「父親・祖父が薄毛のため自分も将来禿げないか心配」「もともと髪の毛が細いので禿げるのではないか不安」などで悩む人もいるでしょう。

禿げる可能性はだれにでもありますが、より禿げやすい特徴を持つ人が一定数います。また、禿げ始めの時期は前兆が見られることが多いため、可能な限り早めに対処し将来の禿げを予防することが大切です。

本記事では男性で将来禿げやすい人の特徴と対処法や、今からすぐに始められる予防法を紹介します。記事を最後まで読むと禿げの前兆や効果的な対処法が分かり、将来禿げるリスクを下げられます。

禿げの家系で不安な人や、実際に抜け毛の量が増加したなどの前兆が思い当たる人は参考にしてください。

男性で将来禿げやすい人の特徴と対処法

男性で将来禿げやすい人の特徴は次の通りです。

• 父親が禿げており遺伝の可能性がある
• もとから髪質が細くて弱々しい
• 睡眠や運動が不足し代謝が落ちている
• 脂っこい食事や外食を好み栄養素が偏っている
• ストレスや疲れが溜まりやすい状況が続いている
• 頭皮や毛髪のケアが自己流・気にしていない
• 頻繁な飲酒や喫煙の習慣がある
• 髪の毛を抜く・傷める癖がある

父親が禿げており遺伝の可能性がある

父親が禿げている人は、遺伝により禿げる可能性が高いことを知っておきましょう。

薄毛になる病気（脱毛症）の中でも男性に多く見られるAGA（男性型脱毛症）には、遺伝が深く関わっています。

AGAに伴う抜け毛の遺伝的要因は、体内の酵素の一種「5αリダクターゼ」の活発度と、男性ホルモン受容器「アンドロゲンレセプター」の感受性です。

遺伝的に5αリダクターゼが活発にはたらく上、アンドロゲンレセプターの感受性が高いと、抜け毛を引き起こすサイトカインが産生されやすくなります。

5αリダクターゼの活発度は優性遺伝のため両親から遺伝子を受け継ぎますが、アンドロゲンレセプターの感受性は母方の遺伝子に強い影響を受けます。

隔世遺伝で禿げるのは、母方の祖父の遺伝子を受け継ぐためです。

AGAは進行型の脱毛症で自然治癒が難しいため、専門機関での対策・治療が必要となります。

もとから髪質が細くて弱々しい

髪の毛がもともと細くて弱々しい人も、将来禿げる可能性があります。

髪質によらず、年齢を重ねると細胞の活力低下や血行不良が原因で髪が細くなりやすいです。

もともと髪の毛が細い人は加齢によってさらに毛が細くなり、地肌が透けて見えるなど禿げの症状は強くなるでしょう。

髪質の根本からの改善は難しいですが、髪の毛を健康に保つ習慣・行動を心がけることで、髪の毛の太さを維持できる可能性があります。

もともと髪の毛が細い人より注意してほしいのが、以前と比べて急に髪の毛が細くなったケースです。

急に髪の毛が細くなった人は、AGAをはじめとする脱毛症に罹患している可能性があります。

髪の毛のボリュームダウンが目立つ人、スタイリングしにくくなっている人は、一度毛髪診断士などの専門家に相談してみましょう。

参考

毛髪に関する数字｜日本毛髪科学協会

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睡眠や運動が不足し代謝が落ちている

睡眠不足や運動不足が原因で代謝が落ちていることも、将来禿げる男性の特徴の一つです。

髪の毛は毛母細胞の分裂により成長しますが、そのためのエネルギーを毛細血管から受け取ります。慢性的な血行不良により代謝が低下すると、髪の毛の成長を妨げ抜け毛リスクが増加します。

近年の研究により、寝ている間の代謝は睡眠の後半に高くなることが判明しました。睡眠不足や睡眠の質の低下は代謝を下げ、抜け毛リスクを高めやすくなります。

睡眠・運動の不足以外に、ストレスや疲労の蓄積などでも代謝は低下するため注意が必要です。

質の高い睡眠を十分に確保し、日中に適度に身体を動かしストレスを発散すると、自分で代謝を高められます。

参考

睡眠と代謝の密接な関係 ｜筑波大学

脂っこい食事や外食を好み栄養素が偏っている

揚げ物やスナック菓子などの脂っこい食事を好む人や、外食やコンビニ弁当が多くて栄養バランスが偏っている人は、将来禿げるリスクが高いです。

脂っこい食べ物を好んで摂取しない人でも、良好な頭皮環境を保ち髪の毛の成長に寄与する栄養素が不足すると、健康的な髪の毛が育ちにくくなります。

頭皮環境を良好に保ち、抜け毛や薄毛を予防するためには、普段から以下の栄養素および食品をバランスよく摂取するのがおすすめです。

栄養素	食べ物の例
タンパク質	肉類・魚類・豆類・乳製品・卵製品など
亜鉛	牡蠣・シジミ・チーズ・レバーなど
ビタミンB	赤身の魚・脂質が少ない肉類・バナナなど
ビタミンD	マグロ・サバ・キノコ類など
鉄分	カツオ・マグロ・赤貝・ほうれん草など

