「最近、髪の毛が薄くなってきた気がする」「薄毛を自分で治す対策はないのかな」

このように薄毛に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

薄毛の原因はさまざまですが、生活習慣の改善や適切なケアを行うことで、改善が見込めるケースもあります。

本記事では薄毛の原因や自分でできる改善策、専門家へ相談すべきサインについて詳しく解説します。最後まで読めば自分の薄毛の原因が何なのか、どのような対策を取れば良いのかがわかるでしょう。

薄毛を自分で治す方法を知りたい方、将来的な薄毛が気になる方もぜひ参考にして健やかな髪の毛を取り戻しましょう。

薄毛の原因によっては自分で治す方法がある

薄毛は原因によって自分で治せる方法があります。生活習慣の乱れが主な原因の薄毛であれば、食事の改善や睡眠の質の向上、ストレスの軽減など生活習慣の見直しで改善が見込めます。

しかし、脱毛症などの病気によって起きている薄毛の場合、自然に治ることは難しく専門家による治療が必要なケースは多いです。

また遺伝や加齢、女性特有のライフイベントによるホルモンバランスの乱れなどの生理的な原因で薄毛が進行する場合もあります。

この時、完全に薄毛を治すことは難しいですが、進行を遅らせる対策は可能です。

生活習慣による薄毛を自分で治す方法｜改善編

生活習慣による薄毛を自分で治す改善方法は以下の通りです。

• 質の高い睡眠時間を十分に確保する
• 髪の毛に良い栄養素が豊富な食べ物を摂る
• 適度な運動の習慣を身につける
• 誤ったヘアケアを見直す
• ストレスを溜めない生活を心がける
• 過度な飲酒・喫煙をやめる
• 髪の毛を傷める・抜く癖をやめる

それぞれ詳しく解説します。

質の高い睡眠時間を十分に確保する

睡眠は髪の毛の成長にとって非常に重要な要素です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは髪の毛の生成を促すはたらきがあり、十分な睡眠時間を取ることで代謝が上がり髪の毛の成長を促進できます。

反対に睡眠不足は身体的な疲労やストレスを溜めやすく、それが原因で抜け毛が増えたり髪の毛が細くなったりする可能性があります。自律神経のバランスを崩し、頭皮の血行不良を引き起こす原因にもなりかねません。

睡眠の質を高めるためには睡眠前の過ごし方や寝室の環境も大切です。寝る前のスマホの使用は脳を興奮させ、寝つきづらくなるので避けましょう。

また部屋の明るさも睡眠の質に影響するため、照明を暗くしたり遮光カーテンを使用したりするなどの工夫をしましょう。

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

住宅照明中のブルーライトが体内時計と睡眠覚醒に与える影響

髪の毛に良い栄養素が豊富な食べ物を摂る

髪の毛の健康維持にはバランスの取れた食事が重要です。髪の毛の主成分はタンパク質であり、これを構成するアミノ酸が不足すると、髪の毛の生成が阻害されて抜け毛の原因となることがあります。

以下は、髪の毛に良い栄養素と食べ物の例です。

栄養素	食べ物の例
タンパク質	肉類、魚介類、卵、大豆製品
ビタミンB	レバー、豚肉、卵、ナッツ類
ビタミンE	ナッツ類、種子類、植物油
亜鉛（ミネラル）	牡蠣、レバー、牛肉
カルシウム	牛乳、ヨーグルト、小魚

髪の毛の主成分であるタンパク質の十分な摂取は、髪の毛の成長を促し健康な髪の毛の維持に役立ちます。ビタミンB群は髪の毛の代謝を活発にする、健康な髪の毛を育むために必要な栄養素です。

ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、髪の毛の酸化を防ぎます。また、頭皮の血行を促進し髪の毛に栄養が行き渡りやすくなります。

亜鉛は髪の毛の生成を促し抜け毛を防ぐはたらきがあり、髪の毛の健康維持に欠かせないミネラルです。髪の毛を構成する成分のカルシウムも、髪の毛の強度を保つために積極的に摂取したい栄養素といえるでしょう。

参考

栄養に関する基礎知識｜国立循環器病研究センター

適度な運動の習慣を身につける

運動は髪の毛の健康維持に非常に有効です。運動不足は頭皮の血行不良を引き起こし、髪の毛に必要な栄養が行き届きにくくなり、髪の毛が細くなったり抜け毛が増えたりする原因へとつながります。

