「ブリーチすると薄毛になると聞いて心配」「薄毛が気になるけどブリーチはしたい」

このような疑問やお悩みを持つ方も多いでしょう。

ブリーチには髪の毛や頭皮にダメージを与える成分も含まれるため、抜け毛や薄毛のリスクを高める可能性があります。

本記事のテーマはブリーチが薄毛の原因になりうる理由と、抜け毛や薄毛を予防する5つのコツです。

記事を最後まで読むと抜け毛や薄毛のリスクを下げつつ、ブリーチを続ける方法がわかります。

記事の後半ではブリーチよりも薄毛の原因になりにくいヘアカラーを紹介するため、抜け毛や薄毛が気になる方は参考にしてください。

ブリーチすると薄毛の可能性が高まる

ブリーチと薄毛との関係を理解するためには、ブリーチで髪の色が明るくなる仕組みを知っておく必要があります。

ブリーチの一剤に含まれているアンモニアには、髪の毛の表面を覆うキューティクルをアルカリ性に傾けて開く特徴があります。

ブリーチの二剤には過酸化水素が含まれており、一剤により開かれたキューティクルから髪の毛の内部に浸透し、色素細胞のメラニンと化学反応を起こす点が特徴です。

二剤とメラニンとの化学反応により活性酸素が発生すると、メラニンが分解されて髪の毛の色が抜けやすくなります。

アンモニアや過酸化水素は髪の毛だけでなく頭皮にもダメージを与えるため、ブリーチの頻度が高いと抜け毛や薄毛の可能性が高まります。

参考 ７．メラニンに何が？（ブリーチ）｜山野美容芸術短期大学

ブリーチが薄毛の原因になりうる理由

ブリーチが薄毛の原因になりうる理由は以下の3つです。

• アルカリ性のブリーチ剤が髪の毛を強く傷めるから
• ブリーチ剤が頭皮につくと乾燥しやすくなるから
• ヘアカラーに応じて一日に何度もブリーチすることがあるから

アルカリ性のブリーチ剤が髪の毛を強く傷めるから

髪の毛は外側からキューティクル・コルテックス・メデュラの3層構造です。

髪の毛の表面を覆うキューティクルは酸性が強いと閉じ、アルカリ性が強いと開く点が特徴です。

ブリーチの一剤にはアルカリ性のアンモニアが含まれているため、キューティクルが開いて二剤の浸透を容易にします。

二剤のはたらきで活性酸素が発生すると、髪の毛自体も酸化（酸化重合）して痛むため、抜け毛や薄毛のリスクが高くなります。

パーマやヘアカラーなどに比べると、ブリーチが与える髪の毛への負担は大きいと知っておきましょう。

ブリーチ剤が頭皮につくと乾燥・炎症につながるから

ブリーチに用いられる溶剤が頭皮に付着すると、乾燥してかゆみや炎症を起こしやすくなります。

前述の通りブリーチに用いられる溶剤はパーマやヘアカラーに比べて刺激が強く、炎症により頭皮環境が悪化すると髪の毛の成長に悪影響をおよぼす可能性があります。

また、頭皮が乾燥するとかえって皮脂の分泌量が増加し、脂漏性皮膚炎を招く可能性もあるため注意が必要です。

脂漏性皮膚炎はその他の皮膚炎とは異なり、かゆみが弱いケースが多く、気づくのに遅れると慢性的な経過をたどる傾向にあります。

脂漏性皮膚炎を発症するとフケやほこりと皮脂が混じり合い毛穴をふさぎ、炎症を起こして抜け毛リスクを高めやすくなります。

参考 頭の痒みと抜け毛｜公益社団法人 鳥取県医師会

ヘアカラーに応じて一日に何度もブリーチすることがあるから

日本人の髪の毛は黒に近いため、明るくするのに複数回のブリーチが必要なケースもあります。

髪色を明るくしようと何度もブリーチすると、回数を重ねるたびに髪の毛や頭皮への負担は増大します。

特におしゃれ目的や白髪を目立たなくさせる理由で、髪色を人気のアッシュグレーにしたい方は注意が必要です。

ブリーチなしでアッシュグレーにすると色味が黒に近いため、白っぽい見た目にするためにはブリーチを複数回行う必要があります。

美容室では複数回のブリーチのダメージを考慮して溶剤を変更するケースもありますが、自分でブリーチをする方はダメージが大きいことを知っておきましょう。

ブリーチでの薄毛を予防するコツ

ブリーチでの薄毛を予防するコツは以下の5つです。

• 美容室でヘアカラーのプロにブリーチを依頼する
• ブリーチ前のシャンプーを控える
• 頭皮にブリーチ剤がつかないように注意する
• 実施回数を一日に2回に抑える
• ブリーチ後は頭皮の保湿・冷却など入念にケアする