参考

栄養に関する基礎知識｜国立循環器病研究センター

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ストレスや疲れが溜まりやすい状況が続いている

ストレスや疲れが溜まりやすい状況が続いていることも、男性で将来禿げる人の特徴の一つです。

ストレスや疲労の蓄積は自律神経のうち交感神経を優位に傾けて血管を収縮させるため、頭皮の血行不良を招きやすいです。

頭皮に送られる血液量が減少すると代謝が低下するため、抜け毛リスクが高まります。

忙しい現代人にとってストレスから完全に逃れるのは難しいため、自分なりの方法でストレスを発散する習慣を持つと良いでしょう。

疲労も自覚しないうちに溜まりやすいため、定期的にまとまった休息をとるなどの対策が必要です。

頭皮や毛髪のケアが自己流・気にしていない

頭皮や毛髪のケアが自己流であったり無頓着だったりする人も、将来禿げる可能性が高くなります。

例えば毎日のシャンプーで正しい洗髪方法を知らずに適当に洗っていると、かえって頭皮環境を悪化させ抜け毛リスクを高める恐れがあります。

特に男性の場合は強い力でゴシゴシ擦るなど頭皮にダメージを与えている人が多いため、正しい洗髪法を身につけておきましょう。

毎日の頭皮ケアで見直すべき主な項目は以下の通りです。

• シャンプー
• ドライヤー
• 日焼け止め・紫外線対策
• 頭皮の保湿
• 髪の毛のトリートメント

シャンプー以外にも意識すべき項目はいくつもあるため、段階を追って見直しましょう。

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頻繁な飲酒や喫煙の習慣がある

頻繁な飲酒や喫煙の習慣があることも、男性で将来禿げる人の特徴の一つです。

飲酒が直接的にAGAの原因になるわけではありませんが、アルコールを代謝する際に亜鉛が大量に消費されます。

亜鉛はアミノ酸を髪の毛の元となるケラチンに再合成する際に欠かせない必須ミネラルの一種です。

そのため、頻繁な飲酒やアルコールの過剰摂取は髪の毛の成長に悪影響を与えます。

またタバコを吸う人に関しては、非喫煙者に比べてAGAを発症するリスクが1.8倍高いことがわかっています。

将来禿げるリスクを下げるためには、飲酒量やタバコの本数を減らすことから始めると良いでしょう。

参考

アルコール｜厚生労働省

喫煙と男性型脱毛症の関連性に関するメタ分析研究（英文による解説）

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髪の毛を抜く・傷める癖がある

自分で髪の毛を引き抜いたり頭皮を傷めたりする癖がある人は、将来禿げるリスクが高くなります。

自分で髪の毛を引き抜いてしまう病気が抜毛症です。

抜毛症を発症すると、抜いてはいけないとわかっていても髪の毛や体毛を引き抜く衝動が抑えられなくなります。

抜毛症は自分で治すことが難しく、毛根が死滅すると髪の毛が生えて来なくなるため、専門の医療機関での治療が必要です。

また抜毛症ではなくても、頭皮を掻きむしる癖があると髪の毛や毛穴にダメージが加わります。

頭皮の色が赤や黄色になっている人はダメージ蓄積が疑われるため、毛髪診断士などの専門家に相談するのがおすすめです。

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絶対に禿げない人はいないので男性は薄毛対策をした方がよい

禿げやすくなる要因はさまざまで、誰にでも禿げる可能性があります。

なかでも男性に見られる代表的な薄毛のAGA（男性型脱毛症）は、主に遺伝で発症リスクが高くなるとわかっています。

しかし、年齢を重ねれば髪の毛が細くなり、全体のボリュームが減少するのは当たり前の現象です。

男性は遺伝以外にも、皮脂の過剰な分泌や誤ったヘアケアにより抜け毛のリスクが高い傾向にあります。

いつまでも年齢相応の毛量を保ちたいのであれば、早めに薄毛対策を始めるのがおすすめです。

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将来禿げる可能性が高い男性は前兆が現れる場合も多い

将来禿げる可能性が高い男性の場合、何らかの前兆が現れるケースも多いです。

特に以下の前兆が見られる人は早めの対策が必要です。

• 髪の毛を洗った後の頭皮が透けて見える
• 排水溝に詰まる抜け毛の量が目立つ
• シャンプーの後に頭皮がつっぱる
• 頭皮がベタついて粒の大きなかさぶたのようなフケが目立つ
• 前髪をかき上げると額の両サイドが後退している
• 毎日シャンプーしているのに頭皮にかゆみや赤みが見られる
• 髪の毛のトップがペタンと寝てしまう
• 髪の毛のセットが決まりにくくなってきた