適度な運動は頭皮の血行を促進し、髪の毛の成長を促します。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、全身の血流を改善し頭皮の環境を整える効果が期待できるでしょう。

また、ヨガやストレッチなどの軽い運動にはリラックス効果があり、ストレスの軽減にもつながります。ストレスは抜け毛の原因になるため、ストレスを溜め込まないことも大切です。

参考

身体活動・運動｜厚生労働省

誤ったヘアケアを見直す

髪の毛をいたわるつもりで実践しているヘアケアが、実は薄毛を悪化させている可能性もあります。シャンプーの選び方や洗い方、ドライヤーの使い方、ヘアアレンジの仕方、パーマやカラーの頻度など、日々のヘアケアを見直してみましょう。

例えば洗浄力の強いシャンプーを毎日使うと頭皮の必要な油分まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥してフケやかゆみの原因になることがあります。

また、髪を強く引っ張るヘアスタイルや、頻繁なパーマやカラーリングも髪の毛や頭皮にダメージを与え、抜け毛を促進しやすいです。

髪の毛や頭皮にやさしいシャンプーを選び、丁寧なケアを心がけることは薄毛改善への第一歩となります。

参考

ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意！｜政府広報オンライン

ストレスを溜めない生活を心がける

薄毛を予防するためには、ストレスを溜め込まない生活を送ることが大切です。ストレスを感じやすい環境から離れたり、リラックスできる趣味を見つけたり、適度な運動を取り入れたりするなど、自分なりのストレス解消方法を見つけることが重要です。

例えばヨガや瞑想は心身をリラックスさせ、ストレスを軽減する効果が期待できます。また、自然の中で過ごす時間や友人との会話もストレス解消に役立つでしょう。

心身ともにリラックスできる生活を送ることは、自律神経のバランスを整え、薄毛の改善が期待できます。

過度な飲酒・喫煙をやめる

過度な飲酒や喫煙は、髪の毛の健康に悪影響を及ぼすとされています。アルコールは体内のビタミンB群を消耗させ、髪の毛の成長に必要な栄養素のバランスを崩します。

また、喫煙は毛細血管を収縮させ、頭皮への血流を悪化させる原因です。頭皮への血流が悪くなると髪の毛に必要な栄養が行き届かなくなり、抜け毛の原因となる可能性があります。

完全な禁酒・禁煙が理想ですが、急に習慣を変えるのは難しい方もいるかもしれません。まずは飲酒量や喫煙本数を少しずつ減らすことからはじめてみましょう。

禁酒・禁煙は、髪の毛の健康だけでなく、全身の健康にも良い影響をもたらします。薄毛改善や自身の健康のために、ぜひ生活習慣の見直しを検討してみてください。

参考

アルコール｜厚生労働省

禁煙治療ってどんなもの？｜厚生労働省

髪の毛を傷める・抜く癖をやめる

無意識に髪の毛を引っ張ったり抜いたりする行為は、髪の毛への負担となり抜け毛の原因となる可能性があります。

特に抜毛症と呼ばれる自分の髪の毛をむしりたくなる衝動に駆られる疾患は、放置すると薄毛につながることがあります。抜毛症は思春期の女性に多く見られますが、誰でも発症する可能性がある症状です。

髪の毛を傷める行為は自覚がないことも多く、抜け毛が進行していることに気づかない方もいます。

まずは普段髪の毛にどのようなストレスを与えているかを振り返ってみましょう。身近な人に自分の髪の毛の状態や癖を聞いてみるのも有効です。

参考

2023年6月度抜毛症統計｜一般社団法人 日本抜毛症改善協会

生活習慣による薄毛を自分で治す方法｜対策編

生活習慣による薄毛を自分で治す具体的な対策方法は以下です。

• 育毛剤（シャンプー）を使う
• 頭皮マッサージを行う
• 紫外線対策を行う

それぞれ詳しく解説します。

育毛剤（シャンプー）を使う

薄毛が気になる方は、育毛剤や育毛成分配合のシャンプーを試しましょう。

市販の育毛剤にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴的な成分が含まれています。自分の頭皮の状態や悩みに合った製品を選ぶことが大切です。

また、育毛シャンプーも頭皮の清潔を保ち、育毛をサポートする効果が期待できます。育毛シャンプーを選ぶ際には、頭皮にやさしい成分配合の製品を選びましょう。

育毛剤は継続した使用が重要です。髪の毛の成長には時間がかかるため、効果を実感するまで焦らずに少なくとも3ヶ月以上は使い続けましょう。

参考

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

頭皮マッサージを行う

薄毛対策として頭皮マッサージは非常に有効な手段の一つです。頭皮マッサージを行うことで頭皮の血行が促進され、毛根に酸素や栄養が行き届きやすくなります。これにより髪の毛の成長を促し、薄毛改善が期待できます。