美容室でヘアカラーのプロにブリーチを依頼する

ブリーチでの薄毛を予防したいなら、美容室でヘアカラーのプロにブリーチを依頼するのがおすすめです。

専門店でプロにブリーチの施術を依頼すれば、自分で行う場合に比べて効果的かつ安全に髪色を明るくできます。

また、専門店で施術を受けると髪の毛や頭皮に加わる負担が減らせる上、ダメージを抑えるためのケアも教えてもらえます。

人気のアッシュグレーにする場合も専門店では刺激の少ない溶剤にするなど、髪の毛や頭皮の状態に配慮してくれる点もおすすめのポイントです。

ブリーチ前のシャンプーを控える

ブリーチでの薄毛を予防するためには、ブリーチ前のシャンプーを控えましょう。

頭皮は皮脂と汗で構成される皮脂膜により覆われており、外部の侵入者や機械的刺激から肌を守っています。

しかし、ブリーチの前にシャンプーをすると、皮脂膜が失われて頭皮にダメージが加わりやすくなります。

ブリーチをする際には、前日の夜からシャンプーを控えるのがポイントです。

また、ブリーチの溶剤が髪の毛に浸透するまで24時間は放置し、その後でシャンプーしてください。

頭皮にブリーチ剤がつかないように注意する

ブリーチをする際には溶剤が頭皮につかないように注意すると、薄毛を予防する効果が期待できます。

美容院では溶剤が頭皮につかないよう細心の注意を払い施術しますが、自宅で行う際には特に注意が必要です。

頭皮にブリーチが付着すると溶剤に含まれる成分が毛穴の内部に侵入し、炎症を起こして髪の毛の成長に悪影響をおよぼす可能性があります。

ブリーチにより毛母細胞が死滅するような危険性はありません。

しかし、短期間に施術を繰り返すと頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛のリスクを高めると覚えておきましょう。

実施回数を一日に2回に抑える

ブリーチの二剤はキューティクルから内部に侵入し、メラニン色素を分解して脱色する点が特徴です。

キューティクルから侵入したブリーチの二剤は、髪の毛の85〜90%を占めるコルテックスにもダメージを与えると知っておきましょう。

コルテックスは髪の毛の太さや柔軟性に深く関わっており、ブリーチで破壊されると髪が細くなったりちぎれたりするリスクが増加します。

髪が細くなったりちぎれたりすると、ブリーチで髪の毛の色が明るくなった際に薄毛が目立ちやすくなります。

薄毛を予防するためには、一日に実施するブリーチの回数を2回までに抑えるのがおすすめです。

ブリーチ後は頭皮の保湿・冷却など入念にケアする

ブリーチは髪の毛だけでなく、頭皮にもダメージを与えます。

ブリーチを実施した直後は何も症状がないケースでも、しばらくしてから頭皮がヒリヒリし始める現象は多く見られます。

ブリーチ後にダメージを受けた頭皮には、冷却および保湿が有効です。

頭皮がひりひりする際には流水で冷やし、翌日のシャンプーは湯温を低めの36〜38℃程度に設定してください。

ブリーチの後は頭皮が乾燥してダメージを受けやすい状態のため、専用のローションで保湿するのも忘れないでください。

頭皮にかさぶたができている場合は、爪ではがさないよう気をつけましょう。

ブリーチでしみる・痛いと感じたら施術の中断も検討しよう

ブリーチの施術で頭皮がしみたり、痛みを生じたりする場合は、施術の中断も検討してください。

施術中にしみる感覚や痛みを生じるケースでは、髪の毛や頭皮にも大きなダメージが加わっています。

そもそも髪の毛や頭皮が弱く、ブリーチに向いていない可能性もあるでしょう。

ブリーチのダメージを放置して施術を続けると、さらに髪の毛にダメージが加わり切れ毛のリスクが高くなります。

また、頭皮のしみる感覚や痛みを放置すると頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛を招くリスクも高くなるため注意が必要です。