現在は該当する項目が無い人でも、上記の前兆が見え始めたら早めに対処してください。

今から将来の禿げに対してできる予防策

禿げやすい人の特徴に当てはまる、もしくは将来の禿げが心配な人は、普段から以下2つの予防法に取り組むのがおすすめです。

• 育毛剤の使用
• 頭皮マッサージの習慣化

ここでは、今から将来の禿げに対してできる予防策を2つ紹介します。

育毛剤の使用

育毛剤は医薬部外品に分類されるヘアケア用品で、厚生労働省では以下の効果・効能が見込めるとしています。

• 血行を促進して頭皮環境を整える
• 既存の髪の毛を健やかに育てる
• 薄毛や抜け毛を予防する
• フケやかゆみを予防・改善する

育毛剤にはローションタイプとスプレータイプがあるため、それぞれ以下の手順を意識して塗布してください。

ローションタイプ	スプレータイプ
容器のキャップをはずすノズルを頭皮にトントンと押しあてる指の腹で溶液を頭皮にしみこませるキャップをしっかり閉める	頭皮から5～10cm離すエリアごとに数回に分けて噴射する噴射した部位をもみ込む両手で頭皮全体になじませる

育毛剤は市販でも十分に効果がありますが、最低でも半年は継続的に使用するのがポイントです。

参考

医薬部外品の効能効果の範囲｜厚生労働省

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頭皮マッサージの習慣化

髪の毛は毛母細胞の分裂により成長しますが、細胞分裂に必要なエネルギーを毛細血管から受け取ります。

毛細血管の血流を促進するには、頭皮マッサージの習慣化がおすすめです。

頭皮マッサージは以下の手順で行いましょう。

• マッサージの前に両手を温めておく
• 首の後ろから後頭部にかけて、筋肉を両手の人差し指から薬指の腹で緩める
• こめかみ周りの筋肉を、両手の人差し指から小指の腹で円を描くようにマッサージする
• 両手の指の腹で頭皮全体をマッサージする
• 最後に頭頂部のツボ「百会（ひゃくえ）」のツボ押しで締めくくる

頭皮マッサージを行う際に育毛剤を併用すると、血行をさらに促進する効果が見込めます。

参考

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将来禿げる可能性が高い男性は専門機関で治療を始めるのも手

父親や祖父が薄毛で自分も将来禿げる可能性が高いと思う男性は、専門のクリニックで早めに治療を始めるのも一つの手です。

専門のクリニックでは問診や視診、マイクロスコープの検査により抜け毛の原因を特定します。

抜け毛の原因でAGAが疑われる際には、遺伝子検査で治療薬が使用できるか確認可能です。

AGAは思春期以降に発症する進行型の脱毛症ですが、早めに対策するほど高い治療効果を得やすいです。

進行型の脱毛症のため完治は難しいですが、適切な治療で症状の進行を遅らせ、年齢相応の毛量を維持する効果が見込めます。

10代（高校生）から禿げの対策はできるが発毛剤は使えない

禿げを対策を始めるなら何歳からでも大丈夫です。

男性に多く見られるAGA（男性型脱毛症）は思春期以降に発症する脱毛症で、早めに対処するほど将来の禿げのリスクを下げる効果が見込めます。

10代（高校生）でも若禿げの兆候が出てきた人や将来の薄毛が気になる人は、今からでも対策を始めるのがおすすめです。

ただし、10代（高校生）に関しては、育毛剤は使えますが発毛剤の使用は原則として禁止されています。

その理由は発毛剤に含まれる有効成分「ミノキシジル」の未成年に対する有効性・安全性が確認されていないためです。

発毛剤は20歳以上にならないと使えないことは覚えておいてください。

将来禿げるのが心配な男性ほど早めに対策を始めましょう

将来の禿げは自分でコントロールできる要因と、加齢やホルモンバランスの変化など自然に起こる要因が複雑に絡み合って起こります。

例えば、代表的な脱毛症のAGAは主に遺伝が原因で発症する一方、乱れた生活習慣や誤ったヘアケアなどが抜け毛リスクを高めることなどです。

日常的に栄養バランスの取れた食事を意識し、適度に身体を動かすなどでストレスを発散して、質の高い睡眠を十分にとれば抜け毛リスクは減らせるでしょう。

遺伝が原因のAGAを発症したケースでも早期に適切な治療を受けると、症状の進行を遅らせ年齢相応の毛髪量を維持することが可能です。

将来の禿げはどの男性にもありえることなので、気になる場合は早めに対策しましょう。