

また、サポニンには抗酸化作用もあり、頭皮のかゆみ・荒れを抑えて頭皮環境の乱れを防ぐ効果が見込めます。頭皮の臭いも抑えつつ、薄毛の予防が可能です。

リノール酸

リノール酸は血中コレステロールを減らし、血行を促進する効果を持つ成分です。髪の毛の成長に必要な栄養素が血流に乗って供給されるので、健康的な髪の毛を育むために有効といえます。

豆乳には血行促進効果のある成分が複数含まれているため、リノール酸との相乗効果も期待できます。

豆乳は無調整と調整のどちらが髪の毛に良い？違いを紹介

豆乳には、以下の特徴の異なる2種類があります。

• 無調整豆乳
• 調整豆乳

以下では、それぞれの特徴やどのような方におすすめできるか紹介します。

無調整豆乳

無調整豆乳は、大豆本来の風味や栄養をそのまま味わえるのが特徴です。大豆固形分が8%以上と定められており、大豆の味わいをダイレクトに感じられるため、大豆好きの方や栄養価を重視したい方におすすめです。

特に髪の健康に良いとされるイソフラボンやたんぱく質、ミネラル、亜鉛などは、調整豆乳よりも多く含まれています。そのため、効率的に栄養を摂取し髪の毛の成長をサポートしたい方は、無調整豆乳を選ぶと良いでしょう。

ただし、大豆特有の青臭さや風味が苦手な方は、飲みにくいと感じるかもしれません。初めての方は少量から試してみることをおすすめします。

調整豆乳

調整豆乳は、砂糖や塩などで飲みやすく調整された豆乳です。大豆の風味は控えめで、牛乳に近い味わいのため、豆乳初心者の方や、飲みやすさを重視したい方におすすめです。

カロリーや脂質も無調整豆乳に比べて低いため、ダイエット中の方や、カロリーを気にする方にも適しています。飲みやすいことから、毎日継続して摂取しやすいのもメリットです。

ただし、調整豆乳は砂糖が添加されているため、糖分の摂り過ぎには注意が必要です。また、無調整豆乳に比べて栄養価がやや低い点も考慮しておきましょう。

髪の毛に有効な豆乳の摂取タイミング

髪の毛のために豆乳を摂取するなら、就寝前がおすすめです。睡眠中は、傷ついた細胞を修復する成長ホルモンが活発に分泌されます。就寝前の摂取により、髪に必要な栄養素を効率的に補給し、成長ホルモンのはたらきを後押しすることが期待できます。

さらに、豆乳には「トリプトファン」というアミノ酸が含まれています。トリプトファンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となるため、質の高い睡眠をサポートする効果も期待できるでしょう。質の高い睡眠は髪の毛の成長にも良い影響を与えるため、一石二鳥といえます。

豆乳が苦手な方でも髪の毛のために栄養を摂るには？

豆乳の独特の風味が苦手な方は、調整豆乳のフレーバータイプを試してみましょう。最近ではバナナやココア、抹茶などさまざまなフレーバーの調整豆乳が販売されています。多くのバリエーションからお好みの味を見つけてください。

それでも豆乳の風味が気になる場合は、料理に活用するのもおすすめです。シチューやスープに加えれば、まろやかなコクが生まれます。

また、大豆イソフラボンを手軽に摂るなら、豆腐や納豆などの大豆製品もおすすめです。冷奴や湯豆腐、納豆ご飯などは、毎日の食事に手軽に取り入れられるので続けやすいでしょう。

髪の毛のためでも豆乳を飲み過ぎるとデメリットがある

豆乳は身体に良い成分が多く含まれますが、過剰摂取は避けましょう。特に男性の場合、豆乳を飲み過ぎると以下のデメリットを引き起こす可能性があります。

• からだつきがふっくらする
• 胸が少し膨らむ
• 性欲が減る
• 精子量が減る

これらのデメリットは、イソフラボンが女性ホルモンと似たはたらきをすることが原因です。適量であれば問題ありませんが、過剰に摂取するとホルモンバランスが乱れ、上記の症状が現れる可能性が高まります。