頭皮マッサージのポイントは、指の腹を使ってやさしく行うことです。爪を立てると頭皮を傷つけるため注意しましょう。円を描くように指で頭皮を揉みほぐしたり、頭皮を指で持ち上げて上下に動かしたりするなど、自分に合った方法を見つけることが大切です。

毎日継続して行うことで、より効果を実感できるでしょう。

参考

「ヘッドスパ」における頭皮マッサージ基本手技が心身に及ぼす影響

紫外線対策を行う

紫外線は肌だけでなく頭皮や髪の毛にもダメージを与えます。紫外線によって頭皮が乾燥したり炎症を起こしたりすると、薄毛につながりかねません。また、紫外線は髪の毛のキューティクルを傷つけ、パサつきや切れ毛の原因にもなります。

特に夏場など紫外線が強い時期は、帽子や日傘などでしっかりと頭部を保護することが大切です。また、紫外線カット効果のあるヘアケア製品を使用するのも良いでしょう。

紫外線対策は夏場だけでなく、一年を通して行うことが大切です。冬場でも晴れた日は紫外線が降り注いでいます。日差しの強さに関わらず、外出時には紫外線対策を心がけましょう。

参考

紫外線についての基礎知識｜日本化粧品工業会

薄毛を自分で治す方法を試して改善する前兆（サイン）は？

薄毛対策により効果が出てきたと実感できるサインは、いくつかあります。

まず、髪の毛全体にハリやコシが出てくることです。毛根が活性化し、髪の毛が健康に成長している証拠といえるでしょう。

新しい髪の毛が生えてきているサインとして、産毛が増えたり抜け毛が減ったりする変化が現れることがあります。さらに新しく生えてきた髪の毛が伸びて、頭皮に触れることで頭皮のかゆみを感じるようになる方もいるでしょう。

これらのサインが現れても、薄毛改善の効果を実感できるまでは時間がかかることもあるので、焦らずに薄毛対策を継続しましょう。

自分で治す方法を試しても薄毛が進行するなら専門家へ相談

薄毛改善に取り組んでいても改善が見られない場合は、遺伝的な要因や脱毛症が原因の可能性があります。

脱毛症には男性型脱毛症（AGA）や円形脱毛症など、さまざまな種類があります。脱毛症は自然に治るケースもありますが、多くの場合は治療が必要となる疾患です。

もし自身が脱毛症かもと感じたら、早めに皮膚科の受診をおすすめします。専門家による診断により、脱毛の原因を特定し適切な治療が受けられます。

早期に治療を開始することで脱毛の進行を遅らせ、髪の毛を取り戻せる可能性が高まるでしょう。

女性は産後・更年期で薄毛が増えることもあるので注意

女性も産後や更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に薄毛や抜け毛に悩むことがあります。

出産後のホルモンバランスの変化は、一時的な抜け毛を引き起こす原因です。妊娠中に増加した髪が産後に一気に抜け落ちる現象で、通常は数ヶ月で回復します。一方、更年期になると女性ホルモンの分泌量が減少し、薄毛の原因となることがあります。

これらのライフイベントによる薄毛はある程度は避けられませんが、気になる場合は専門家や産婦人科医に相談しましょう。適切なアドバイスや治療を受けることで、薄毛の進行を遅らせたり改善につなげたりできる可能性があります。

参考

更年期｜一般財団法人 女性労働協会

自分で治す方法を試して薄毛へ早めに対処しましょう

薄毛は生活習慣の見直しや適切なケアを行うことで、改善が見込めるケースもあります。薄毛に悩んでいる方は、まずは自身の生活習慣を見直してみましょう。

質の高い睡眠をしっかり取る、バランスの取れた食事を心がける、適度な運動を行うなど、基本的な生活習慣の見直しだけでも、薄毛改善につながることがあります。

育毛剤や育毛シャンプーの使用、頭皮マッサージ、紫外線対策なども、薄毛対策に有効な手段です。改善が見られない場合は、これらの対策と並行して専門家への相談も検討しましょう。

薄毛は早期の対処により改善が見込める可能性が高まります。自身の状態に合わせて、適切に対策し髪の毛の健康を取り戻しましょう。