美容室で施術を受けている際にしみる・痛いなどの感覚が生じる方は、すぐに担当のスタッフに相談してください。

ブリーチ以外にカラーリング・パーマ等も薄毛の可能性を高めやすい

ここまでブリーチで脱色が起こるメカニズムや施術に伴うリスク、薄毛を予防する方法を解説しました。

髪の毛の色を変えたい方はブリーチだけでなく、カラーリングやパーマなども薄毛の可能性を高めやすいと知っておきましょう。

カラーリングもアルカリ剤がキューティクルを開き、過酸化水素が髪の毛の内部に侵入する点でブリーチと変わりがありません。

パーマは一剤に含まれる還元剤が髪の毛のシスチン結合を切断し、二剤で酸化して再結合させる点が特徴です。

いずれも髪の毛にダメージを与える点ではブリーチと変わりがないため、施術頻度には注意する必要があります。

カラーリングの施術ではありませんが、縮毛矯正も髪の毛のシスチン結合を切断する施術のため注意が必要です。

参考

ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意！｜政府広報オンライン

パーマのメカニズム－毛髪内部の３つの側鎖結合

ブリーチよりも薄毛になりにくいヘアカラー方法を紹介

ブリーチが原因の薄毛を避けたい方には、以下4つのカラーリング法がおすすめです。

• カラートリートメント
• ヘアマニキュア
• ヘアカラースプレー
• ヘアマスカラ

カラートリートメント

カラートリートメントとはヘアケア商品の一種です。カラー剤と一緒にトリートメント成分を含む点が特徴です。

ブリーチとは異なり、髪の毛の内部に侵入してメラニンやコルテックスを破壊しません。

髪の毛にダメージを与えない上、アレルギーの心配がないためパッチテストが不要な点もメリットの一つです。

カラートリートメントのデメリットは、元の髪色より明るくできないことや、色落ちしやすいことです。

シャンプーをするたびに少しずつ元の髪色に戻る上、汗や雨でも色落ちしやすいため注意してください。

ヘアマニュキュア

ヘアマニキュアはヘアカラーの一種です。髪の毛の表面をカラー剤でコーティングするのが特徴です。

髪の毛の内部に色素を浸透させるのではなく、表面とやや内側を染める程度のため、内部組織を傷めない点がメリットとなります。

カラー剤でコーティングする手法のため、髪の毛にハリやコシが生まれるメリットもあります。

ヘアマニキュアのデメリットは、完全な黒髪には効果が期待できない点や、地肌に付着すると落ちにくい点です。

また、ヘアマニキュアが完全に落ちるまでは、ヘアカラーの施術ができないことも覚えておきましょう。

ヘアカラースプレー

ヘアカラースプレーは髪の毛の表面に顔料などの着色剤を吹きかけ、一時的に色を付ける手法です。

シャンプーですぐに落ちるため、気軽にヘアカラーを楽しめる上、髪の毛や頭皮に過度の負担がかかりません。

薬局やドラッグストアで購入できる他、100円ショップでも入手できるため手軽におしゃれを楽しめる点がメリットの一つです。

デメリットはヘアカラースプレーは汗や雨などで落ちやすく、衣服に付着しやすい点がデメリットとなります。

また、ヘアカラースプレーには油分やコーティング成分が含まれているため、毛穴に付着しないよう気をつけましょう。

ヘアマスカラ

ヘアマスカラは髪の毛に対して用いるマスカラで、主に白髪隠しやヘアセットに用いられます。

白髪染めをしてから時間がたつと徐々に髪の毛の根元が白く目立ち始めますが、ヘアマスカラを使うと簡単に隠せる点がメリットの一つです。

ヘアセットに用いるとアホ毛を押さえたり、前髪の形を長時間キープしたりする効果が得られます。

ヘアマスカラのデメリットは、広い範囲を染めるには向いていないことです。

また、ヘアマスカラの効果は一時的なため、本格的な対策としては白髪染めなどがおすすめとなります。

ブリーチを控えても薄毛の症状が進むなら専門家へ相談

ブリーチを控えても薄毛の症状が進む方は、なるべく早めに毛髪診断士などの専門家に相談しましょう。

正しいやり方で施術しても抜け毛や薄毛が見られる場合、ブリーチ以外の原因が疑われるためです。

脱毛症や病気が原因で抜け毛や薄毛を招いている場合は自然治癒が難しいため、専門家に相談して適切な措置を講じなければなりません。

脱毛症の中でもAGA（男性型脱毛症）には進行型の特徴があり、適切な措置を怠ると抜け毛や薄毛が確実に悪化します。

抜け毛だけでなく動悸や手足の震え、体重減少、下痢、発汗などが続く方は、甲状腺機能の異常も疑われます。

抜け毛や薄毛の原因はさまざまで自分で判断できないことも多いため、専門家の診察や検査を受けて突き止めることが重要です。

薄毛が気になるならブリーチを控えることが最も簡単な対策

ブリーチは髪の毛の表面にあるキューティクルを開いて、内部のコルテックスやメラニンを破壊するため、髪の毛へのダメージが避けられません。

ブリーチ剤に含まれる成分は肌への刺激も強いため、頭皮環境の悪化を招き薄毛リスクを高める恐れもあるため注意が必要です。

将来の薄毛が気になるのであれば、ブリーチを用いたカラーリングを控えることが簡単な対策といえるでしょう。

ヘアカラーやアレンジを楽しみたい方は、ブリーチと比較して髪の毛や頭皮にかかる負担が少ないカラートリートメントやヘアマニキュアを選択するという方法もあります。

ヘアカラーの方法はさまざまですが、多かれ少なかれ髪の毛や頭皮に負担がかかります。ヘアカラーの施術頻度を減らすことも大切なポイントです。