一般的には、1日1パック（200ml）程度が適量とされています。適量を守って、豆乳を楽しみながら健康な髪の毛を目指しましょう。

豆乳の摂取と一緒に取り入れたい髪の毛の健康へ有効な行動

豆乳の摂取と同時に取り入れたい以下の習慣を紹介します。

• 育毛効果を助ける栄養素を積極的に摂る
• 十分な睡眠時間をとる
• 適度な運動習慣をつける
• 頭皮マッサージの際に育毛剤を塗布する

育毛効果を助ける栄養素を積極的に摂る

豆乳だけでは補いにくい、育毛効果を高める栄養素とそれらを豊富に含む食材を紹介します。

栄養素	豊富な食べ物の例
鉄分	レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき
ビタミンA	にんじん、かぼちゃ、うなぎ、レバー
ビタミンC	ブロッコリー、パプリカ、キウイ

鉄分は酸素を頭皮に運ぶヘモグロビンの生成に不可欠で、不足すると髪の毛の成長に悪影響を与える可能性があります。また、ビタミンAには頭皮の健康を保ち、髪の毛の成長を促進する効果があります。

ビタミンCは、髪の毛の主成分であるコラーゲンの生成を助け、頭皮の血行を促進する栄養素です。積極的に摂取することで、ハリとコシのある髪の毛を育てます。

十分な睡眠時間をとる

髪の毛の健康を保つためには質の高い睡眠が欠かせません。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、傷ついた細胞の修復や新しい細胞の生成が行われます。このプロセスは、髪の毛の成長や頭皮の健康にも大きく影響します。

成人の睡眠時間は6～8時間が適切です。睡眠時間が足りないと、成長ホルモンの分泌が十分に行われず、髪の毛の成長サイクルが乱れる可能性があります。また、睡眠不足はストレスを増大させ、薄毛にもつながりかねません。

毎日少なくとも6時間以上の睡眠を確保し、質の高い睡眠を心がけることで健康な髪を育む土台を作れます。

参考 健康づくりのための睡眠ガイド2023｜厚生労働省

適度な運動習慣をつける

健康な髪の毛を育むためには、適度な運動習慣も必要です。運動は血行促進や新陳代謝の向上につながり、頭皮への栄養供給をスムーズにします。頭皮環境が整うことで髪の毛の成長を促し、抜け毛を防ぐ効果が期待できます。

激しい運動である必要はなく、大切なのは無理のない範囲で続けることです。日常生活に取り入れやすいウォーキングやヨガ、ストレッチなどの運動習慣を身につけることで、心身をリフレッシュし、ストレス軽減にもつながるでしょう。

ストレスは薄毛の原因の一つでもあるため、運動によるストレス軽減効果も健康な髪の毛を保つためには重要な要素です。 

頭皮マッサージの際に育毛剤を塗布する

髪の毛の健康のためには、頭皮マッサージの際に育毛剤を使用してみましょう。頭皮マッサージは血行促進や毛穴の汚れ除去に効果的で、健康な髪の毛の成長に役立ちます。

さらに、頭皮マッサージと育毛剤を組み合わせることで、より高い効果が期待できるでしょう。マッサージによって血行が促進された状態であれば、育毛剤の有効成分が効率的に毛根に届けられ、発毛や育毛を促進する効果が高まります。

頭皮マッサージは、毎日の継続が大切です。続けることで徐々に効果を実感できるでしょう。

参考

厚生労働省｜医薬部外品の効能効果の範囲

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

進行した薄毛は豆乳を摂っても改善が難しい

豆乳は薄毛対策に効果が期待できますが、進行した薄毛や抜け毛、あるいは脱毛症の場合は、豆乳だけで改善するのは難しいでしょう。

薄毛や抜け毛の原因はさまざまであり、ホルモンバランスの乱れや遺伝、ストレス、栄養不足など、複合的な要因が絡み合っている場合もあります。進行した薄毛の場合、原因に対処しなければ、豆乳を飲んでも思うような効果は得られません。

抜け毛の症状が気になる場合は、自己判断せずに、まずは専門医のカウンセリングを受けることをおすすめします。専門医の診断のもとで適切な治療や対策を行えば、より効果的な薄毛の改善が目指せるでしょう。

豆乳を適度に摂って髪の毛を健康に保ちましょう

豆乳には髪の毛の成長をサポートするイソフラボンをはじめ、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。血行促進やストレス軽減効果も期待できるため、健やかな頭皮環境を保つ上でも心強い味方です。

豆乳の効果を引き出すためには、適切な摂取タイミングや量を守ることが大切です。また睡眠や運動、栄養バランスの取れた食事など日々の生活習慣にも気を配ることで、さらに効果を高められるでしょう。

ただし、進行した薄毛の場合は豆乳だけで改善するのは難しいため、専門医に相談して症状にあった治療を受けることが必要です。

適切な治療と並行して豆乳を毎日の生活に取り入れることで、健やかな髪の毛を育みましょう。